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俺はボスを遠くから確認する。

こいつは......。

キングオークか。

こいつは強さで言うと、小の中程度の強さだ。

だが、それはこいつだけと戦ったらの話で、こいつは特殊能力のようなもので仲間のオークを呼ぶ。

なので、仲間のオークを呼ばれる前に倒してしまうというのが鉄則だ。


こいつはめんどくさいな。

この程度の迷宮ならオークチャンピオンなどのオークのそのままの上位互換のようなものが出てくると思ったんだが、宛が外れたな。

まぁ、とは言っても勝てるか勝てないかでいったら勝てるだろう。

少し賭けになる部分もあるが、こればっかりはしょうがない。


俺はボスに向かって走り出した。

走る音は最小限に抑えて走った。

ボスはそのボスの縄張りのところに何かが入ってくるのはすぐに分かる。

が、それでも何処にいるのか分からなければ意味がないだろう。

よし。速攻で倒すぞ。

俺はキングオークの後ろに回り込む。

そして、首を狙ってナイフを構えた。


「ぐぎゃぁ?」


キングオークは混乱しているようだ。

そりゃ縄張りに誰かが入ってきたという感覚はあるのに、その誰かが見当たらないのだからな。


俺はナイフでうなじを切った。


「!?」

「ぐぎゃぁ!!」


くそっ!! 一撃で切れなかっただと!? 今くらいの力なら切れる筈なのに......。


俺はパッとナイフを見た。

......ボロボロだ。

あっ、そう言えばずっとナイフを研ぐのを忘れていた。

ははっ、何でこういう時には「忘れない」が聞かないんだよ!!

俺は頭のなかで悪態をつく。


ともかく、今のでキングオークに俺の存在がばれてしまった。


グゥオォォォ!!


キングオークが雄叫びを上げた。

これは仲間を呼ぶときの雄叫びだ。

あと数十秒で仲間が来る!!


俺は集中した。


キングオークがこちら側に走って来ている。

俺はそれをすれすれのところで、回避し、逆に俺も走り背後を取る。


そして、ナイフを振る。

キングオークの首が落ちた。

キングオークは霧になって消えていった。

俺は魔石を手に取った。


パァァァ


俺を光が包む。

どうやら転移が始まるようだ。

そして、俺はボスを倒したあとに転移されるボーナスルームへと行った。


ーダンジョンクリア!!ー

ー貴方はダンジョンをクリアしましたー

ー身体力を3 設備力を3 上昇させますー

ー貴方は迷宮をどうしますか?ー


終わりの見えない黒の空間。

ボーナスルームだ。

そこで黒い玉が話している。

ここでこの迷宮を停止させることが出来る。

本来なら今すぐにも停止させるところなのだが、一つ気になることがある。それは。


あの黒い玉が定食屋のおじさんの魂に入っていた玉にそっくりなのだ


俺はこの黒い玉を見たことはあるが、そこまで記憶に残っていなかった。

だから今、こうやって見るまでは何も感じなかったが、こうして見るとそっくりなのだ。


俺はその玉に近づいていく。

そして、触ってみる。


「ぐっ!!」


これは......巨大なカルマだ。

そうか。分かったぞ。

これは迷宮のカルマなんだ。

だがどうしよう。完全にどうすれば良いのか分からない。

取り敢えず......。


カキンッ!!


俺はナイフで切りつけてみた。

金属を切るようで切れる気がしない。

だが、少しはダメージが通っているようにも感じる。

俺は切り続けた。

一点集中で切りつけていく。


カキィン!!


おっ、少しだけ傷がついた。やはりこれにはダメージが通っていたのか。

俺はそのまま切り続ける。


カキィン


カキィン


カキィン


ガキィン!!


真っ二つに割れた。

赦されない罪が俺に流れ込んでくるのが分かる。

それが全て俺の戦闘力になっていく。

うーむ。一気に強くなれたな。

俺は迷宮のカルマがなくなってなお出続ける選択肢で、迷宮を停止させた。



ーーーーー


ーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーー


ーーーーー




「はっ!!」


俺は気がついたら町の道路に立っていた。

そうか。迷宮を停止させたらこうなるのか。

迷宮がどんなものだったのかは分からないが、あのレベルの大きさならかなりの大きさだったのだろう。

その迷宮がなかったかのように普通の町並みが広がっていた。

ま、俺が住民を全員殺したから町はガランとしてるけどな。


ブブブブブ


空からそんな音が聞こえてきた。

ヘリコプターだ。

そりゃ迷宮ができたら一大事だよな。

空にはかなりの数のヘリコプターが飛んでいた。


「おい!!君!!」


俺はボーッとしていたためか、横から来る人の気配に気づかなかった。

さて、どうしたものか。

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