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Second life (仮)  作者: 壱弥
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閑話:翻訳の話

Q.突然だが、疑問がある。

この世界の言葉を勉強しなくても勝手に翻訳されて通じるのはありがたい。ありがたいのだが……


「ちゃんと訳されてんのか……?」


たとえば、マジというスラング。たとえば、カロリーメイトというこっちの世界にない言葉。たとえば、ことわざのような独特の言い回し。

うっかり言うことも今まで結構あったと思うのだが、はたしてこれらの言葉の意味は正しく伝わってるんだろーか?



A.神様の場合


まあこいつに聞けば一発でわかるよな。


「というわけなんだが。そのへんどうなってんだ?」


『ふむ、すまんが今ちょっと忙しくての? ボインちゃんのいっぱいおる世界を創っとる真っ最中で手が離せんのじゃ。自分で調べておけ』


「待てこら爺。自分の欲望丸出しじゃねーか! そのくらい言えよ、いや書けよ!」


『………』


逃げやがった……!



A.マオの場合


「マオ、俺の言葉ってどういうように聞こえてる?」


「え?普通に聞こえてるけど……どうして?」


「ああいや、ちょっと俺は出身が特殊だからさー、変なことを言ったりしてないかと」


「大丈夫、カエデがちょっとおかしなことをしたり言ったりしてもアタシはカエデの味方だから!」


「あ、うんありがと」


聞きたい意味がちょっと違うんだけどな。


「じゃあマオ、俺がこれから言う言葉の意味を言ってくれ」


「うん、いいよ」


「マジ」


「本気……かな?」


あ、こういうのは正しい意味に直されるんだ。


「カロリーメイト」


「かろりーめいとはかろりーめいとでしょ?」


固有単語は固有のまま……なんだろうか。もうひとつ聞いてみよう。


「赤いキツネと緑のタヌキ」


「え?赤いキツネと緑のタヌキ……そのままじゃないの?」


あー、うどんとは認識されないんだ。俺の想像した意味がそのまま伝わるわけじゃない、と。カロリーメイトはこの世界になかったのを俺が教えた言葉だから、そのまま伝わってるだけなんだ。


「一生懸命」


「ものすごくがんばること」


「石橋を叩いて渡る」


「慎重にすること」


ほう。四字熟語やことわざは意味が通じるのか。固有単語との違いはよくわからないけど……


「ていうかカエデ、意味をそのまま言ってるよ?」


「そうか? 分かった、ありがとマオ」


なるほど、単語じゃなくて意味として訳されるのね。



A.変態の場合


「かくかくしかじか。というわけで言っていけ」


「かくかくしかじかって、それで通じるわけないだろ……いきなりなんだ兄ちゃん」


省略は無理、と。今回はちょっとファンタジーで攻めてみようか。


「いいから意味を言っていけよ。騎士」


「堅苦しい頑固者」


「……おい、一般的な意見を言えって言ってんだよ」


「いいのいいの、十分一般的だって」


「ドラゴン」


「魔物の一種。怖いし硬いし強い。ブレス吐くし」


「魔王」


「こっちの国を侵略してくる魔物の親玉。勇者のやられ役」


「いるのかよ!?」


しかも勇者も。ゲームじゃないんだぞおい。


「いるよー。勇者にやられても復活するってのが定番でさ、今は138代目がやられたはずだったっけな? 次は139代目だな」


魔王かわいそうすぎる。ていうか138代って多すぎだろ……


「結婚」


「愛し合う何人かで人生を共にすること。人生の墓場」


「墓場って……ていうか意味おかしくないか?」


「え、どこが? ああ、人生の墓場? いや、本当に墓場らしいぜ?」


まあ俺は経験したことないからしばらくは生きていられるな、と言って笑うジャック。でも突っ込みたいところはそこじゃなくて。


「いやその前。何人かでっておかしいだろ」


普通1対1、そうじゃないってことは……あ、中東の方みたいに一夫多妻制なんだろうか?


「いや全然おかしくない。貴族とかなら男5、女10とか普通だぜ?」


ナニソレ。


「え、それって夫婦っていうのか? つーかなんだ、多夫多妻制ってこと?」


「あー…うん、そんな感じ。好きで、相手も同意するならいくらでも結婚できるから」


なんだろう。翻訳が正しいのか確かめるはずが、変な方向に話がすっとんでる気がする。


「ま、経済力の関係もあるんだけど。俺ならハーレム作るね。男なんてイラネ」


「そういう問題じゃねーよ……」


この世界に来て、一番元の世界とかけ離れた印象を受けたのがこの話な気がする。モンスターとかは定番だけど、どこのファンタジーに多重婚OKな話が出てくるんだよ。


「もういい。これ以上聞くと頭が変な感じになりそうだ」


倫理観とか貞操とかいろいろと。


「え、自分から振っといてそれかよ。いいから話そうぜ―、同性でも結婚できることから起きた笑い話教えてやるからさ」


「聞きたくない」


マジで。本気で。何が悲しくてそんな話を聞かなきゃいけないのか。


「本当に行くのかよ!?おい、ちょっと、笑い話はまだ……」


聞かない聞けない聞きたくない。ジャックをおいて、さっさと退散することにした。



最終的な答え。たいていしっかり訳されてるけど、似たような意味の場合は違いを無視して伝わる。

そのせいで最大級のカルチャーショックを受けましたとも、ええ。

とりあえず結婚あんまりしたくねぇなぁと思った17才でした。

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