九話
読んでくださり、ありがとうございます
「それで用とはなんだ」
「あ、えっと今日の朝のことなんだけど……」
俺は、朝に何があったのか、そしてホームルーム終わりに星宮に言われたこと
それらをしっかり説明することにした
腹を下したことは、いじられるのが目に見えているので話しません
「なるほどな、わかった。ならば今日の体育は休め、葵には私から言っといてやろう」
「助かった、このままだと手を抜いていることがばれて評価下げられるとこだった」
葵とは、福留葵という名の体育教師である
身長は結構低く、あまり大人に見えないような教師だ
だが、身長に関係する話をすると、赤い髪をなびかせ、赤い瞳をギラギラ輝かせながら
人が変わったように急に切れだす
ちなみに、花染朱音を幼女にしたような容姿のため生徒の間では、血族と噂されている
「あ! そうだちょうどいい、体育は三限目だったよな?」
「そうだけど、なんだよ。課題と掃除は嫌だぞ」
「いや、そういうのはさせないさ。まぁいいから私に付き合え。とりあえず、二限目が終わったら私のもとに来い」
とてもニヤついた顔で俺を見ていて、絶対ろくでもないと確信がついてしまった
意外にもあっさりと休むことは可能になったが
休んでいる時間が、自国にならないことを俺は願うことしかできなかった
そして、授業も終わり先生と合流しまたあの部屋にやってきた
俺は、いったい何をさせられるのだろうかと、不安な顔で見ていると
先生は話し始めていた
「そう身構えるな。お前のさっきの話を聞いていいことを思いついてな。星宮にただ力の使い方を教わるだけなのも面白くないだろ? 実は星宮には、お前の監視をするとともにこの周辺で、見回りもしてもらっているんだ。それに同行し手伝いをしろ」
「なんで見回りなんか? しかも、同行するって急に言われても」
「しっかり説明してやろう、順を追ってな。見回りをする理由は二つある、一つはお前の力を悪用しようとするやつから守るためだ。そして二つ目は、この世に災いをもたらす悪しき物ノ怪を討伐すること」
「悪しき物ノ怪?」
「そう悪しき物ノ怪だ、我々は、それらを『妖異』と呼ぶ。簡単に言えば、我々はその妖異を討伐し人々を陰ながら守るのが仕事だ。そして、物ノ怪を見たり感じたりすることができるのは魂が覚醒しているものだけだ。普通の人間では認識することはできない。まぁ、例外もいるが。お前が、見回りに同行する理由だが、基本我々と力の使い方は似ているのだが、お前は完全に規格外な存在、大嶽丸の力が混ざっている。やつと我々では力の使い方が少し違うのだよ。だから、戦いの中で見つけろ」
やっぱりろくでもねぇじゃねぇかよ
確かに戦いが起きたらもしかしたら力が使えるようになるかもしれないが
また暴走でもしたら、今度はほんとに何をするかわからない
それに、星宮だけじゃなくて他の人を気付つけるかもしれない
もしそうなった場合、俺は…………
「安心しろ、暴走することはない」
「え……なんでそう言い切れるんだよ」
「あの時は、おそらく覚醒して間もなかったなか、お前が無理やり力を使ったことで、魂が安定していなかったんだと思うぞ。それとお前はあの時、人間なのか鬼なのかどちらか分からない、曖昧な存在になっていたはずだ。その状態で、負の感情に支配されたことによって自我を失い暴走したといったところか。どこから来ているのかは、分からないが。だが、力がなじみ始めているからなのか、お前自身の魂に変化が生まれている」
変化? 何にも変わったような気はしないんだけどな
でも、今日の俺の体が変わってきていることも考えると
やっぱり結構変わっているのか?
そういえば、大嶽丸も不安定だ、なんだとか言っていたな
「まぁ、お前自身は分からんだろう。とにかく力に対して、お前の体がついてこれていなかったのだろう。だが、暴走をきっかけにお前の体は自身の力に耐えれることができるように魂と体を変化させた。その証拠に朝の件だ」
つまり…………分かんないけど、めっちゃ強くなったってことか!
