おまけ 舞台裏3
※仲介屋にて
「アニキ、奴ら失敗したみたいっす」
「どういう事だ。まだ密偵は送っていないだろう?」
部下の報告を受けたベレッタは驚きの声を上げた。
「俺もびっくりしたんっすけど、さっき正騎士ギルドに潜入させてる奴から連絡があって、どうやらクラン事潰されたようっす」
「はあっ!? 非正規ったってたった4人の女子供に潰されるようなクランじゃねぇだろう?」
「いえ、潰したのは奴らじゃないっす。聞き出させた話じゃ、襲撃に失敗してアジトに戻ったその日の夜に黒い悪魔に襲われたとか意味不明な事を言ってるらしいんっすよ」
「黒い悪魔? なんだそりゃ?」
「そんな事俺に聞かれても知らねっすよ。でも、奴らから聞き出した奴の話では、そういう事になってるっす」
報告内容が意味不明すぎて理解が追い付かずベレッタと部下の男は考え込む。
「まあ、兎に角、依頼は失敗って事だな。多少は期待していたんだが奴らは俺達とは縁がなかったって事だ」
「そっすね。それで依頼の継続はどうするんっすか?」
「あぁ? そんなもん終わりだ終わり。追加料金なんか奴には払えねぇだろう? 俺たちゃ趣味で仕事やってんじゃねぇぞ? これ以上、端金の為にリスクは負えねぇよ。まあ、あの好色男が100万出すってんなら一流クランに繋いでやらん事もないがな」
「そんで捕まった奴らはどうするっすか?」
「どうもしねぇ。所詮は俺達を〝闇ギルド〟なんて俗称で呼んでいる連中だ。どれだけ調べられても、俺達との繋がりなんざ出て来ねぇよ。下手に手を出すと足がついちまわぁ」
「それもそっすね」
※正騎士ギルド、アインス支部にて
「調べは進んだのか?」
「いや、奴ら酷く錯乱していてな。かなり難航している」
アインスの正騎士ギルドで正騎士達が双頭の毒竜の取り調べ状況について話をしている。
「ほとんどの奴等は話をさせようとする度に吐くわ泣くわで話にならないんだ。『黒い悪魔に襲われた』とかおかしな事を口走ってな」
「黒い悪魔? なんだそりゃ? 余程恐ろしい目に遭わされたんだな。それで闇ギルドとの繋がりは?」
「全く掴めていない。依頼も違法奴隷の売買も全て仲介を通してやっていたらしいからな。しかも相手からの連絡がなきゃ会う事も出来ないって言うんだから調べようもないぜ」
「嘘を言っている……て事は無いよな」
「ああ、魔法道具で調べているから嘘なら反応がある。非正規クランとは言っていたが、ここまで繋がりが掴めないとはな。ひょっとすると闇ギルドを自称しているだけかも知れん」
正騎士は調べても調べても大元に繋がる情報を得られず、ため息しか出ないようだ。
「んじゃ、その黒い悪魔については何か分かったのか?」
「そうだな、双頭の毒竜の奴らは震えて口を噤んでいたが、捕まっていた女達の話では全身に黒い装備を纏った騎士だそうだ。顔も名前も分からないそうだが、女達は黒衣の騎士様とか呼んで神でも崇めるようにしていたぞ」
双頭の毒竜のメンバーは黒衣の騎士を思い出しただけで全身を震え上がらせ真っ青な顔で吐く者、泣く者、奇声を上げる者ばかりで話にならない。ファーマは気付いていないがリミット開放の威圧神術と脅しの組み合わせは、しっかりトラウマを植え付けていたのだ。
捕まっていた女性達には明確な口留めはしていなかったのだが、最低限の情報しか話していないようだ。
「ははっ……危ないところを助けられたんだから神様に見えてもおかしくないよな。で? クズどもの処遇はどうなるって?」
「神国の司祭に手をだしているからな。リーダーと副リーダーは神国に引き渡す事になるだろう。そのあと、どうなるかはお前も知っているだろう?」
「……確かリュミエール神の威光を知らしめ天に返すだったか?」
「ああ、言っている分には聞こえは良いが、要は拷問による教育を施されて、最終的に森で生きたまま魔物の餌にするって事だな」
「うげぇ……考えただけでも寒気がするぜ」
「まったくだ。まだ死ぬまで鉱山で働かされる方がマシだろうよ」
どっちもどっちなのだが、デザリア人の感覚では死ぬまで鉱山で重労働の方がマシという結論になる。ザックとジーム以外のメンバーは調べが終わり次第、デザリアの法に基づいた罰を受ける事になる。どちらにしても双頭の毒竜のメンバーの未来は絶望的だ。
