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ファーマ君の気ままな異世界生活  作者: 幸村
4章 王立学園
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第18話 ファーマ君、学園でロザリアに会う

ちょっと短いです。文字数が安定しなくてすいません。

 お見合い? から3日が過ぎた。


「今日の基礎戦闘学の授業は筋トレまで終わったら書館に行こうと思うんだけど、ターニャはどうする?」


「私も一緒に行くわ。けど、最初から書館に行かないの? 授業を受けた後だと本を読む時間なくならない?」


 うーむ、それもそうだな。いつも授業には出ているからか、出るのが当然になっているけど、単位は取れているから出なくても問題はないんだよね。


「じゃあ、今日は最初から書館に行こうか。先生には言わなくていいのかな?」


「単位を取っている授業の出席は自由だから大丈夫よ。じゃあ、2限目が終わったら直行でいいわね」


「うん」


 という事で3限目と4限目は初等部の書館に行く事になり──2限目終わりの休憩時間。



「学園の書館は初めてだからワクワクするよね」


 ターニャと会話をしながら書館に向かう。


「言ってなかったけど、私は何度か行ってるのよね」


「えぇっ!? いつの間に?」


「選択科目が3つとも同じ子達と最近仲良くなったから、その子達と放課後に何度かね」


 ああ、なるほど。


「僕もターニャ以外にも誘える友達がいたらいいんだけどな……」


「あれ? ファーマはアシュトン君とは友達なんじゃないの?」


「うん、アシュトン君とは、ちょっとだけ仲良くなれた気がするけど、まだ友達って呼んでいいか分からないんだよ」


 ターニャを除けばクラスメイトで1番よく話しをしているけど、学園外で会う事も無いし。友達と言っていいのだろうか?


「試しに遊びに誘ってみたら? ファーマは平民だから社交界とか無いし、クラスメイト以外との接点は少ないんだから、仲良くなれそうな子は積極的に誘わないと友達なんて中々出来ないわよ?」


「それもそうだね。頑張って誘ってみるよ。それはそうと、ターニャはもう社交界とか出てるんだね?」


「ええ、貴族家では7才になったら義務みたいなものね。うちは侯爵家で誘いも多いから光の曜日は殆どそれで潰れているわ」


 あれ? 確か10才からが義務じゃなかったっけ? 7才からもう強制なんだ?


「大変なんだね」


「まあ、大変と言えば大変だけど、そこで友達が出来る事も多いから嫌ではないわよ? それに私には面倒な男が寄ってくる事がないから楽なものよ。他の、特に子爵家以下の女の子達は大変そうだけど」


 下級貴族家の女の子は面倒な上級貴族家の男の子や同じ下級貴族家でも嫡子の男の子に絡まれやすいらしい。上級貴族家の女の子にも絡んでくる子はいるそうなのだけど、ターニャに下手に絡むと怖い父と兄が出てくるので最近では声を掛けてくる勇者はいなくなったそうだ。


 そんな話をしながら1年生校舎を出て書館の方に歩いていると、前方から歩いてくる女の子がいた。


 そう言えば、書館って2年生校舎の隣だったな。あちらも僕に気が付いているようで、少し警戒するような目をしている。でも、挨拶くらいはしておいた方がいいよね? 頼まれているし……


 すれ違い様に足を止めて一礼しようとすると


「いやっ! 近寄らないで」


 蹴りが飛んできた。避けるとターニャに当たりそうだったので腕で受ける。


「待って、待って、落ち着いて。離れるから」


「ふぅー、ふぅー……」


 僕が一定距離まで離れるとロザリアさんは段々正気に戻ってきた?


「お、落ち着きました?」


 まさかちょっと近づいただけで蹴られるとは思っていなかった……まあ、追撃が来なかったから前回よりはマシだな。


「あっ、私また……申し訳ありません」


 どうやら完全に落ち着きを取り戻したようだ。


「いえ、此方に被害はありませんので気にしないでください」


「ロザリア様、お久しぶりです」


 落ち着いたところで僕の後ろにいたターニャがロザリアさんに声を掛けた。


「タータニヤ様!?」


 どうやら2人は知り合いだったようだ。


「どうしてここに?」


「今年10才になりますので今期から通う事になりました。ところで、どうされたのですか? 少し様子がおかしかったように見えましたが?」


 少しじゃないと思います。


「申し訳ありません。ついカッとなってしまいまして」


「いえ、私達に怪我はありませんでしたので構わないのですが、大丈夫ですか? まだ少し息が荒いように見えますが?」


「は、はい。ご迷惑をおかけしました。もう大丈夫ですわ」


「それなら安心しました。それで、今のは何だったのですか?」


「いえ、あの……申し訳ありませんでした」


 ロザリアさんは困ったような悲しそうな表情で黙り込み、僕達に頭を下げて逃げるようにその場を去った。


「知り合いだったんだね?」


「ええ、こっちの世界でファーマに初めて会った時、デイズニからの帰りだって言ったでしょ?」


「うん」


「その旅行中にゴルドオウル侯爵家にも顔を出したのよ。その時に良くしてもらったのが私と年の近いロザリア様なの。それで、今のはなんだったの?」


「えーっと、プライバシーに関わる事だから僕の口からは言えないかな?」


 複雑な事情があるし、あの説明をターニャにするのはちょっと……


「まあ、ある程度の予想は付いているんだけどね。機会があれば本人から聞いてみるわ。ファーマはロザリア様とどういう知り合いなの?」


「僕は主家の繋がりで顔を合わせる機会があってね。つい最近知り合ったばかりだよ」


「へー、エンドール家に相当気に入られているのね? 普通は侯爵家の人間なんて紹介してくれないわよ?」


 まあ、そうだろうね。なんでか知らないけど、国の偉い人と知り合う機会が多いんだよね。


「運がいいんだか悪いんだか……」


「悪いって事は無いでしょう?」


「いや、だって突然蹴ってくる人だよ?」


「あはは、それには私も驚いたわ。でも、普通に防御出来ていたじゃない」


「まあ、今くらいの蹴りなら受けるのは難しくないからね」


「庇ってくれてありがとうね」


「いえいえ、どういたしまして」


 僕がターニャを庇って蹴りを受けたのは気付いていたんだな。


「で、どういう知り合いなの?」


 ニヤニヤしているところを見ると、ある程度知り合った理由を察しているんだろうな。


「グラヴァ様に連れていかれた食事会にゴルドオウル侯爵様が偶々いて、話をしたら気に入られてロザリアさんを紹介されただけだよ。その時も同じように攻撃されたんだけどね」


「ほうほう、その話、詳しく聞かせてもらいましょうか? 紹介というのはどういった意味での紹介?」


 分かってるくせに……


 この後、しつこく絡まれた。


次回更新は4/2になります。

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