3つのアイテム
「ここが入り口か」
ゲームワールドなる場所へ辿り着いた。
半透明で青い壁を通った先にあるとのことだが、その壁はどこにいても見えるほど大きいためゲームワールドがどこにあるのかは一目瞭然だ。
ナヅナが通過した入り口の方にはその巨大な壁が見え、右も左も奥が見えないほど続いている。改めてこの世界の技術と文明の進歩に感心した。窓口を発見し、すでに出来ていた列の最後尾まで走る。
窓口の先に見える景色は、たくさんの人と声。
まるで遊園地に入る前のような気分だ。
(まぁ行ったことないんだけど)
心の中で自虐をかましていると私の番がやってた。
しかしナヅナはそこで不思議な体験をすることになった。一歩踏み出し壁を超えた途端、心がフワッと浮くような感覚に陥った。それは一瞬だったが確実に何かが起きた。
(まぁいいか)
謎の現象を無視して係員にカードを渡して顔認証を行う。
自動化社会とはいえ、ここでは人間の手も加わるんだなと思った。セキュリティ面で心配する必要は無さそうだ。
窓口を通過して初めてのゲームワールドへ足を踏み入れる。
目の前に広がるのはたくさんの人とアトラクションのようなゲームの数々。
横を見上げると我々を囲む壁はどこまでも続いていて、このワールドの大きさを物語っていた。
この壮観に浸り、早速歩き回ってみた。
この広さなだけあって、数えきれないほどの多種多様なゲームが存在しているのだろう。
全てを網羅するには一体何年かかるのか分からないほど。
ゲームに勝利したのか、雄叫びを上げる者や項垂れている者など、人々の様子も様々。
まずはどんなゲームに挑戦しよう迷っていると、一際声が響いている場所があった。
それは大きなスタジアムからだった。
すぐに走って向かい、階段を登ってスタジアムの中を覗いてみると、そこには……
整備された道に描かれた白黒の線の先に、たくさんの自動車やオートバイが立ち並び、オーディエンスは息を飲んでその時を待っていた。
次の瞬間、スタジアム上に大きくカウントダウンが表示された。
観客も一口同音で叫び、ついに0を迎えると大きなラップ音と共に、全ての乗り物が動き出して線を跨いでいった。
これはレースだ。
しかし、これはただ他の乗り物と競い合うレースではない。
ゲーム性も兼ね備えたレースなのだ。
ステージ上には様々な仕掛けが施され、ゴールすることすらも一筋縄ではいかない。
スタジアム中央にある大きなスクリーン上には各レーサーの様子が映し出され、コース外に落ちる者やトラップに引っかかる者、他のレーサーに突き落とされる者など、脱落者が絶えず増えていく。
その中に一際目立つレーサーがいた。
そのレーサーは女性だった。二輪のマシンに乗り、他の者やトラップには目もくれずトップに躍り出ていた。
「これだ」
口角は上がり、すでに覚悟の決まった目だ。もう踏み込んでしまったからには、知ってしまったからにはやるしかない。
早速エントリーするためにスタジアム入り口まで戻り窓口へ向かう。
カードを用いてカーレースにエントリーしようとしたが、何故かチェックマークが出ない。
何かエントリーをすることに条件があるのか。
すると、米印マーク付きでこう書かれていた。
※レース用のマシンを所持していません。
マスト条件もいいところだった。
そりゃ出場出来るわけがない。
博士曰く、このゲームワールドに繰り出すことは滅多にないそうなので、このカーレースもやったことがないのだろう。このPLISMはナヅナのものだが、内包された個人情報は殆どマクダウェルだ。だから持ち物に車が存在しない。
はぁ〜、とため息をつきながら項垂れるナヅナ。仕方がないから、購入するしかない。
このカードを介して博士の金で物を買うことができる。
博士は、僕の預金は遠慮なく使ってくれと言われていたので早速ぶっ放すことにした。