※セリウス囲碁を広める
「──そういう理由で、ファーマのセリウスの内気な性格を治す為の役目は年が明けてからという事になった」
デザリア国王、フラウスから年明けまでファーマには会えないと聞かされたセリウスは肩を落とし落ち込む。
「まあ、そう気を落とすな。ファーマからセリウスにと、預かっている物があるぞ」
フラウスの指示で執事服の男性がファーマから預かった囲碁セットをセリウスの前に並べる。
「おじい様、これは?」
「なんでもファーマの奴が1番好きなイゴという遊戯の道具とその説明書らしい。最初はこのイゴニュウモンという本とジョウセキという本を読んで勉強するそうだ」
セリウスは2冊の本を手に取り嬉しそうに囲碁入門から読み始める。
「……おじい様、この文の言い回しがよく分からないのですが?」
5分ほど読み、説明文の理解できないところをフラウスに訊ねる。ファーマは記憶から引き出した囲碁入門の説明文そのままに再現しているので7才の子供には難しかったようだ。
その後もセリウスは分かり難い説明文で躓く度に両親、家庭教師、使用人など身近な者にに訊ね、王宮内で少しずつ囲碁が広まる。
これを切っ掛けにして王宮内で小さな囲碁ブームが巻き起こるのだが、ファーマはまだそれを知らない。
※借金夫婦の末路
「だーはっはっ、うるせぇガキどもを追い出せたうえに大金が貰えるたぁ、ついてやがるな。今日は最高の日だぜ」
「そうだねぇ、金貨がこんなに沢山手に入ったんだから、こんなボロ屋とはおさらばだねぇ」
リリ達をファーマが連れ出した直後、リリ達の父親とその後妻は金貨36枚を目の前にお祭り騒ぎだ。
「でも、あんた。借金があんだろ? それはどうすんだい? ミミを売っていくらか返すつもりだったんだろ?」
「ばっかたなぁお前は。金貨がこれだけあるんだぞ? 借金なんかちょちょいのちょいだぜ。明日にでも全部返して、残った金で遊んで暮らすぜ」
金貨というだけで大金持ちになった気分に浸っているが、所詮はデザリアの一般平民の年収の約3年分。それほどの大金ではない。しかし、そんな事は分からない2人は金貨1枚を握りしめて夜の街に遊びに出て行く。
「どうしたんだ? おめぇら。今日はやけに羽振りが良いじゃねぇか」
「おう、思わぬところで大金が手に入ったからな。今日は俺が奢ってやっから飲め飲め」
「マジか? そういつぁありがてぇ。みんなー! 今日はカッスの奢りだとよー!」
いつもは借金をして飲みに行く居酒屋で常連客に羽振りよく酒を奢り、そのまま10人ほど連れ二晩飲み歩いた2人。当然、金貨1枚では足りなくなったものの、まだ家にたっぷりあるからと店の付けにして豪遊する。
寝て起きたら払いに来ると請求書に血判を押して家に帰り、そのまま2人は深い眠りに落ちた。
ドンドン! ドンドン! と家の扉が力強くノックされカッス達が目を覚ましたのはファーマ達がデザリアを出発した日の夕方だった。
「なんだよ、うるせぇなぁ」
「『なんだよ』じゃねぇぞ、この野郎! てめぇ大金が入ったのに借金も返さず豪遊してるそうじゃねぇか?」
扉を開けるとそこに居たのは、カッスが金を借りている金貸しの男とその部下。二晩の豪遊は飲み屋街で広まり、借金取りの耳にも入ったようだ。
「おおっ、ギンさんか丁度よかった。大金が入ったから金を返そうと思ってたんだよ」
「ほう、返す気はあったのか、そいつは良い心がけだ。なんだ娘でも売り払ったのか?」
「よくわかったなぁ。ガキ3人と交換で金貨たっぷり払ってった金持ちが居てなぁ。俺ぁ今、金持ちだぜ」
「マジで売りやがったのか? 俺が言うのもなんだが、てめぇはどうしようもねぇクズだな。まあ、良い、金があるなら直ぐにでも返してもらおうじゃねぇか。娘がいねぇんじゃ、これ以上おめぇらに貸しといても帰って来ねぇだろうからな」
金貸しのギンは眉をしかめカッスのクズっぷりに呆れながら、さっさと金を出せと手を出す。
「おう、これだけあれば足りんだろ? 釣りはいらねぇよ」
カッスは金貨1枚を手渡す。
「ふざけんな! 全然、足りねぇよ。おめぇ借金がいくらなのか知らねぇのか? 証文渡してんだろう?」
