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俺、冒険者!~無双スキルは平面魔法~(WEB版)  作者: みそたくあん
第14章∶非日常的日常編

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第382話〜一流は伝染するのかもしれない〜

 俺頑張った! 簡素ではあるけど、街道から拠点までの道ができた! これで馬車で拠点まで行ける! 領内経済が発展する! かも?


 拠点へ向かう道は、焼酎街道のほぼ中間地点にある休憩所から南へ向かうルートを付け足す形で作った。ゆくゆくはこの休憩所に村を作ってもいいかもしれない。宿場町だな。

 追加ルートはまだ土が剥き出しだけど、規格は焼酎街道とほぼ同じだ。後々石畳で舗装するとしよう。

 着工は、この道が経済に寄与するのが分かってからかな? 予算は潤沢とはいえ、浪費は避けねば。


「手を付けてから、たった三日かよ。ちょっと早すぎじゃねぇの?」

「まぁ、張り切ってましたもの。本気のビート様であれば、このくらいは容易い作業ですわ」


 まぁね。つい数ヶ月前まで、散々道路工事してたからね。慣れちゃった。土木工事が得意な領主って、なかなか居ないレアキャラだと思うよ?


「こっちの準備も出来とるで。いつでも行けるわ」

「うみゃ。冒険者ギルドでの同行希望者募集も一瞬で予定枠が埋まったみゃ。第二回を企画してほしいってタマラ姉さんにお願いされたみゃ」

「あー、それはそのうちね。僕らの予定が空かないと護衛できないからね」


 今回は中級以上の冒険者十八名を拠点まで案内することになっている。うち一名はボブさんだ。


 中級冒険者と言うと平均的なイメージがあるけど、この世界の冒険者はそうでもなくて、かなりのベテランや新進気鋭の新米も含まれていて幅広い。ボブさんはベテランのほう。

 というのも、中級から上級へと至るための壁が厚くて高過ぎるのだ。


 中級冒険者と呼ばれるのは冒険者ギルドの評価基準である星の数を五つ以上獲得した者たちだ。

 『討伐』『護衛』『調達』のそれぞれの分野の合計で五つ以上だから、これはそれほど難しくない。『討伐』と『調達』でそれぞれふたつ、『護衛』でひとつという人が多いそうだ。


 ただ、ここからが難しい。それぞれの分野で星ふたつまでは比較的順調なんだけど、三つ目からの基準が途端に厳しくなってしまうのだ。安定して猪人(オーク)を狩れるくらいの腕前にならないと、とても獲得できない。

 四つ目以降はさらに厳しくて、大森林の獲物を狩れるのは大前提って感じの難易度だ。五つ目以上については何を狩ればいいのかって難易度になっている。ルナティックモードだな。


 まぁ、つい最近、俺は『討伐』七個(上限)、『調達』六個、『護衛』五個の十八個持ちになったんですけどね。現役最多タイらしい。

 コンスタントに大森林で狩りしてるし、飛竜を狩って肉や素材を提供してたからな。『討伐』と『調達』はそれで稼いだ。

 戦争関連での人員輸送も『護衛』任務にしてもらってるしな。大量の人員を長距離輸送すると、一気にポイントが増えるんだよね。


 もうひとりのタイトルホルダーは言わずと知れた村長で、『討伐』六個、『調達』六個、『護衛』六個の六ゾロだそうだ。

 俺の【平面魔法】みたいなチートも無いのにこの星の数。さすがは王国の英雄。

 ちなみに『剣聖』のふたつ名持ちの王様も冒険者をしていた時期があったんだけど、星の数はそれほどでもなくて合計八個だったそうだ。


 で、上級冒険者と呼ばれるためには星十個が必要だったりする。

 普通に依頼を受けていれば星三つがふたつに星四つがひとつでなれるんだけど、その星四つに至るのが難しい。ボブさんですらギリギリ届いていないからな。

 ボブさんの星は、冒険者界隈では三ゾロと呼ばれているオール三個、計九個だ。あまりにも上級冒険者になれる人が少ないために、実質この九個が冒険者の最上位層みたいになっている。

 この国の制度では星十二個で準男爵位がもらえるんだけど、ハッキリ言って無理ゲーだよな。魔法使いじゃないと無理。

 そして、魔法使いはそのほとんどが貴族だし。既に男爵位以上の爵位を持ってるし。

 あれ? もしかしてこの国の冒険者制度って、平民を貴族に取り上げる気がない? 難易度高すぎ?