まずは自動車販売店を探す、とはいってもどこにあるのかわからないので、この世界に詳しそうな人に声を掛けて聞いてみる。
とりあえず、少し離れたところで煙草を吸っている少し強面のおっさん2人に話しかける。
こういう人ほど、案外心優しく教えてくれるものだ。
「すんません、ちょっと聞きたいことがあるんすけど……」
「あ?」
「申し訳ございませんでした」
速攻ガン飛ばされた。
あっちの世界で散々してきたスピード、口調、表情、全て満点の謝罪をして即座にその場から離れる。
不親切な人はどの世界にもいるんだな、ナヅナと思った。
(そもそもあんな輩に声をかける私がバカだった)
「ん?」
すると、トントンと肩を叩かれた。それに気づいて後ろを振り返るとそこには、見たところ年が近そうな青年が立っていた。
「聞きたいことがあるんだろ」
「え?あぁ、うん……」
急に話しかけられたので少し戸惑ったが、なんとか青年の問いに答える。
一瞬ナンパかと思ったが、表情を見るにそういうわけではなさそうだった。
単に先程の災難を見ての気遣いなのだろう。
「ディーラーとか中古車販売店を探してるんだけど」
「車が欲しいのか?なら、いい場所がある。」
そう言うと、何も言わずに歩き始めた。
黙って青年の背中を追いかけ数十分、彼の勧める店についた。
その空間の端々にはレース用の車やバイクが軒並み駐車されており、自身の車体での走行を今か今かと待ち望んでいるのかようだ。この世界での自動車の需要はレーサーにしかないのか、普通車が一つもない。
「ここは俺が経営してるディーラーだ」
「え、まじ?」
どうやらこの青年が経営している販売所らしい。人は見かけによらないものだ。
「何か要望は?」
「早ければなんでもいいよ」
「なら、二輪車を勧める。加速にも優れていて小回りもきく、操作は少し難しいけどな」
とりあえず見渡して、良さげなものを探す。
すると、一つのバイクに目が止まった。
かなりの数のバイクが置かれているので、見失わないように目を離さず、そのバイクの元へ向かう。
そのバイクは、あの時に見た女性が乗っていたものに似ていた。映像からの目視だったので全く同じ物ではないと思うが、おそらく同型の物と思われる。
「これにしよ」
「お、それにすんの?」
ナヅナの選んだバイクを見て、青年は興味深そうにしていた。
「それ、どのパーツも一級品で安定して走行出来たら高確率で高い順位を獲得できる優れ物だ」
ナヅナの選んだものは当たりで、レーサーにも人気のものだそうだ。しかし一つ難点があった。
「それは玄人向けだぞ」
「別に良いよ」
特に他に欲しいものもない。消去法でこれを購入することにした。操縦が難しくても大抵彼女の場合はどうにかなる。自分自身もそう思っているので迷わず選んだ。
(博士お金いっぱい持ってると良いなぁ)
小学生のような願望を抱えつつ横に浮いている文字をタップして購入を開始する。
ナヅナはここに来てからずっと思っていたが、ここには店員がいない。本当に全てが自動化され、よっぽどのことがない限り人間の手が加えられることはないのだろう。店そのものが自立している。その技術力と経営している青年に感服した。
スクリーンにて手続きを開始してしばらく経ち、購入確定の手前、ナヅナは手が止まる。
ナヅナの目線の先には自身が購入する二輪車の値段と博士の預金額。
立替払いなど行わず、値段が預金から引かれるため表示されるのだ。
ナヅナが驚いたのは二輪車の値段ではなく博士の預金額だった。
254,000,023,568と書かれていた。
二輪車の価格は70000。
二輪車は移動手段として使われることはおそらくない。買い手はほとんどがレーサーなのだと予測すると、市場価格はあの世界よりも低い可能性の方が高い。
しかし、実質的価値はかなり高いので日本円で換算するなら1000万はするだろう。
