おまけ 舞台裏
本編では書けなかったキャラ達の脳内? 気持ち? を書きました。
解り難いとは思いますが、本編の各場面を思い浮かべながら読んで、楽しんでもらえると幸いです。
リリの舞台裏
今日、いつものようにミミと一緒にモヨギ採りに出かけると、運悪くマッドドッグに遭ってしまった。このまま死ぬんだと思っていたら、突然現れた真っ白な髪の女の子みたいな可愛らしい男の子があっという間にマッドドッグをやっつけちゃった。恥ずかしい事に、恐怖で腰を抜かし立てなくなっていたら、その男の子は軽々と私を抱きかかえて森の外まで運んでくれた。小さいのに凄く力持ちで吃驚したわ。
助けてもらったお礼に1晩泊めてあげて話をしたらファーマは良い子みたいだし、1人旅だというから家に一緒に住もうと誘うと、やっぱり良い子で、自分を信用して大丈夫? なんて確認をしてくる。ミミも喜んでいるし子供が1人で宿に泊まるのも寂しいだろうし、何日でも大丈夫だよ。
ファーマは少し子供らしくない子だけど、凄く可愛らしいところもある。一緒にお風呂に入ると顔を真っ赤にして私を見ないように目を逸らすところなんて本当に可愛かったな。
◇
ファーマがうちに来て2日、いきなり大金を稼いできて驚いた。偶然モヨギの群生地を見付けたと言っていたけど目が泳いでいたし嘘ね。でも、話したくない事もあるだろうから無理に聞かない方が良いわね。
食費だと言って渡してきたお金を有難く受け取り、夜に3人で干し肉を作っていると私達の服を見たファーマが新しい服を作ってくれると言い出した。嬉しい申し出だけど、お肉も貰って家賃や食費まで貰っているのにこの上服まで作ってもらったら申し訳ないから断ろうと思ったんだけど、どうしても作りたいと言ってくれる。あまり無下に断ると気まずくなるのも嫌だし、別な事でお返ししようと決めて作ってもらう事にした。
◇
ファーマを連れてアンナのお父さんの服屋に生地を買いに行くと、ファーマの魔法の凄さを気に入ったおじさんがファーマを雇うと言い出した。ファーマも乗り気の様で、働くことが決定。私とミミも安定した仕事につかなくちゃと少し焦った。
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ファーマに作ってもらった服は手伝いに行った農場の夫婦に気に入られて、その服屋を紹介してくれと言われたから、丁度ファーマも働きだしたし、アンナのお店に連れて行ってあげた。すると、アンナがとんでもなく短いスカートを履いて接客をしている。下着も驚くほどピチピチでお尻が見えちゃいそう。ファーマのエッチ! 子供でもやっぱり男の子はエッチなのね。
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あのエッチな下着はよく売れているらしい。私とミミにも作ってくれたから試しに来てみたけど、これが思った以上に着け心地が良い。パンテイはあの短いスカートじゃなければ見られる事も無いし、ブラジアは……アンナ程大きくないからあんまり変わらないけど、動きやすい。くっ! これから大きくなるのよ。
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ファーマがうちに住みだして1月が過ぎ、この子は魔法道具まで作ってしまった。初めてあった時から普通の子じゃないと思ってたけど、本当に凄い子。助けてもらったり良くしてもらったりで恩返しする暇もない。どうやって返したものか……?
◇
恩を返す間もなく、ファーマはやっぱり町を出て行くんだって。本当は家賃も食費も何もいらない。折角仲良くなれたから引き留めたかったけど、旅に出るって言った時の希望に満ちた表情を見たら止められなかった。準備はどんどん進んでいく。寂しさもあるけど、邪魔は出来ない。せめて出発の日まではこれまで通り楽しく過ごして笑顔で見送ってあげよう。
◇
出発の日の朝、いつもと同じように私とミミは仕事。ファーマには、いつもと同じようにいってらっしゃいと笑顔で言って送り出した。さよならは言わないよ。ファーマ、またいつでも帰って来てね。
アンナの舞台裏
今日、リリが妙な服を着た女の子みたいな男の子と、生地を買いに来た。驚いた事にこの子は錬成魔法が使えるらしい。実際に魔法を見てみると、私やお父さんが服を作るのに1着1~2時間かかるのに、ものの数十秒で作ってしまった。魔法って凄いのね。
すっかり気に入ったお父さんがスカウトして、ファーマ君がうちの店で働くようになった。ちょっとお父さん? うちに人を雇う余裕なんてないよ?
