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第三王女の悲鳴

「アイラ……一度、地上に出てみたいんだけど、大丈夫か?」

「お。もしかして早速力を試したかったりするの?」


 力を試したいのもある。

 だが、それ以上に自分には目的があるのだ。


「今の俺なら――世界を見ることができるかもしれない」

「世界……?」


 こくりと頷き、俺はアイラのことを見る。


「憧れだったんだ。この世界のすべてを探検するのが」


 だから俺は勇者パーティへと無理をして参加した。

 結果としては、国家から出ることはなかったんだけど。


 でも、今ならそんな枠組みにとらわれることなく探索できるかもしれない。


「それが、君の夢なんだね」

「ああ。夢だ」


「分かった! アドバイザーとして、君の夢を叶えるお手伝いをするよ!」

「本当か! ありがとう、ありがとう!」


 思わずアイラの手を握ってしまう。

 はっとなり、慌てて手を戻すが頬が熱くなるのを感じた。


「それじゃあ、地上へ行こっか!」


 そう言って、アイラは指を弾く。

 すると、瞬きをする頃には【アルカディア】の入り口に立っていた。


「ほ、本当に戻った……!」


 俺は感激のあまり、ガッツポーズを取ってしまう。

 なんせ地上に戻るなんて金輪際不可能だと思っていたのだ。


 見渡すが、勇者パーティ御一行は見当たらない。

 多分、既に帰還しているのだろう。


「アイラ、早速だけど俺は街へ戻って馬車に乗るよ。早く国の外を見に行きたいんだ!」

「いいねいいね! そういう向上心の塊みたいな人間、私大好きだよ!」


 アイラにも許可を貰ったし、俺は早速街へと歩き出した。

 といっても、前まで住んでいた街――王都にではない。


 そこに戻ったら、下手をすればリイドと合流してしまうかもしれない。

 まず、変なことになるのは間違いないだろう。


 別に力を見せつけたいわけでもないので、会う必要性はない。

 また別の街に行く必要がある。


 近くの街となると……ここから歩いて一時間くらいか。


「時間かかるな……」

「あれ。そう言えば気がついてない?」


「気がついていないって?」

「いや、ルイトって新しい魔法が使えるようになったのよ?」


「え……? マジで?」


 俺は不思議に思いながら、ステータスを確認する。

 すると、数多くの魔法一覧が一気に流れた。


「なんだこれ!?」

「だから、ルイトが持ってる魔法」


「俺……剣士だけど」

「レベルが上がったら関係なくなるからね! これからは魔法剣士も名乗れるわね!」


 や、やばいな。

 俺は魔法の中から、《速度加速》を見つけた。


 この魔法を使えばかなり時間を短縮できるようだ。


「私はどれだけ君が離れても、絶対に追尾できるから遠慮なく魔法を使ってね!」

「さすがは精霊。よし、それじゃあ《速度加速》!」


 唱え、一歩全身すると景色がすごい速度で移ろいだ。

 まるで風になったかのようだ。


「こ、これなら最速で――」


 瞬間、どこかで叫び声が聞こえた気がした。

 俺は立ち止まって辺りを見渡す。


「アイラも聞こえたよな?」

「うん。人間の叫び声だったね」


「……助けに行ってもいいか?」

「いえあ! 力は誰かのために使わないとね!」


 許可を貰ったら後は問題ない。

 俺は声が聞こえた方へと走った。


「だ、誰か……!」


 そこには、一人の少女がいた。

 ――いや、少女だが俺の知っている顔。


「ナナ第三王女!?」


 この国――アルバ王国の第三王女であった。

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