つまりこの世界の1円は日本円で換算すると、140円程度。
つまりマクダウェルの総預金は日本円で35兆円ということになる。流石にナヅナは目を疑った。
もちろん相対価値などを無視しているので一概には言えないがそれでもとんでもない額。
そもそもこれは預金だけの額だ。他の資産も足せばこれだけにはとどまらない可能性もある。
あの博士は一体何者なのだろうか。
それから数分後最後の購入確定ボタンを押そうとしたその瞬間、後ろから肩を叩かれる。
「おいおい、嬢ちゃん、ちょっと待てや」
ドスに聞いた声と共に肩に手を置かれ、後ろを振り向くとそこには、先程声をかけた柄の悪い強面の2人だった。
眉を顰めた顔のナヅナはその二人にさらに眉を顰めた。
「悪いけどさ、そのバイク俺に譲ってくれよ」
急にとんでもないことを言い出した。言葉は優しくとも顔がよこせと言っている。
「いや、私が先に…「お前に拒否権なんてないんだよ!」
反論しようとしたが、隣にいたどう見ても下っ端っぽいやつが重ねてきた。
「でももう支払うとこまで来ちゃったし…」
「へっへ、ならちょうどいい。寄越せよ」
(なんて事言い出すんだこの人たち)
「いやなんでどこの誰かもわからない人間に無償で渡さないといけないんだよ」
「どこの誰かも……わからない……?」
彼女の言葉に、信じられないといったような顔をする2人。多分反応すべきところはそこじゃないだろ、とナヅナは思った。
下っ端がその表情を崩さずに口を開く。
「このお方を知らない……?そんな馬鹿な事あるわけないだろう……」
「いや、知らない……ですけど」
「わかったぞ。こいつらボスの顔を知らないだけですぜ。名前を聞けば慄くはず」
「なるほどな……いいかよく聞けよお前ら
俺の名は、"セイソウィン・オーダー"!
この世界にいる人間なら周知の名だ」
変わらず頭の中は?だった。
「清掃員?本職は掃除なの?」
「ちげぇよ!」
そもそもこの世界にいる人間なら、と言ったがナヅナは来たばかりの異邦人なので知っているわけがない。
でもこれだけビッグマウスを叩くならこの人は知っているはず…と思ったが横には変わらず知らんのポーズを取る青年がいた。
(いや知らねぇんかい)
まぁ大言壮語でしかないのだろうとは思っていたが。
「なら戦績を見せてやりましょうやボス」
「それもそうだな。俺の輝かしいキャリアを見れば真価がわかるはず」
この世界ではカードに記録されたそれぞれの勝利数や勝率など様々なデータ閲覧することができる。
セイソウィンがカードを取り出すと目の前に戦績が浮かび上がる。
bike CR83%(156/187) AVR5th
そこには二輪車の完走率83%(156/187)平均順位5位と書かれていた。
確かにあれだけ無秩序なレースで完走率が8割を超えているのは凄まじい。
「どうでもいいがこっちは四輪だ」
car CR93(236/252) AVR3th
(いやそっちを先に見せろよ)
「これでわかったろう。さっさとよこすんだな」
確かにまだ一度もレースを経験したことのないナヅナより、熟練者がこのバイクを所持するべきなのかもしれない。ナヅナはため息をついて口を開いた。
「はぁ……わかったよ」
大人しく手を上げて、バイクの鍵を差し出す。
やっと渡す気になったかと、セイソウィンがナヅナの手に乗せられた鍵を乱暴に受け取ろうとする。
しかしそれは叶わなかった。
なぜなら、ナヅナがすぐさま鍵を握りしめ、セイソウィンの手を躱したからだ。
「取れるもんならなぁ!」
にやりと挑発的な顔に豹変し、挑発的な声でセイソウィンを見上げる。
ナヅナは、はなから渡す気などなかったのだ。
すると、セイソウィンとその下っ端は顔を真っ赤にして眼前の自身より一回り小さい女を睨む。
「貴様ぁ!」