◇
ファーマ君は出勤初日、また妙な服を着てお店に来たのだけど、何故かお父さんがその服を気に入り、お店で売り始めた。売ると決まると直ぐに、ファーマ君は女の子用の同じ服を作り、卑猥な下着まで作った。
ブラジアというのは動きやすくて良いけれど、パンテイは露出が多すぎて恥ずかしい。しかも凄く凄く短いスカートまで履かされて、これじゃ私は痴女みたいじゃない? おのれぇエロガキめぇ!
◇
私の予想は裏切られ、何故かファーマ君の作った服も下着も売れまくっている。ブレザアを買っていくのは全部男性客というのは解せないけど、店の売り上げが伸びるのなら良しとしよう。
◇
お店は連日大盛況、1月丸々休みが取れなかったのは初めてだ。売り上げは過去最高を記録し、ファーマ君が作った下着は新規商品として登録され、そのお零れで、うちにも多くのマージンが入ってきた。少し変わった子だけど、ファーマ君が来てからうちは良い事尽くし(ブレザアが店の制服になってしまった事以外は)、ファーマ君には感謝しないとね。
◇
良い日というのは長く続かない。連休が明けてファーマ君が持ってきた魔法道具が元で、ファーマ君はお店を辞めて旅に出る事になってしまった。全部あのバカ貴族の所為よ。でも、そんな事は口が裂けても言えない。
私達じゃどうすることも出来ないけどファーマ君のあの態度は不味い、不敬罪とかにならないか心配だわ。
◇
マルガン様のお陰で、問題は解決したというのにファーマ君はやっぱり旅に出てしまうそうだ。リリとミミも心配しているし、無事にまたこの町に戻って来て、うちにも遊びに来てくれると良いな。
マルガンの舞台裏。
今日、東の商業区の小さな商店の主人が、面白い小僧を連れてきた。その小僧が新規に作った女性ものの下着は妙に色気があり、忘れていた物を思い出しそうじゃ。ドアの向こうから漏れ聞こえる職員の声はなんとも男心を擽るのう。この目で見られんのが口惜しい。
◇
小僧の作った女性下着は予想通り新規商品登録された。今、あれを若い職員たちが身に着けていると思うと興奮するのう。いかんいかん、面に出してしまっては職員に嫌われてしまう。職員には気分よく仕事をしてもらわねば良い仕事は出来んからのう。
◇
ギルド登録から間もないというのに、あの小僧がまた新しい物を作って持ってきたという。しかも、今度は魔法道具じゃというのだから驚きじゃ。これは、うちで確保しておきたい人材じゃのう。
持ってきた魔法道具は、子供らしく良い品じゃったが、驚くべき所は其処ではなかった。この小僧、とんでもない逸材じゃ。必ず、エンドール家のモノにしてみせるぞ。
◇
予想はしておったが、やはり小僧に目を付ける者が現れた。しかも、ワシの嫌いなタイプの小物が……ワシにとっては簡単に小僧を手に入れる事が出来良かったのじゃが、ワシが先に目を付けていた人材に手を出すとは良い度胸じゃのう。どうしてくれようか。
それはそれとして、小僧は顔に似合わず頑固者じゃった。一人旅なんぞされて死なれでもしたら、折角うちに引き入れたのが無駄になってしまう。一人旅だけは止めさせなくては、と思い奴隷を勧めるがあまり乗り気ではないようじゃ。まあ、買わんようなら旅の供が見つかるまで引き留めれば良かろう。
◇
しもうた。小僧の身を守れる奴隷を持たせようと思っておったのに、有能な奴隷に気を取られておる内に、小僧が適当に奴隷を買ってしまった。どう見ても戦闘が出来るようには見えんが、小僧は妙に自信ありげじゃ。ふむ、困ったのう。引き留める理由が無くなってしもうたし、どうしたものか。
