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異世界改革 3

大魔王様がお怒りだ(クルト視点)



はっはっはっはっ。こわい、こわい、こわい。こわい。

俺は今、王城の中を全力疾走中。




午前中、今、行っている路面改革で街中で子どもたちに交通安全の講習を行ってきた。

改革をやっても、俺たちの作ったルールを浸透させるにははやり教育と実施だ。

子どもたちが事故にあってほしくないし、みたくもない。俺たちの改革で子どもが一人でも守られればいいのだけど。

街中なのだが、今は乗合馬車も1時間に3本ぐらい。以前は乗合馬車の時間が決まっていなかったから、危険予知できなかった。混む時間帯もあったので事故も多発していた。これを調整したので、危険回避はできるだろうし、子どもたちを守れる。

子どもたちにも「道を横断するときには、左右確認をして渡ろうね。馬車のそばでは騒がないようにしよう。歩道から飛び出さないようにしようね。それを守ればより安全だよ。」ということを、猫耳にひげ、猫手の手袋をした俺が、身振り手振りで説明してきた。前世でいうところのゆるキャラだ。制服を着た大人が説明するより、子どもたちにも受けはいいはずだ。

服装は城内のメイドさんにアドバイスをもらったし完璧!!

案の定こどもには受けた。馴染みやすかったようだ。

受けが良かったので、ご機嫌で、この姿で、宰相補佐執務室に報告したとき、リヒトの眉間に1本筋が走った。

可愛くね?と首をかしげた時、「うっ」と言ってたけど。

すぐに眉間のしわは復活した。なぜ?



午後から、衛士第二師団に各種の報告書の提案をしてきた。

これまで事務系の仕事のマニュアルがなかったので作成をした。

また同時に各種報告書のフォーマットを作っていった。

基本フォーマットをみて項目をかく。次に項目ごとの空欄に記入していく。日時、担当者名、仕事内容、問題点があれば場所と問題内容を、また対応策が提案できれば記入していく。

会計報告書はまず合計金額からあとは明細を添える。などなど

各種書類の説明をしていく。また疑問点があればいつでも対応するので宰相補佐室に連絡してくださいと締めた。

これには、感謝され、ハグされた。まあこれで、リヒトには苦情がいかなくなるだろう。

彼の荷が一つでもとれればよし!! 

一度宰相補佐室に戻って次の業務改革の会議資料を取りにいった。

リヒトの眉間にしわがもう一本増えてた。なぜ? 俺、リヒトの役に立ってなかった?

第二師団からリヒトのとこに俺返せと苦情がバンバン寄せられているのをしってたよ?



あと業務改革の委員会の会議で、問題点の定義と解決法の講義をしてきた。

さすが、頭脳集団、1を言えば10返ってくる。

各省庁に持ち帰って、レクチャーし問題点の洗い出しと解決策をねってみます。という言を頂いた。

俺みたいな子爵家三男の話を真摯に聞き、実行してもらうなんてありがたい。

最後にこのあと休憩室でディスカッションをしませんかと手を握られたけど

俺には帰って、また明日の資料作りがまっているので、固辞した。

ほんとにいい人たちばかりだな。仕事熱心だし。

宰相補佐室の自分のデスクにもどると、リヒトの額がひくひくしていた。

あれっ、会議は予定より30分早く終わったし仕事順調よ。なんで機嫌悪いのかな。

俺なんかした?。 あっ城内でなにかまた問題がでてきたのかな。

「リヒト様、何か問題がありました? 私でよければ、お手伝いできることはありませんか?」と、聞くと

ため息をつかれ「あなたね」と言いかけたときにドアがノックされた。

出てみると調理場の料理長。

あっ先日、魚料理の提案をしたんだった。

あじ・いわし・鮭・白身魚は高タンパク・低脂肪で女性向きでいいですよと

料理方法も簡単に説明をした。ついでに食品によっては成分が違う。体質、病状によっては食事内容も変えるべきと話をしてきた。

今日は魚の鮮度見分け方の話とメニュー開発を詰めたいということだった。

ちょっとだけでいいんで、時間をいただけませんか。と言われたので

リヒトに断りを入れて同行した。あっリヒトも白身魚好きだったな。白身魚メニューを中心に増やしてもらおう。

にへへへ。


調理場から戻ったら、執務室は暗雲どころではない。雷と暴風雨、ドラゴンがとぐろを巻いていた

「クルト!!!! あなたは!!!!」と目が45度上に上がって、口元が震えてた大魔王がいた。美麗な分だけマジで怖い。

俺は逃げた。なんで、なんで、何が悪かったのかな。俺何かした?


