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闇黒の悪役令嬢は溺愛される  作者: 葵川 真衣
第一部

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25/100

25.警戒


 リアは開き直ることにした。


「ヘーネスさんは、賭博場を経営されているでしょう?」


 彼は胡散臭そうにリアを見る。


「ここから少し先にある。まだ小さな店だがね。これから大きくする予定」

「あなたは近い将来、帝都一の賭博場を築きますわ。ここだけの話、私、予知夢をみることがあるのです。それでヘーネスさんの名前なんかも実はわかってしまったのです。うふふ!」

「なんか、おかしなお嬢さんだな……」


 彼は頬をかく。


「おれのことはヴェルナーでいいさ。君は?」

「私は、リア・アーレンスですわ」

「アーレンス? ……ひょっとして公爵家の?」

「そうです」


 ヴェルナーはぎょっとする。


「公爵家の令嬢がこんなとこで何やってんだ? 人買いに攫われでもしたらどうするんだ?」


(前世、十六歳のときに攫われ、売られそうになり、あなたに助けてもらいました!)


 リアが感謝をもって彼を見れば、彼はますます怪訝そうにする。


「なんだ? 家の近くまで送ってやるからさ、さっさと帰りな」


 一見こわもてだが、彼は優しいのだ。リアは笑みを深めた。


「ふふ。ヴェルナーさんは、いいひとですわ」

「おれをそう言う人間はいないが?」


 彼は皮肉に唇を歪める。


「今まで、人には言えないことを色々してきたからな」

「人に言えないことってなんですの?」

「お嬢さんが知るようなことじゃねーよ」


 前世でもその辺りは詳しくは教えてもらえなかったのだ。


「なんでこんなとこに来たのか知らんが。術者だし、そう危なくはねーと思うが、中には魔力を無効化する物をもってる奴もいるからな」


 ヴェルナーに会えて良かった。

 ひとまず帰ることにしよう。


「はい、では今日のところは帰りますわ」

「今日のところは?」


 彼は眉を寄せる。


「迷ったんじゃねーのか?」

「違います。今度また会いにきてもよろしいでしょうか」

「会いにって、おれにかよ?」

「そうですわ。私、ヴェルナーさんと、ぜひお友達になりたくって!」

「なんでだよ?」


 彼の顔はひきつり、まるで不審者をみる目つきだ。


「将来、色々とお世話になるかもしれませんので」

「はあ?」


 ヴェルナーは帽子をとり、くしゃくしゃと栗色の髪をかきあげた。


「この子供、すげぇおかしい。魔力も妙だし、言動も変だ。おれのこと知ってるみてーだし……予知夢ってなんだ……追及すべきか? いやしかし、まだ子供だしな……」


 ぶつぶつ呟いている。

 どうやら、警戒心を抱かせてしまったらしい。


(やっぱり、来ないほうが良かったかしら。彼と出会うのは、本来六年後だものね。ここで会ってしまうと、冒険者として生きる未来が変わってしまう? そうなると、魔物にも会えないわ)


 しかし旅に出たあと、早世したくはないのである。

 特殊能力をもつ彼と今から接触しておいて、相談をし対策を立てたかった。


「さっさと帰すべきだ、うん」


 ヴェルナーは自身の中で結論を出せば、帽子を被り直した。


「お嬢さん。帰るんだ」

「ヴェルナーさん」

「ん?」

「私は変わっていますけど……数年後、救ってもらえますか?」


 リアが切羽詰まって言うと、彼はまた独り言つ。


「……本当変わってる。関わらないほうがいい……」


 彼は笑顔をはりつけ、答えた。


「ああ、心配すんな。だからもうこんなところ、出歩くんじゃねーぞ」


 リアは彼に家の前まで送られ、そのあと彼は素早く去っていった。


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