女だろうと関係ない、そんな表情で握りしめた手を上げ、その拳はナヅナの元へ向かっていくが彼女は華麗にそれを躱わした。
その拳は留まることを知らず、ナヅナの後方の購入ボタンへ直行。
「「あ」」
購入が完了しました
先程までボタンがあったそこには、セイソウィンが押し、ナヅナの購入が確定したことでその文字だけ書かれていた。
「押したのは私じゃありませーん」
そう吐いて、出口へすぐに青年とナヅナは走りだした。そのあとを怒鳴り声を上げながら追いかけていくのであった。
「はぁ、なんで俺まで…」
「巻き込んで悪りぃな」
結局撒くのに数十分を要した。
謝罪の意を込めて近くにあった自販機でジュースを奢った。
二人でジュースを流し込んでいると、ナヅナは何かを指さしながら話し出す。
「なぁ、気になってたんだけど各地で売買されてるあのアイテムってなんなの?」
ナヅナがずっと思っていたことが一つあった。それはワールドの各地で売られている謎の三つのアイテム。
一つは長方形、二つ目は楕円のような形をしていて、突起がついたような形をしている。もう一つは手のひらサイズの王冠のようなものだった。
一つ目と二つ目は近くで目を細めないと目視できないほど小さな物だ。
この情報だけで、一体どんな用途があるのかわからなかった。ワールドを歩き回っている時によく見かけたので気になっていたのだ。
「これのことか?」
すると青年が手元に、その二つのアイテムを取り出した。
「そう!それそれ、何に使うの?」
説明を求めると、また何かを二つ取り出した。
それは人間の頭部と同じぐらいのサイズの人形のロボットだ。
「…いや、なにそれ」
「これか?これは"自作機械人形バトル"というゲームで俺が使用しているロボットのレギュラーと控えだ」
いやそんなスポーツ用語出されても、とナヅナは苦笑した。本当にこの世界には様々なゲームあるんだなと思い知った。
「まずこっちの四角形の方を説明しよう。名前は"スカバインダー"」
説明を始めた青年は、同時にそのアイテムを、ロボット2つに取り付けた。"取り付けた"と言っても、両面テープのようにくっつけただけだ。
そして、青年は片方のロボットの右手を掴んで上に上げた。
すると、なぜか少しも触っていないもう片方の右手が上がった
左手も同様、片方を持ち上げるともう片方のロボットの左手も勝手に動かした。
これを見ればどんなアイテムなのか容易に想像できる。
「ミラーリング行動か」
「そう、同種の物二つに取り付けると全く同じ動きをするようになる。ちなみに先に取り付けた方がオリジナルだ」
「へぇ、でも完全な同型じゃなくても構わないの?」
この二つのロボットは同じ人型だが、全く同じ形をしているわけではないので、どんな基準でどこを連動させるのか気になった。
「それは、どこをミラーリングするかこのアイテムが勝手に判断にしてくれる。それに自分で設定することもできる」
「便利なもんだな。で、そっちの丸い方は?」
「こっちも同様、取り付けアイテムだ。名前は"エルバインダー"」
青年はスカバインダーをロボットから取り外し、今度は"エルバインダー"を取り付けた。
「行くぞ、3、2…」
取り付けた途端、青年はなぜかカウントダウンを刻み始めた。
ナヅナは黙ってロボットに目をやる。
2、1………
その光景に思わずえ?と声が漏れた。
カウントダウン0と同時に、互いのロボットの位置が入れ替わっていた。原理は全く分からないが、とにかく入れ替わっていた。
「取り付けた二つの位置を入れ替える。それがこのアイテムの使い方だ」
「なるほど、案外単純な物だったんだな」
「だろ?だから、この二つのアイテムは唯一このワールドのほぼ全てのゲームで使用することができるアイテムなんだ。もちろんさっき俺が言った機械人形対戦のように、例外もあるけどな」
「ふーん…本当に必要?これ」