◇
どうやら、小僧の目の方が確かだったようじゃ。連日、あの3人の見た目からは想像もつかん程多くの魔物を狩って持ってきておる。
まあ、心配事が消えたという訳ではないが、長旅にならなければ恐らく大丈夫じゃろうて。目的地を与えてやれば問題ない、将来の事も考えて王立学園に通わせれば一石二鳥じゃ。ここから学園都市までは王都経由でゆっくり行ったとしてもポー車で1月程、多少寄り道をしたところで3月もかからんじゃろう。それくらいなら危険も多くはなかろう。途中寄りそうな町のギルドにも通達を出しておけば魔人の子の事で揉め事が起こる事も少なかろう。まったく手の掛かる小僧じゃ。
デニスの舞台裏
今日、マルガン様が子供を連れて奴隷を見に来た。どうやらこの少年が旅のお供にする者を奴隷で賄おうという事らしい。この少年、甘い性格の癖に警戒心の強いタイプのようで一般奴隷や犯罪奴隷には見向きもしない、しかし、高級な戦争奴隷を買えるほど資金があるのかねぇ?
少年は獣人に興味を持ったようで買うと言い出した。少し吹っ掛けて資金の程を読もうと思ったら値切りもせず即金で購入した。しまった、これならもっと吹っ掛けてやれば儲かったのに……まあ良い、他の奴隷も売って儲ければいいだけの事。
ふむ、金が余っているのかと思えばそうでもなかったらしい、高値の2人は結局手が出せないと言われてしまった。仕方なしに不良在庫になっている病気の奴を進めてみたら買うという。タダ同然で引き取った奴隷を仕入れ値だと言って吹っ掛けてみたらなんとも可愛い値切り方をしてきおったわい。まだまだ子供、青い青い。
子供からそこそこ利益を得られたというのに、マルガン様の値切りは容赦がなくて困る。うちで1番高い奴隷をあんなに安く買い叩かれるとは……これでは殆ど儲けが無いではないか。まあ、あのお人には逆らえん、他の貴族と違って赤字になるまで値切らないのはマシなところか。
◇
少年に奴隷を売ってから、数日後。偶然あの時の少年を見かけた。獣人にまともな服を着せ、手を繋いだりしている。頭のおかしな子供だな。
はっ? ななな、なんだあの美少女は? 髪の色と顔の雰囲気からすると、間違いなくあの時の病気持ち。治ったのか? あの奇病。しまったぁ! あれほどの上物なら治療費をケチらず1流の治療師に診せておくんだっだ。あれなら最低でも50万デニールで売れたのに……買い戻すか? いや、買い戻してしまったら己の見る目の無さを露見してしまう事になる。それは商人としては致命的……悔しいが、これは教訓という事にしておこう……ちっきしょおー!
エミルの舞台裏
奴隷にされてから2年近く、いい加減諦めて解放してくれないものかと、考えていたら私の目の前に天使が現れた。髪は美しいほど白く眼は金色、私の好みど真ん中の男の子キター! 美少年なだけでなく、虐げられているキャッツ族の娘を優しく保護する心優しさも持っているなんて、本当に天使?
この子になら買われても良い。いや、むしろ買ってほしい。奴隷商の店主も都合よく私を売り込んでくれている。あっ、少年がこっちを見た。でも、大げさにアピールして引かれてしまっては買ってもらえなくなる。落ち着け私。
焦らず落ち着いた態度で返事をしたのが功を奏し、無事ご主人様に買ってもらう事が出来た。作戦成功!