「証文? ああ、なくしちまった。どんくれぇあるんだ?」
「おめぇが借りてんのは元金で2万5千デニール。利息を含めると3万2千デニールだ」
「3万2千デニールってのは銀貨何枚だ?」
「銀貨じゃねぇ! 金貨だ、金貨。金貨32枚だ、馬鹿野郎」
「はぁ? 俺は金貨なんか1枚も借りてねぇぞ?」
カッスの答えを聞いたギンはあまりのバカさ加減に空いた口が塞がらず言葉を失う。
「……ほんっとに馬鹿だな、おめぇは。借りたのが銀貨でも積み重なりゃ金貨になんだよ! ちょいちょい借りに来ちゃ、てめぇでは1度も返さず、おめぇの娘がコツコツと自分達の給金の中から利息を払ってたからこんなもんで済んでるが、本当だったらもっと多いんだぞ? で? 大金ってのはどんくれぇあんだ? 見せてみろ」
ギンは家の中に押し入りカッスに有り金全部を出させる。
「あっぶねぇ、ギリギリじゃねぇか。おらよ、領収書だ。これでおめぇとの付き合いは終わりだ。2度とうちに来るんじゃねぇぞ」
ギンは金貨袋の中から32枚の金貨を取り出し残りをカッスに渡す。
「待ってくれ、なんでそんなに持って行くんだ? おかしいだろ?」
「おかしいのはてめぇの頭だ! 文句があんなら正騎士にでも訴えろ! まあ、俺らは正当な金額を払わせただけだから相手にもされねぇがな」
残り3枚になった金貨を見つめながら夫婦で途方に暮れていると、金貸しのギンの直ぐ後に、つけで豪遊していた店の店主達も家に押しかけて来てつけ分を回収され、カッス達はほぼ無一文状態になった。
この後、リリ達を探して回ったが既に町を出た後だ。騙されて子供を攫われたと嘘の通報をしたが、正騎士に調べられ契約書が見つかり酷く説教をされる。その後、2人は……
※消えた貧民
「ど、どういう事だ!?」
とある奴隷商店にて店主に向かって男達の内の1人が怒鳴る。
「どういう事って、説明した通りだよ。貧民がいないから一般奴隷契約は無理だ」
説明を求められた店主はため息を吐きながら返事を返した。
「いない訳ないだろう? 貧民なんか貧民街に行けば吐いて捨てるほど居るだろ?」
「だから、その貧民が消えちまったんだよ。何日前だったか、大量に貧民を集めた金持ちがいてなぁ。ミッキィのところの店で50~60人ぐれぇ纏めて契約したらしい」
「その程度ならまだ残ってるだろう?」
「いや、それがな。その日の内に殆ど全員がアインスを出て行っちまったらしいんだよ。大方その金持ちが余計な助言でもしたんだろうよ。まあ、違法行為って訳じゃねぇから咎めようもないんだが、ほんっとに余計なことしてくれたもんだぜ。貧民街に行けば多少は残ってるだろうが、使い物になる奴はいねぇと思うぞ?」
面倒くさそうに店主が事情を説明するが、男達は納得できない顔をしている。
「それじゃ困るんだよ! 俺達は誰に荷物持ちやらせりゃ良いんだよ?」
「それなら借金奴隷か犯罪奴隷でも買うしかないな。先も言ったように貧民がいなきゃ一般奴隷には出来ねぇんだから」
「馬鹿言ってんじゃねぇ! そんな金があんなら収納魔法道具を買うだろう? 普通。ねぇから一般奴隷に荷物持ちさせてんじゃねぇか」
「そんな事言われてもいないものはいないんだから、俺に言われてもどうにも出来ねぇよ。言っとくが他の2軒も同じだからな?」
ファーマが契約出来なかった貧民にお金を渡して移住を薦めた事で、アインスからほぼ全ての貧民はいなくなった。残っているのは全く働く気のない人生を諦めている者だけだ。
アインスの低ランク冒険者が荷物持ちと契約が出来ず苦悩する事になったのをファーマは知らない。
※アンナとワックスのアインス視察(アンナ視点)
ファーマ君に誘われて新天地に引っ越した私達。今日はみんなで住民登録と観光に来たついでにアインスの市場調査をする予定だ。
ファーマ君が農場で必要な作業服と服の修繕を、うちに任せてくれるから最低限の収入は確保できそうだけど、それだけでは商売としては面白くない。
お父さんは気楽そうに言っているけど、私達はファーマ君に雇われている訳ではないから、自分達でしっかり稼がないと生活が出来ない事を分かっているのかしら?