とりあえず、最近仲良くなったじいちゃん宰相の部屋にノックなしに飛び込んだ。

ここ王室の次に安全地帯。あまりのこわさに、宰相室の机の下に逃げこんでガタガタふるえてた。

じいちゃん宰相が穏やかに「何がありました? ここは大丈夫だから、話してごらん」と言われたので

今日一日の業務内容を言ったら「かわいそうに。苦労しているんですね。」と

「そうなんですよ。俺苦労してるんです。」と言ったらかわいそうな子を見る目をされた。

なぜ?



しばらくすると、苦虫を食い潰したような顔をしたリヒトが迎えにきた。

「君も苦労するよね。でも彼天然なだけで、君のことしか思ってないから。よく話し合いなさい。」

といって俺を引き渡した。俺天然じゃないし、子爵家育ちだから養殖よ。それにリヒトのことしか思ってないよ。





俺の恋人は超絶鈍感だ。(リヒト視点)




逃げて行った恋人の後を追うのは、もう少し冷静になってから。

どうせ、行先はアンハルト宰相執務室だ。




クルトの今日の予定は把握していた。

午前中の交通安全教室。これは彼がこの国における子どもの死亡率を少しでもさげたいと思う切実な思いから、自ら提案して、紙芝居まで用意して説明にいった。

執務途中で、どうしても気になって索敵魔法を使って彼を見ていたら、猫耳にひげ、猫手袋姿で説明していた。

茶を噴出したよ。クルトの「にゃんこさんの言うことわかったかにゃん?」と小さい子に向ける笑顔に殺意を覚えた。子どもならいいけど、「同行している衛兵はみるな。減る」と執務室でうなった俺は悪くない。

帰ってきたときに業務報告を猫姿でされたとき、脳天に何かが突き刺さってしまったが。

休日に覚えておれ。その恰好させてやる。と決心した。



午後から古巣の衛兵師団に引き継ぎをしてくるというので許したが。

何故今更引き継ぎ?、おまえさん、入団今年だったろ? 前任者がいるじゃないか。

それともあれか、脳筋のやつらは業務をこれまで理解できていなかっただけかとため息をついていたのだが、つい索敵魔法でみてしまった。

なるほど、ここの国はマニュアルが存在しない。それだからか。文官連中はそれぞれ前任者の資料を参考にして作るが衛兵連中にはそういう思考が浸透していなかったから、書類の処理に時間がかかっていたのか。

だが、嬉しいからといって、ハグは許せん。クルトも拒否しろよ。



次の業務改革メンバーの高官連中は若いし上昇志向かたまり。実力主義の連中だ。たとえ、相手が下町の連中であろうと、子どもであろうと、理に適えば敬う。

ゲルトの旧貴族志向を反面教師として陰で実力をつけてきた連中だ。

やつらがクルトを気に入るのは目に見えていた。が、クルトほど知識があり教育に向いている人材もいない。

我慢して会議に出したものの、手を握られるのはいただけない。

そうだよ。俺は心狭い男ですよ。でも、嫌なものは嫌なんだ。


クルトに一言言おうとしたとき料理長にさらわれた。

帰ってくるまでの1時間、腸が煮えくり返る思いだったよ。

ドアの隙間からクルトがのぞきこむのを見てたら、怒鳴ってしまった。

涙目のクルトが走っていくのが見えた。

わかっていないことも、わかっていたんだけどね。



宰相執務室に迎えに行って連れ帰り。補佐執務室のソファで

俺の膝の上にのせて、背中をトントンたたいてあやしてから

クルトが「怒ってない?」と上目遣いで聞いてくるものだから、

少しほだされていく。事情を聴けば、交通安全教室以外は俺のため。

分かっているんだけど、これからはむやみにハグさせない、触らせないこと。

着ぐるみ、コスプレは俺以外の前では禁止。ということを約束させた。


「あとね、これから料理長がリヒトの好きな白身魚メニュー考案をしているので一緒に試食行こう」

と言われたので、あぁそうか俺のために考案してくれたのかと思うと心が温かくなった。

「ああ、行こう」と立ち上がった

まあ、城内の衛兵貴族どもに見せつけるように手をつないで、食堂までいったら、少しすっきりした。




さてこれから防御魔法と結界魔法付与の魔道具の構築でもしましょうかね。


誤字報告ありがとうございました。

訂正させていただきました。今後とも宜しくお願い致します。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 前作を読んだ後、二人の今後をもっと読みたい!と思っていたので「3」を見つけた時はとても嬉しくて速攻で読ませてもらいました。 クルトの天然っぷりがイイですね!それに振り回されて?クールで理知…
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