「もちろんそれはゲームによる。ただ、ゲームってのは実力が物を言うから下剋上が発生しにくい。だからこういうアイテムを駆使しないと上の奴らには勝てない」
青年の言う通りだ。この世界は実力史上主義。
優れた人間が勝つ。ただ、ナヅナのいた世界もそんなものだった。ここではそこら中で人生をかけた勝負が行われているが、ナヅナのいた世界も、就職競争や企業同士の様々な開発競争など、そこら中で"勝負事"が発生しているという点では同じなのだ。
二つのアイテムの説明を終え最後のアイテム。
最後の王冠のようなアイテムはホログラムで浮かび上がっているだけで、触ることができない。一見なんの意味もないただのオブジェクトのようだが、実は彼女の予想を遥かに覆すほとどの価値の高い物だった。
「これを手にしたものは、"ソベラニア"になれる」
「…?」
「この世界はゲームに頼らずとも有り余るほど金を持った奴らがいる。そのエリートどもがこの世界を取りまとめている。とはいえ、力が強大だから行き過ぎた宰領や支配が不安視されるため、エリートを監視する機関が必要だ。その機関こそソベラニア」
何もわからない様子のナヅナを見て、一から全て説明してくれた。
「エリートどもが君臨してるのは分かったけど、世界ってのは、全世界?」
「あぁ、全世界だ。このエルデラフエンテスも含まれている」
("エルデラフエンテス?"?)
また聞いたことのない固有名詞が飛んできた。
「その"エルデラフエンテス"ってのはなんだっけ」
「知らないのか?」
「最近ここに来たばっかなんだよ」
「エルデラフエンテスってのは、ここだよ」
「ここ?」
「"あれ"見えるだろ?」
そう言いながら指を指した方向は、ゲームワールドを取り囲んでいる壁だった。ただ、壁と言ってもそれは透過性が高く開放的だ。しかし注目すべきその巨大さ。
ナヅナが通過した入り口の方にはその巨大な壁が見え、右も左も奥が見えないほど続いている。
「あの壁の内側はエルデラフエンテスという国家だ」
エルデラフエンテスはこの壁の内側と言われ、初めて自分がいる方が壁内だと知った。
見渡す限り壁は一枚しか見えないが、実は長大な四つの壁に囲まれているのだ。
その内側がエルデラフエンテスという国らしい。
そもそもゲームワールドというのは様々なゲームが密集した地域の呼称で、一つの商業施設を指した言葉ではない。
エルデラフエンテスではゲームが一大産業で、この壁はいわば国境のような役割を果たしているのだろう。
「大体わかったけど、なんでそんなもんが普通に売ってんだよ」
「それは俺も言いたいがこのアイテムは買おうと思っても買えないんだ」
「え?価格が高いとか?」
「確かに高い」
アイテムの横に価格が浮かび上がっている。確かにナヅナの言う通りその価格は、ぶっ飛んでいた。
「誰もこれは購入できない」
「誰も?この数字で?」
ぶっ飛んで入るが、買えない額ではない。上流階級なら買えそうな額だし、ナヅナの所持しているPLISMを使えばいくらでも買える。
「もちろん理由がある。この国ではある一定の額以上の取引が発生した時、同時に届出義務が発生するんだよ」
例えば現物取引の上限額が1億円だった場合、1億円以上の買い物をすると、届出を役所へ出す必要がある、ということ。しかし届出を出すだけなら、問題ないのでは?と思ったがそんなことはないらしい。
「役所には売り手と買い手の両者が同行で行かなければならない」
つまりその届出は、一億円以上(例)のものを購入した人と、それを売った人、二人でその届出を役所に出さなければならない。ただ、これでも問題がないような気もするが、ここがいちばんの問題。
「このアイテムの売り手が判明していないんだ」
誰も購入できない要因は、この強大な権力を秘めたアイテムを誰が売り出しているのか、それが誰にも分からないのだ。