 でも、村長は魔法使いじゃないのに星十八個取って子爵位を貰ってるしな。頑張れば不可能ではないってことか。

 ああ、だから村長はあんなに有名で人気者なのか。冒険者ドリームの体現者。そりゃ熱狂的ファンが溢れるわけだ。


 ちなみに、上級冒険者と呼ばれる星十個以上を獲得している現役冒険者は、現在のところ、俺と村長を含めて十一人いるらしい。結構いるじゃん。


「うちらもやで?」

「え?」

「うふふ。あたしたち元奴隷の六人も、ビート様のおこぼれで星を貰ってますから」

「ええ、わたくしが星十一個、キッカとルカさん、サミィ、アーニャ、デイジーが星十個の上級冒険者になっておりますわ」

「……むふぅ」


 あー、そりゃそうか。ずっと一緒に依頼をこなしてたもんな。俺が主体とはいえ、彼女たちも評価されるのは当然だ。デイジーがドヤ顔するのも納得だ。


「むーっ! あたしだけ冒険が少なかったから、まだ星七個なのよ! 子供産んだらすぐに依頼受けるわよ! ビート、手伝いなさいよね!」

「はいはい」


 ジャスミン姉ちゃんがプリプリ怒ってる。仕方がないじゃん、学生さんだったんだから。

 機嫌が悪いままだと胎教に悪そうだったから流しておいたけど、産んですぐに依頼を受けるのはやめといたほうがいいと思うな。その時になったら、なんとか宥めないと。ハァ。


「ちなみに、グレン様とデント様も上級冒険者ですわ。まだ引退届は出していないそうですから」

「え? 父ちゃんとデントさんも?」

「ああ、サフラン様のお産の手伝いのときにそう聞いたぜ? なんてったって『鉄壁』グレンに『影狩り』デントだからな。ちょっと興奮しちまったぜ!」


 なんてこった! 上級冒険者十一人のうち十人が身内だったよ!

 しかもデントさんまでふたつ名持ちだったなんて! 全然知らなかった!

 『影狩り』か……斥候としてはいい名前なんだろうな。影に潜んで獲物に忍び寄り、隙を突いて一撃必殺! って感じだ。かっこいい。

 でも、実物の陰の薄さを知っている身としては……頑張れデントさん!



「こ、こんな大森林の奥地に、こんな立派な防壁が……」


 ボブさんが大口を開けて拠点の壁を見上げている。いや、ボブさんだけじゃない。今回のツアー参加者全員が同様に見上げている。大口を開けて。虫入るよ?


 ツアーは問題なく決行された。上級冒険者七人による護衛付きだ。間違いなんて起きるはずもない。お天気も良くて、絶好の冒険日和だ。

 途中で襲ってきた魔物はサクッと処理して今夜のおかずになる予定。新鮮な内臓はウーちゃんのおやつになった。美味しかったかい? そうかそうか。


「それじゃ開門ー。あ、この扉は魔道具だから、登録した人しか開けられないからね。後で何人か登録してもらうけど、防犯のために全員は登録できないから。登録できなかった人は、間違って外に取り残されないようにね」

「「「は、はい!」」」


 俺が外壁に付いた四角いパネルに右手を当てると、外壁に切れ目が走った後、ゆっくりとその切れ目が左右に開いていき、大型馬車が通れるくらいの口が開いた。この口は大きく開いても問題ない。

 実際は魔道具じゃなくてジョンが開閉してるんだけどね。魔力の質を記憶しておいて、登録されている魔力のときだけ門を開くことにしている。つくづく、ダンジョンってコンピューターだなぁって思う。AIだな。いつ人類に牙を剥くか、ドキドキだ。

 俺は馬車を先導して門をくぐる。そして振り向いて言う。


「ようこそ。大森林の最前線、ジョンの街へ!」


 ここが君たちの、新しい冒険のスタート地点だ。

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よろしくお願いします!
― 新着の感想 ―
なにげに見過ごしてましたが、ビートの年で星最多タイという事は最終的には全カンストする時も近いかもね。王様からの無茶振り依頼とかで護衛がまた来そうですし。冒険者ギルドの総支配人とかおしつけられそう。
今は海エルフで文官をまかなっていますが、王立学園の平民や、女性とかを採用してはいかがでしょうか。ビートはそのあたり気にしてないだろうし、たとえ大量募集しても他への影響は少ないかと。ただ前世の経験や、夜…
そういえば、隔離されたテロ予備軍の脱走対策とかは大丈夫?また王様がスピードの向こう側にむかいますよ?なおポロリについては次回以降に投稿します。
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