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『機動隊』

ドラマや映画などでよく見るやつだ。盾などを構えて危険なものや人を取り囲む人たちだ。

本当に居たとはな。そして、その人たちは俺の回りを取り囲んでいる。

不味いな。勝てる気がしない。

俺は戦闘力は上がり格闘術で世界を狙える位には強いがそれでも銃には勝てない。銃に勝つにはもっと戦闘力を上げて耐性系のスキルを獲得しなければならない。

だが、今はそんな悠長なことをしている場合ではない。

んー。とりあえず演技で騙せないかな?


「なっ、何なんですか!?」


ふっ、やっぱり俺は演技が上手いなぁ。

これで騙せると思った。


「騙されないぞ!!無駄な抵抗はやめて大人しく捕まるんだ!!」

「ちっ。」


騙されないか。

何故だ。演技は完璧な筈だ。

俺は体を見回した。

あー。血だらけだ。これで善良な市民の演技は出来ねぇわな。

......どうしよう。

とりあえず...逃げよう。

逃げ場所を探す。うーん。ない。

だって機動隊の皆さんが俺の周りを盾で囲ってるんですもんあの上を跳べないこともないけど、そんなことしたら撃たれるしなー。そんなことしたら死亡確定だわ。

うーん。


「大人しくしろ!!」


いや、何もしてませんけど。

何かイライラしてきたぞ。

もういい。特効するぞ!!

俺は素早く機動隊の人の盾の中に潜り込んだ。

そして、首を切ろうとしたが、流石は機動隊。

切れはしたがこちらもダメージを食らってしまった。


バァン!!


「ぐはっ!!」


撃たれた。何の躊躇いもない、素早し射撃だった。

俺が危険なのを分かっているからか、ただのビビりか。

どちらにせよ優秀だ。

いま撃たれたのは腹だ。まだ動ける。

続いてすぐとなりにいる機動隊に切りかかる。


キィン


盾で阻まれる。

しかし、そこでナイフを滑らし手に刺す。

少し怯んだ所で、首を切る。


バババババァン!!


「くっ!!」


凄い連射だ。行動が素早い。

今度は頭には当たらなかったが、心臓や肺に当たった。

もう俺の命は長くないか。


なら。出来ることをやろう。


俺は守りを捨てた。

殴られても撃たれてもそれを押しきって切る。

一人、二人、三人、それから十人ほど倒しただろうか。

俺は倒れた。

意識はまだある。

周りに機動隊の人たちが集まってくる。どうやら戸惑っているみたいだ。

そりゃ、この平和な日本で人を殺す経験なんてないだろうからな。


バクンバクン


なんだ、この感覚は。

心臓マッサージか。だが、それだけじゃない。何かが流れ込んできている。

どろどろとしたものが流れ込んできている。

体の中に入って、それがさらさらとしたものに変わっていく。

そして消える。

体が熱い。

いや、体じゃあない。

もっと奥。もっと原初のものだ。これは......魂?


ー懺悔するものがいますー

ーカルマが貴方に流れますー


あぁ。そういうことか。

カルマとは業。つまりは罪の事だ。

本当に懺悔したならばその罪が消えるのは道理だ。

だが、それが出来なかったのはその罪が流れる場所がないのと、本当に懺悔するものがいなかったためだ。

今は罪が流れる場所。

そう。俺がいる。罪は俺に流れる。

そして、本当に懺悔する人がいないと言うのは、人は後悔などして、懺悔したりするが、それは自分のためがほとんどだ。懺悔するのは、自分の罪悪感をなくすためだったり、懺悔してる自分は偉いみたいなことが多い。

それは罪を懺悔してる訳ではない。

一種の娯楽だ。

だが、この人たちは本気で懺悔している。

......本当に良い人たちだったんだな。

たった一人の少年を殺してしまったからと言って、ここまで後悔出来るとは。

多分俺が殺した人たちの中にもこのくらいいい人がいたんだろう。

だが、俺は後悔はしてない。それはやらなければいけないことだから。

人間に課せられた罰だから。

俺は人間を殺す!!絶対に!!





ーーーーー


ーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーー


ーーーーー




「お兄ちゃん!!起きて!!」

「んんぅ。」


輝夜か。

今回も思い出したようだ。

前回は少し胸くそ悪かった。あんなに良い人たちが何故死ななければならないのか。神は何故こんなことをするのだろう。考えても考えてもわからない。

ま、今は考えないでおこう。


「お兄ちゃん昨日うなされてたけど大丈夫?怖い夢でも見た?」

「ふふっ。大丈夫だよ。輝夜はやさいしなぁー。」


ギュー


「おっ、お兄ちゃん。今友達来てるんだけど!!」

「おっと。そうだったな。」


見られても俺は恥ずかしくないが、輝夜は思春期真っ只中だもんな。恥ずかしいよな。


「もー。お兄ちゃんったら。ご飯はもう作ってあるから、すきに食べてね!!」

「わかった。」


本当はもっと抱き締めたいが、自粛しておこう。

よし。今日から運動を始めるか。

俺はステータスを見た。


「え?」


_______________________________


小野光太(おのこうた)


(コパー)級1等級


身体力 4 +12

設備力 2

魔法力 0

気法力 0

神聖力 0


スキル


忘れないE 勇者E 記憶力E


_______________________________

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