アインスの町の西門から入ってびっくり。大きな町だとは聞いていたけどグラダの西街よりよっぽど煌びやかな街並みで、どの人もうちの服では釣り合わないほど綺麗な服を着ている。
「わあー凄いね。おっきな建物ばっかりだね。キラキラしてるね」
「本当にびっくりね、グラダと比べてもこっちの方が凄いわ」
「領主町より凄いの? アン姉ちゃん」
フーリ達カナイ村の子供達は旅の道中仲良くなって私の事を〝アン姉ちゃん〟とか〝アン姉〟とか呼ぶ。1人っ子の私にとっては弟や妹が出来たみたいでちょっと嬉しいけど、呼ばれ慣れていないので少し照れ臭い。
「うん、私達の住んでいたところはこんなに綺麗じゃなかったよ。ねえリリ?」
「そうね。うちの家はアンナの住んでいた辺りよりも、もっと外れの方だったから、ここに比べると廃墟みたいに思えるわ」
町に入るなり景観を見て大騒ぎしている子供達。短い間だけど西街で商売をしていた私達でも驚くぐらいの街並みなのだからそれも仕方ない話ね。これはもう別世界と言ってもおかしくない綺麗な街並みだ。
お父さんの服がこの町で売れるとは思えない……対策を考えないと。
「ファーマ君、この町ってみんなあの人達みたいなお金持ちなの?」
「そんな事ないよ? この大通りは富裕層の人達の生活圏だからお金持ちばかりに見えるけど、そこの路地を入っていけばグラダの東街とそんなに変わらない人達が生活しているから、そこなら商売しやすいんじゃないかな?」
良かった、それなら一安心ね。今いる辺りだと場違い感が凄いものね……
ファーマ君に案内されて大通りから外れた町の南の居住区に行くと、その辺りは私達の見慣れた感じの雰囲気が漂う街並みだった。
うん、この辺りならうちの店の服でも売れそうだわ。見かける人達の服装もグラダの東街とそんなに変わらないし。
「この辺りの人が買い物をする商業区にも行ってみたいんだけど、いい?」
「そういえば僕もその辺りには行った事ないな。うん、行ってみようよ」
商業区に行ったことが無い?
「ファーマ君はいつもどこで買い物しているの?」
「僕は大抵、ギルドでまとめ買いしてるよ? たまに大通り沿いの店でも買い物するけど」
……そういえばこの子は今、とんでもないお金持ちだったわね。全然お金持ちには見えないけど。
ファーマ君に案内されて着いた南の商業区はグラダの東街とは比べ物にならない多くの人で溢れていた。物々しい風体の人も多くいて、どちらかと言えば西街に近いかな?
