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閑話休題
家族視点です。
(我が娘が崖から落ちそうになってパニックになり動けなくって結局息子が助けてて落ち込んだ、そんなお父さん)
「ねえ、本当に大丈夫かしらねぇ…あの子英語も出来ないしボーとしてるし心配だわ」
ため息を吐いた母は白髪が混ざった髪をしている。
兄も結局妹に断られた空港までの見送りにため息をつきながらそんな母に言った。
「トルコって国、今国ぐるみで情報規制されて日本じゃよくわからないんだよな」
「えっ」
フォローになってないと妹が聞いたら怒りそうな台詞をサラリとはいてから
「…でもまあ、大丈夫じゃないかな」
と、頭をかいた。
「ちょっと、いい加減なことを言わないの!」
「だってさ」
お父さんが見守ってるから。
ざわりと風がふく。
旅立ちを祝うように。
「…そうね。」
「今度はパニックで動けないってことはないでしょ」「ふふふ、どうかしら」
「えー?」
「冗談よ」
笑いあう二人のうえには、青空。
お父さん涙目←