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さて、かなり手間取ってしまったが、これから精製を始めよう。
昨日は散々だった。
またあの婆さんみたいな奴に会ったら勝てる気がしない。なので、今回の目標は、「いのち大事に」だ。
これだけやったのだから出来るだけやろう。
俺は夜になってすぐに動き出した。とりあえずこの辺りの家の人間を殺そう。ここはそこまで都会じゃかいからすぐに警察官が来たりはしないだろう。
俺はすぐそこにあった家に侵入した。人が居ないかと思ったが、寝ているだけだった。
親子の三人だった。魂の色はグレーと白の間と言った感じだ。
俺は迷いなく包丁を突き刺す。多分この家族は悪い人じゃない。
だからこそすぐに殺す。苦しむことなく殺すことを心がける。
この人たちは被害者だ。人間に生まれなければこんなことにはならなかっただろう。
殺している俺が言うのもなんだが、可哀想だ。
人間が、魂を引き伸ばしたりしたせいでこの人たちは生まれてしまった。
そう、全ては原初の人間のせいなのだ。俺がこうやって人を殺しているのもそれのせいだ。
必ず全部殺してやる。
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この町の人間は殺し尽くした。位階もかなり上がった。
この調子だ。
ん?何人かの人間の気配がする。前の方の道から歩いてきている。俺は目を凝らした。
......警察官だ。
遂に来たか。しかも五人もいる。全員銃を持っている。
今の俺はかなり強くなったので頭に食らわない限り致命傷にはならないだろう。
だが、五人も居れば話は別だ。
さすがに何発も食らったら死んでしまう。
「おっ、おい!!誰かいるのか!?」
むっ、気づかれたか。ここはひとつ演技しよう。
「あっ、あぁ!!助かった!!」
俺はこの町に現れた殺人鬼から逃げてきた人の演技だ。まぁ、殺人鬼と言うのは俺のことなんだがな。
「あぁ、やっと人が出てきた。」
「そうだな。不気味だよな、誰も喋らないままずっと繋がり続けてる電話が何着も来るんだからな。」
あー、失念していた。そうか、電話か。俺は人を殺したらそれだけしかしてない。何人かいる場合は通報される可能性もあるのか。まぁ、全員殺したせいで内容は伝わってないがな。
「なぁ、この町では何が起こっているんだ?」
「みんな殺されたんです!!ヤバいやつが現れて…それで...えっと...。」
「落ち着いてくれよ、みんな殺された?ただ事じゃねぇことはわかった、まずは少し落ち着こう。」
ふっ、迫真の演技だったな。これならハリウッドスターも夢じゃないな。
...ま、人間は俺が殺すから意味ないけどな。
ースキル 演技を獲得しましたー
......本当に夢じゃないかもな。
「俺たちは今から見回りだからとりあえず俺たちの後ろに居てくれ。」
「わ、わかりました。」
好都合だ。後ろからなら銃を食らわない。それに切ってもばれないだろう。
俺は後ろにいった。そして、一番後ろに居た警察官を切った。声帯を切ったから、声は出ていない。その後、まだ気づいて居ないようなのでもう一人を切った。
「ガァ!?」
くっ、しまった。少しずれて声を出させてしまった。
「「「!?」」」
気づかれたか。
「な、なにやってるんだ!!」
「え、な、なんなんですか!?」
一応惚けたような演技をした。
「ふざけるな!!お前がやったんだろ!!」
「ちっ。」
気づかれたからにはしょうがない。
俺は後ろにあった自販機の後ろに隠れた。
持ち物は、どっかの家から盗ってきた包丁やナイフ数本だ。すぐ出せるようにポケットのなかに入っている。
「お前ら!!大丈夫か!?」
「こちら葛飾!!救難要請を頼む!!殺人鬼が出た!!」
一人は仲間を気遣い、一人は救難信号、そして、最後の一人はこっちに向かって銃口を向けている。
......仲間を呼ばれるのはまずい。この三人だけならまだなんとかなるがそれ以上ならほぼ確実に死ぬ。
持久戦には持ち込ませてはいけないと言うことだ。
俺は早急に事を片付けるために銃口を向けている警察官の腹に潜り込んだ。その時銃を撃ってきたが、避けた。そのまま腹を切った。警察官は倒れた。
バァン!! バァン!!
「いっつ!!」
二人の警察官が。銃を撃ってきた。致命傷にはならなかったが、肩と太ももに弾を食らった。
ースキル 銃撃耐性を獲得ー
痛みで動きが悪くなる。痛覚軽減は持っているが、それでも痛い。
それでも走った。警察官の腕を切った。
警察官は声にならない悲鳴をあげたが、切られていない方の腕で銃をもった。
......強いな。だが...。
俺の方が強い
撃たれるが出来るだけ避け、当たったりしても致命傷は避けている。そうして少しずつ切り傷を着けていく。
警察官は徐々に疲弊していった。しかし、それはこちらも同じだった。戦況は五分五分といったところだった。
しかし、警察官が一人倒れて戦況は一気に傾いた。
そりゃそうだ。今まで二人で戦っていたのが一人になったちめいきなり負担が二倍になったのだ。警察官は徐々に威勢がなくなっていき、ついには倒れ伏した。
俺の勝利だ!!
俺は地面に座り込んだ。少し休もう。
「ふぅ。」
疲れた。死ぬかと思った。だが、生きている。まだ行けるか?今回で終わりにしたい。出来るだけ早くにしないと、地球の聖の力もリセットはされるが、俺の勇者の力はその聖の力を少しだけ使っている。このまま俺が使命を遂げられなかった場合、それはそれで破滅だ。
俺は早く決着を着けることを決意した。
「居たぞ!!」
ズラズラ
そこに現れたのは...総勢百人程度の機動隊だった。
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小野光太
銅級8等級
身体力 55
設備力 30
魔法力 0
気法力 0
神聖力 0
スキル
忘れないE 勇者E 記憶力E 身体力C 投擲D 剣術C 危機察知C 痛覚軽減C エネルギー消費減少C 貯水E 格闘術D
暗殺術D 再生D 逃走F 演技F 銃撃耐性E
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ー演技ー
F.貴方の演技の技術を5%上げます。
E.???
お読み頂きありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ
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とても励みになります_| ̄|●土下座ぁ
何とぞ、何とぞぉ