「さっきのところよりは綺麗じゃないけど、ここも人が沢山だね。カナイ村全部よりいっぱいいるんじゃないかな?」
グラダの西街に比べると少し賑わっていないかもだけど、東街と比べると店の数も人の数も段違いに多い。
「うーん、これだけの店が並んでいると、ここで新しく店を構えるのは難しいだろうねぇ」
「何言ってんの? お父さん。『難しいだろうねぇ』じゃないわよ! やらなきゃ生活できないでしょ?」
「いやいや、商売が出来ないって意味じゃないんだよ? 家賃も高そうだし、いきなり店を構えるより移動式の露店をやった方が良さそうだって話だよ」
なるほど、そういう手もあったわね。お父さんも考えていないようで、ちゃんと考えているじゃない。まあ、そりゃそうか、ずっとお店で私達を養っていたんだし。まだまだ見習うべきところは多いわね。
服屋を中心に見て回って、お父さんと2人で小物や手頃な服を1軒ごとに1着買って、店主さんに挨拶して回る。露店を始めるにも周りの店舗といい関係を築いておかないと商売にならなくなるからね。
全員の住民登録が終わった後にファーマ君に連れられてギルドに相談に行くと、あっさりと許可が下りた。一等地で露店を開くことは出来ないけど、さっき見た南の商業区でも、冒険者ではなく一般の住民が買い物をする地域で、それなりに人通りの多い場所で露店を開けるのはファーマ君のコネのお蔭。
うちとしては丁度良い最高の場所だ。この町で今度こそ成り上がるわよ!
※リリは頭を悩ませる
ファーマに中間管理職を任されたリリは困っていた。まだ読み書きや計算も満足にできない状態で農作業員の休日管理等々難しい事をしなくてはいけない為、頭から煙でも吹き出しそうなほど考え込んでいる。やるといった以上は今更出来ないなんて口が裂けても言えない。
「テシアさん、助けてください」
リリが助けを求めたのは子供の頃から何かとお世話になっている親友の母テシア。ファーマやエミルには、暫く会っていなかったのとクズな父から助けてもらった恩義がある為、遠慮が出てしまい相談し辛いのだ。
「難しく考えるからいけないんだよ。休みなんてのは週末に纏めて闇の曜日に半分、光の曜日に半分って感じにしとけば良いと思うけどねぇ。ファーマ君はそれじゃダメって言ってるのかい?」
「ファーマには聞いてないけど……それでいいのかな? それなら楽で良いんだけど……」
「なんだい、聞いてないのかい? 1番に相談しなきゃいけない相手だろうに」
リリの話を聞いてテシアは呆れたようにため息をつく。
「ファーマは忙しそうだし、私が任された事だから自分で考えないと……」
「バカだねぇ、誰も直ぐに出来るなんて思っちゃいないさ。少しずつ覚えていけばいいんだよ。ファーマ君だって、いきなり全部やらせようなんて思っていないだろうさ。分からない事は分からない人に聞くより、分かる人に聞くもんだよ? リリは聞いたらファーマ君が嫌な顔すると思うのかい? 仕事ってのはお互いに助け合ってするもんなんだから遠慮なんかしてちゃいけないよ? ファーマ君だってリリに遠慮されるより何でも相談してくれる方が嬉しいと思うけどねぇ」
困り顔をするリリにテシアは優しく諭すように話をすると、リリは少し気が楽になったのか落ち着きを取り戻す。
「そうよね。うん、ファーマに聞いてみる。ありがとうテシアさん」
テシアに背中を押されファーマのところに話をしに行くリリ。この後も何かに躓いたり悩んだりすると、まずテシアに相談に来るリリだが、テシアは嫌な顔1つせず、分からない事を相談されても優しく何かしらの助言をしてリリを支えるのだった。
※豆知識
デザリアの1週間は6日。曜日は魔法の6大属性が当て嵌められている。順番は【火、水、風、土、闇、光】
リリ達のような一般平民は決まった曜日に休みを取る事は稀だが、中流階級以上の平民や貴族などは闇と光の曜日に休みを取る事が多い。その為、デザリアで言うところの週末とは闇の曜日と光の曜日になるのだ。
次回更新日は未定です。
3章はこれで終わりです。
日に日にPVアクセス、ブックマーク、評価が増え、更新が楽しくなってきたところで止まってしまうのは自分でも残念ですが、じっくり書かないと直ぐに暴走して話がブレブレになってしまうので、今のやり方を崩す事が出来ません。
現在4章を作成中です。今年中には4章を公開できるように頑張りますので、気長にお待ちください。