◇
キャッツ族の娘はご主人様に借りたローブをそのまま頂き嬉しそうにしている。あのローブの触り心地は、奴隷になる前にも触った事のない素晴らしい物だった。あとで触らせてもらおう。
私がブラジアを装着している間に、キャッツ族の娘はご主人様にレオナという名前を頂いて嬉しそうにしていた。喜ばれて嬉しそうにしているご主人様は本当に天使のような笑顔でずっと見ていられそう。
◇
ただ、心優しいだけの子供かと思っていたらファーマ様は、優れた能力の持ち主でもあった。お母さんの作った特殊な術式魔法を見抜き、聖属性魔法のみならず、錬成魔法にも長けている。何か特別な力も持っているようで神秘的。こんな人に買ってもらえるなんて運命に違いない。
カモフラージュとして使っていた術式を解除し、本当の姿を見せると、ファーマ様は私を美人だと言い私に見惚れていた。可愛い、可愛すぎるわ。
私の横にぴったりとくっついて寝ている愛らしいファーマ様。だ、抱きしめるくらい良いわよね? 寝ているし……ギュッと抱きしめるとファーマ様は母親に抱かれている夢を見ているのか甘えるように私に抱き着いてくる。ああっ、幸せ、ファーマ様……尊い。
◇
ファーマ様に新しい服を作ってもらい、今日は3人で狩り。レオナのローブと同じ生地で作られていて肌触りが心地いい。確かにこれの下にモノを身に着けるのは邪魔になるわね。あの時のレオナの気持ちが良く解るわ。でも、それをしちゃうと淑女としての嗜みが……
狩りは大成功。私の力も認めてもらえたし纒矢にも興味を持ってもらえた。個人指導が楽しみだわ……そのまま大人の個人指導も……きゃー、きゃー!
それにしても、ファーマ様はどういう血筋でどういう育ちをしたのかしら? 年はまだ7才になったばかりだと言っていたけど、もう高位の魔法を無詠唱で使える上に、狩りの時に見せた動きも普通ではない。子供とは言えキャッツ族と同等以上の速さで動けるヒュームなんて、この国に何人いることか……やっぱり、特別な方なのね。
これから、暫く旅をするのは怖くもあるけど、ファーマ様と一緒にいられるなら危険な旅も天国よ。
レオナの舞台裏
ここ来て、沢山、夜来た。おとー、おかー、会いたい。一緒来た、3軒隣の子、もういない、あの子、どこ行った?いつも同じ、また知らない人、会う。また、いっぱい痛い、する?
新しい知らない人、痛いしない。良い気持ち服、くれた。知らない人、新しいご主人様、なった。
◇
初めて、お風呂、入った。長いの、暖かい雨、降らせる、アワアワなった。アワアワ、終わる、痒い無い、気持ちいい。アワアワあと、ご主人様の服、下、気持ち良くない、服着る、嫌。でも、着ない、ご主人様の服、返す、イヤ、新しい服、着た。
新しいご主人様、名前、くれた。レオナ、強い名前、嬉しい。ひゃくじゅうのおう、何、解らない、でも、嬉しい。
◇
家、帰る、ファーマ様、ご飯作る。村、出て、初めて、お肉、嬉しい。沢山、口入れる、ファーマ様、お肉、レオナのお皿、入れる。レオナ、ファーマ様好き。
ご飯のあと、ファーマ様、レオナの痛い、治す、痛い無い、嬉しい。レオナ、治る、エミル、綺麗、なった、びっくり。
お話、終わる、リリとミミ、家、来た、またご飯、嬉しい。一緒、お風呂、入った。お風呂、小さい暖かい池。長い、暖かい雨より、気持ちいい。寝るも一緒、今日、嬉しい、沢山、おやすみなさい。
◇
毎日、ご飯沢山、美味しい、お風呂、気持ちいい。今日、ファーマ様、狩り、一緒、楽しい、でも、また怖い人、来るはイヤ。ファーマ様、大丈夫、いう。ファーマ様、ずっと一緒。
第1章はここで終了です。
次回更新ですが、まだ第2章作成中の為、更新日未定です。
気長にお待ちください。




