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今回は途中で輝夜視点を挟みます。
少し読みにくいかもしれませんが、ご了承ください(いっつも読みにくいけどね)
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小野光太
銅級1等級
身体力 4 +12
設備力 2
魔法力 0
気法力 0
神聖力 0
スキル
忘れないE 勇者E 記憶力E
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何だ?このステータスは。プラスがついていて、能力がかなり上がっている。
これは......鍛練がスムーズに進むな。
前までは最初の方はゆっくりとやる必要があった。
あんまり無理をして体を壊しても意味がない。
かえって鍛練スピードが遅くなってしまう。
だが、これだけ上がっていると最初からきつい鍛練が出来る。時間短縮だ。
俺は朝ごはんを済ませ、外に出た。
「うぅーん。」
あぁ。清々しい朝だ。
空は快晴。雲一つない青空だ。気持ちの良いそよ風も吹いている。今までやって来ていたことが嘘のようだ。
よしっ!!これから走り込みだ!!
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その頃、輝夜は友達のディファーと遊んでいた。
輝夜とディファーは幼なじみだが、親友未満友達以上といった関係だった。
なぜなら輝夜はディファーが何か隠しているような気がするからだ。だから心を完全には許せていない。
ディファーは、外国から来たと言っている。どことは言っていないが、外国らしい。だから名前がこうなんだと言っていた。
「ディファーちゃん。今日はなにして遊ぶ?」
「......何でも良いよ。」
ディファーちゃんはいっつもこんな感じ。遊ぶのでも何するのでも自分は主張せずに全部こっちに譲ってくれるのだ。
だが、今日は違った。
「あっ、じゃあ輝夜のお兄ちゃんの事を話して欲しい。」
「えっ。」
ドキンとした。
ディファーちゃんは何か隠しているような気がすると言ったが、こちらはこちらで重大な事を隠しているのだ。
それは......。
お兄ちゃんは勇者で、私は勇者の巫女だ、と言うことだ。
私は物心着いたときから分かっていた。
お兄ちゃんは勇者で、やり遂げなくてはいけない使命があるらしい。その使命はこの世の罪を失くすことらしい。
どうやってやるのかはわからないけど、分かるのは危険だと言うことだ。
お兄ちゃんはまだ気付いていないみたいだけど...。
これから気付かないままだったら教えてあげなければいけない。
(けど、そんなこと言ったらお兄ちゃんに変な子って思われちゃうよ~)
輝夜は光太の無事を願っていた。
危険なことがあるなら死ぬってこともあるのかもしれない。
そんなの絶対にいや!!
うーん。どうしよう......。
「............どうしたの?」
「みゃあ!!」
いけないいけない。今はディファーちゃんと遊んでるんだった。
「で、輝夜のお兄ちゃんはどんな人なの?」
「うーん。お兄ちゃんは、優しい人だよ。私が頼んだら、何でもしてくれるし、この前だって、私が風邪引いたときに物凄い心配して、それでショックで倒れちゃったくらいなんだ。」
「ふふっ。それは面白いね。」
「そうそう。それにお兄ちゃんってばいっつも輝夜に甘えてくるんだよ?今朝だって抱きついてきたし...。もう困っちゃうよね?」
今朝の甘えっぷりは尋常ではなかった。いつもならここまで甘えたりはしないのだ。
輝夜はちょっと心配した。
「じゃあ、最近そのお兄ちゃんに変わったことなかった?」
「うーん。今朝の甘えっぷりが尋常じゃなかったって位かな。ちょっと心配だよ。悪い夢でも見たのかな?」
ん?悪い夢?そう言えば私が勇者の巫女ということに気付いた時も悪い夢を見たときのような感覚に陥ったのだ。
......まさか、お兄ちゃんも気付いたの?
あの時のお兄ちゃんは異常だった。
だが、気付いていたとしたら辻褄が合う。
夜うなされていたのもそれのせい。
今朝甘えてきたのも、使命が分かったから。
......あれ?何かがおかしい。
使命はこの世の罪を失くすって事だ。そんなに不安になることじゃないと思うけどな。
本当にただの悪い夢?
それとも......。
あぁ!!もぅ!!分かんないよ!!
私はもう考えないことにした。
その時ディファーちゃんも考えるような顔をしていた。
「悪い夢、それにあの気配......。」
「ん?どうかしたの?」
そう聞くとディファーは意を決したような顔をして話した。
「私。輝夜のお兄ちゃんのところに行く。」
「えぇ!?何で!?」
これは本当に困惑した。
ディファーちゃんがこんなこと言い出すとは思わなかった。男の子に声をかけられてもいつも冷たく返事をするか無視をするあのディファーちゃんがまさかお兄ちゃんに興味があるなんて......。
「ひっ......。」
「どうしたの?」
「何か輝夜から殺気が放たれてるんだけど......。」
おっと、いけないいけない。無意識に殺気を出していたようだ。
そんなに出てたのかな?分かるくらいの殺気って尋常じゃないよ?
まぁ、お兄ちゃんに悪いことしないんだったら良いんだけどね?
「ぜっ、絶対に輝夜のお兄ちゃんにいやがるようなことはしないから!!絶対に!!」
心読まれた?
まぁ、いいや。
「いや?別に良いんだよ?けど、悪いことはしないでね?」
「コクコクコク!!」
うん。大丈夫そうだね。
ディファーちゃんは私の親友とも言えるような子だ。
お兄ちゃんがいやがることはしないだろう。
「でも、何で?あのディファーちゃんが私のお兄ちゃんに興味があるなんて。まぁ、お兄ちゃんは凄く格好いいけど......。」
「私はただ、輝夜のお兄ちゃんのことがちょっと気になっただけ。それに見たこともない人の事を好きになったりすると思う?」
「あっ、そっか。」
そうだった。会ったこと無かったんだよね。
それじゃあますます謎が深まる。
ちょっと聞いただけで気になるものかな?
私は今まで話したことを思い返してみた。
......ん?甘えてくる、抱きついてくる。こんなことを言っていたが、まさかディファーちゃん私がお兄ちゃんに酷いことされてると思ってる?
お、お兄ちゃんはそんなことしないよ!!
誤解を解かなくちゃ!!
私がそうあせあせとしていると、ディファーちゃんが口を開いた。
「多分、輝夜が思っていることは違うと思うよ。本当にただ気になっただけだから。」
「あっ、そうなの?」
よかった。誤解はされてなかったね。
けど、ディファーちゃんは何か隠しているような気がするな。何かはぐらかしている気がする。
まぁ、言いたくないことを無理に聞いちゃ駄目だよね。
「うん。で、輝夜のお兄ちゃんの名前は?」
「光太って、言うんだよ!!言い名前だよね!!いまお兄ちゃんは出掛けてるよ。多分家の周りを走ってると思うけど。どうする?」
「行く。」
そういってディファーちゃんは外へ出ていった。
「あっ!!待って!!私も行く!!」
私は叫んだが、気付いてくれなかった。
「はぁ。もうディファーちゃんは本当に不思議な子だなー。」
私はそういって、ソファーに座り二人の帰りを待つのだった。
お読み頂きありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ
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とても励みになります_| ̄|●土下座ぁ
何とぞ、何とぞぉ