経験値999✕120=119880ゲット!
「レベルアッププログラム――起動!」
アイラがそう叫ぶと、部屋が霧散する。
そして、以前見た真っ白い世界が広がった。
「今回はどんなのがいい?」
「うーん。まだよく分かっていないからお任せで」
「おっけー! それじゃあ、こんな舞台にしよう!」
指を弾くと、いつの間にか険しい崖の下に立っていた。
崖の上にはところどころに的が設置されている。
「うわ!? なんかまた景色が変わりました!?」
ナナは先程から驚いてばかりである。
まあそれも仕方がない。今回に関しては俺も驚いている。
「ダンジョン型にしようかなって思ったんだけど、今回は崖登りの試練にしたよ!」
「ダンジョン型もできるのか。それはそれで楽しみだな」
まさに隠しダンジョンらしい。
しかし、今回みたいにユーモアに富んだものも面白い。
「それじゃあ俺は、崖を駆け上がりながら的を壊して頂上に行けばいいんだね?」
「そう! 多分、今の君なら問題なくクリアできると思うよ!」
「よ、よく分からないけど頑張ってください!」
俺は剣を引き抜き、一気に跳躍する。
突き出た岩に足を置き、どんどん駆け上がる。
「はっ!」
崖に設置されている的を壊す。
すると――
―――――――
経験値999取得
―――――――
脳裏にそんな文字が浮かんだ。
どうやら一つ壊すごとに999の経験値が入るらしい。
……999の経験値を得るとなると、現実では魔物二十体分。
やっぱ隠しダンジョンはやばいな。
俺は繰り返し的を壊していく。
―――――――
経験値999取得
―――――――
―――――――
経験値999取得
―――――――
―――――――
経験値999取得
―――――――
―――――――
経験値999取得
―――――――
―――――――
経験値999取得
―――――――
どんどん壊していく。
壊せば壊すほど的の配置が難しくなってきた。
さらに、突き出た岩の配置も登るほど難しくなってくる。
だが――今の俺なら何故かできた。
「ルイト様すごいです! 人間からかけ離れた身体能力……さすがは鋼鉄胸筋です!」
いや……どんな褒め方だよ。
ただ、筋肉を褒められるのは悪い気はしない。
最後の的を破壊し、俺は崖を登りきる。
『おめでとうございます。試練、達成です』
そんな声が聞こえると、また真っ白い空間に戻った。
―――――――――
経験値119880取得
ルイト LV3123
攻撃 25432
防御 21345
魔攻 2345
魔防 2211
運 564
―――――――――
この経験値となると、的を120個壊したことになるのか。
わりと頑張ったな。
汗を拭っていると、ナナが抱きついてきた。
あまりにも唐突で心臓が飛び跳ねそうになる。
というか、当たっている。当たっている!
「すごくかっこよかったです! うっとりしてしまいました!」
「そう言ってくれて嬉しいよ」
「お疲れ。それじゃあ、また宿モードに戻すね」
指を弾くと、宿の形になった。
俺はシャワーを浴びた後、ベッドに横になる。
アイラとナナは一緒にお風呂に入っているようだ。
俺はその間、明日国境を超えて何をしようか悩む。
外にはどんな世界が待っているのだろうか。
ドキドキが止まらない。
「戻りましたー!」
「気持ちよかったー!」
「ほい――って!?」
タオル一枚で出てきた二人を見て、全力で背中を向ける。
「あ、あの……どうしてタオル一枚で?」
「王室ではいつもこんな感じだったんですけど、何かおかしいことでもしましたか?」
「私は知らなーい」
アイラの野郎……。
「それじゃあおやすみなさーい!」
そう言って、隣のベッドに飛び込む音が聞こえた。
もう、全く。これはしばらく眠れない日々が続きそうだ。
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