だって、いきなり情報量が多すぎるんだよ
俺にも限度というものがある、俺は難しい話が大っ嫌いなんだ
とにかく、俺が聞きたいことは一つだ
俺は今後、人間ではなくなるのかだ
「俺は、人間じゃなくなっていくのか?」
「それは難しい質問だな。そうとも言えるし、そうとも言えないな。ただわかっているのは、もし仮にお前が人間じゃなくなったとしても、完全に人でなくなる事はないだろう」
そうか、まぁごちゃごちゃ考えてもしょうがない
今は俺ができることをやるか
俺がこの力をコントロールできるようになれば、問題はないはずだ
悪用しようとするやつもいるようだし
俺は、もう誰も目の前で死なせないし、悲しませたりさせるもんか
俺は、先生との話を終えた後何事もなかったように過ごして
昼休みに、星宮に先生と話した内容を伝た
星宮は嫌がると思っていたが、意外とすんなり理解してくれた
そして、力の使い方を教わる場所は俺の家にある道場と見回りの時に決まった
見回りは夜にやるらしい
そして学校も終わり、星宮に教わることになったのだが
「――っていうことです! わかりましたか?」
「いやごめん、まったくわからないんだけど」
そう今は、俺の家にある道場で、星宮が熱心に教えてくれていたのだが
残念ながら、まったくもって分からん!
途中から呪文を唱えているのかと思ったぞ
俺の理解力がないせいなのか
「悪い、もう一度教えてくれ。できればもっと解りやすく」
「もっと、ですか? 少し難しいですがやってみます」
「おう、助かるぜ」
「まず、この世に存在している人や獣、物ノ怪すべてに精気というものが体中に流れています。わかりやすく言うと魔力です。魂が覚醒している人間は、自分の魂を具現化させて戦います。私たち八咫烏の人間は、それを魂の武器『精魂器』と呼んでいます。精魂器は、人によって能力が違うんです。その人の精気の色や量、そして魂の大きさで変わります。そして私の水雲椿は水を操る能力です」
そういった星宮は、俺の目の前に水雲椿という刀を出して
水の塊を作って見せた
あの時は余裕がなかったためか、改めてじっくり見てみると
とても美しい刀だった、白い刀身の所々に、薄っすら流れるような銀色の波紋があった
なるほど、人の魂によって色々違うんだな
あの水椿が、水能力だっていうのは、なんとなく身をもってわかってはいたが
だけど、俺の力はそういったやつとは違うって、先生が言っていたような
「そしてここからが、先輩の力についてです。力の使い方も少し普通とは違います。さっきすべての者に共通して、精気が流れているといいましたね。ですが、大嶽丸のような強大な力を持つもの、そして神通力を持っているもの、それらには、精気ではなく神気が流れているんです」
「神気? なんだそりゃ」
「神格を得て初めて手に入れる力です。たくさんの者を殺し手に入れるものもいれば、生まれた時からすでに持っている者もいます。ですが普通の人間が神格を得て、神気が体を流れれば自分の魂の器が耐え切れず、死んでしまいます。ですが先輩は、あの暴走をきっかけに、先輩に元々あった精気と大嶽丸の力である神気が混ざり合っている、そんな状態だと思うんです。ですから先輩はその力に耐えられるように魂だけではなく体にも変化が現れたんだと思います。ですが大嶽丸の力が優先なの で、まずはそっちを使えるようになりましょう」
とりあえず、話は分かったことには分かったが
そんな危ないのが俺の体の中に流れているのかよ
でも、先生も安定しているって言っていたし、まぁ大丈夫ではあるんだろうけど
じゃぁやっぱり俺は、半分は鬼と変わらないってことなんだろうか
混ざり合っているって、大嶽丸も言っていたが
「で、結局、俺の力はどうやったら使えるようになるんだ?」
「だからまずそれを、一つずつ確かめていきましょう! こう見えて私、幼い頃からたくさん勉強も訓練もしてきましたから!」
確かめるって……
まぁそんな都合よく、力の使い方がわかるわけないか
それに強くなれるなら別になんだっていい
「んで、まず何から始めればいいんだ?」
「そうですね、まずは、私の精気を先輩に流し込むので、まずそこから何かつかめないか、やってみましょう」
「おう、やってくれ」
「では、後ろを向いてください」
俺が後ろを向いたら、そっと背中に、星宮の手が触れるのがわかった
そこからは、熱いお湯みたいなものが俺の体の中を駆け巡っているような感覚があった
心臓から、手足にかけてゆっくりと、まるで血液のように
全身に、力が漲るような
視界には、俺の中から金色の蒸気のようなものが出ているように見えた
星宮を見てみると、星宮からは、まるで薄い水色の蒸気が出ていた
そして、その蒸気は俺自身をまるで包み込んでいくような感覚を味わった
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