4
ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーー
ー
「はっ!!」
俺は目覚めた。何か悪い夢を見ていたような気分だ。
俺は寝起きで思い体をのっそりと動かして部屋から出た。
ん?良い匂いだ。これは...サバの味噌煮?
その瞬間記憶が戻った。
よし!!戻ってきたぞ。今は...16才か。
「忘れない」のランクが上がったことで少し思い出すのが早くなったようだ。
あぁ。まずはやらなきゃいけないことがあったな。
俺はリビングへ行った。
「あ!!おはよう。お兄ちゃん。」
「あぁ。おはよう。輝夜。」
やっぱりだ。輝夜はまたいる!!
少し涙が出そうになるが、輝夜に心配はかけたくないからグッと留めた。
ちなみに俺も輝夜も学校には行っていない。勉強はしているが、俺は殆んどの時間をアルバイトに、輝夜は家事に使っている。
輝夜がご飯を作り終わったから食べようと言っていたので食べることにした。
「なぁ。輝夜。言いたいことがある。」
「ん?なに?」
輝夜は勇者の巫女になった訳だ。何らかの形で俺みたいにカルマのことを知るかもしれない。なら、早めに教えて少しでも強くなってもらった方が良いかもしれない。
合理的に考えればそれが一番良い。
だが、俺はそれをあまりしたくない。何故ならそうすれば輝夜に負担が掛かりそうだからだ。それに殺人や悪事を知ってほしくない。
だから俺はそれとなく強くなってもらうことにした。
「今日から俺と一緒に護身術を練習しないか?」
「護身術?」
「あぁ。俺はな凄い発見をしちゃったんだ。」
俺は輝夜にステータスだけを教えることにした。
――――――――――――――――――――
「へー。なんか凄いね!!アニメ?とかは見たことないけどこんなことが出来るんだね!!」
俺は輝夜にアニメを見てて物凄くやりたくなったから試行錯誤したらなんかできたと説明した。ステータスを見るのは一回だけに留めてもらいステータスを活性化させることだけをした。
スキルの詳細などは見て欲しくないため、二回目を見ると激しい痛みが体全体に広がると言っておいた。
滅茶苦茶な話だが、純粋な輝夜は信じてくれた。
すこし騙すようで心苦しいが、方法はこれしかないだろう。
それから俺は一ヶ月ほど輝夜と護身術を練習した。その間俺は人を殺さなかった。いきなり身体能力が上がったら輝夜に怪しまれるかもしれないからな。
だが、ステータスはかなり上がった。誤算だったのが、「忘れない」だった。感覚を忘れないというのはスキルを覚える感覚で、「身体力」などは少し運動しただけで取れた。これのお陰で当初もう少し時間がかかると思っていたから予定を少し早めることができた。
さて、今日は輝夜にあることを話す予定だ。
「輝夜。俺、明日から旅行に行くことになった。」
「え!?」
そう。旅行だ。俺は人間を殺すことを目標としている。輝夜には気づかれないようにする必要がある。そのために俺は旅行という名目で家から離れようと思った。
今の俺たちの家は東京にある。そこから南に下っていって、ちょうど良いくらいのところで始める予定だ。金の節約にもなるし、ステータス上昇も図れる。一石二鳥というやつだ。輝夜は最初の方は自分も行きたいだとか行かない方が良いとか言っていたが、男友達と一緒に行く旅行だと言ったら渋々了承してくれた。
その夜、俺は旅行の準備を始めた。準備といってもほんの少しだ。俺はリュックサックを取り出した。確かこれはお父さんが使っていたリュックだ。いっぱいものが入るし何の技術か分からないが重さが軽くなる。
持ち物はたった3つ。一つ目は包丁。家にあったものの中で一番大きかったものだ。二つ目は包丁研ぎだ。前回死ぬ前にかなり包丁の切れ味が悪くなっていた。最後の方はもう殆んど切っていたというよりは叩いていたに近かった。
その反省を生かして包丁研ぎを持っていくことにした。三つ目は救急箱だ。これは普通に怪我などをしたときに手当てが出来るようにするためだ。これもかなり高品質なものでこちらはお母さんのものだ。例えば緑色の薬を塗れば全治一ヶ月の傷がわずか一週間弱で治ってしまうのだ。物凄く高品質なのは間違えがない。ほんとうにこんなもの何処に売っているのか気になるくらいだ。
これで準備は終了だ。
食料がないが、それはあまりやりたくはないが現地調達が出来るし、「エネルギー消費減少」というスキルも手にいれた。だから大丈夫なはずだ。
さぁ。いよいよ明日出発だ。前回のような不甲斐ない最後は迎えたくない。普通の警察官と相討ちなんて......。輝夜に話せないな。
......。いや、少し感覚がバグってるな。
まぁ、実際その程度に負けていたら全人類を殺すなんて夢のまた夢だな。
まぁ、もう寝よう。明日睡眠不足になったらいけないからな。
そうして俺は眠りについた。
_______________________________
小野光太
銅級1等級
身体力
設備力
魔法力
気法力
神聖力
スキル
忘れないE 勇者E 記憶力E 身体力D 投擲D 剣術D 危機察知E 痛覚軽減D エネルギー消費減少D 貯水F 格闘術E
再生E
____________________
ー格闘術ー
F.格闘術での攻撃力を5%技術を5%上げます。
E.格闘術での攻撃力を5%技術を5%上げます。
D.???
ー剣術ー
F.剣術での攻撃力を5%技術を5%上げます。
E.剣術での攻撃力を5%技術を5%上げます。
D.剣術での攻撃力を10%技術を10%上げます。
C.???
ーエネルギー消費減少ー
F.エネルギーの消費を5%下げます。
E.エネルギーの消費を5%下げます。
D.エネルギーの消費を10%下げます。
C.???
ー貯水ー
F.体内の水分とは別に最大貯水量の5%を貯めます。
E.???
ー再生ー
F.三十分に1%回復します。
E.十五分に1%回復します。
D.???