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今回は短いです
意味が分からない。
俺は世間では謎の山と言われるものの中に入ってしまった。
俺はこの山のことを知っている。
迷宮だ。
迷宮とは、地球に貯まったカルマを外に出す時に生まれる物で、中には多数のモンスターや宝箱がある。
地球に害があるものを出すためにやったことなのに、それのせいで更にその害が増えるという悪循環が起こるのだ。
何故ならその迷宮の元となるものはカルマなのだ。
欲望の塊だと思っても良い。
迷宮からは人間にとってとても有益な物が多数排出される。
宝箱からは武器や情報。モンスターからは魔石などのエネルギー資源が手に入る。
魔石は石油の上位互換のような性能で、二酸化炭素は排出しないのに、石油よりも高性能という物で、人類の技術を飛躍的に発展させた。
これを手にいれるために、人間は欲望を爆発させ、その結果、更にカルマが増えるという結果になるのだ。
(しかし、出来る時期が早すぎる......。」
俺の記憶なら迷宮が出来始めたのは俺が二十歳の時くらいからだ。
思い当たる事は一つだけある。
それは、俺のパワーアップだ。
俺はかなり強くなった。「忘れない」のお陰だ。
だが、その反面魂が強化されてしまった。その結果、俺が死に戻るために使う聖の力の量が増えてしまい、こういう事態を起こしてしまったのだろう。
......これはとうとう急がなくてはいけないな。
俺がちんたらちんたらやっていると、俺が死に戻る前に破滅を迎えるかもしれない。
これからは死んでも戻れるという考えは捨てた方がいいな。
「うーむ、しかし、でも......ブツブツ。」
ぶぁくぅおぉん!!
「いったぁ!!」
後頭部に激しい痛みがはしる。
俺は慌てて後ろに振り向く。
ヌゥン
「わぁお......。」
そこには慎重二メートルを越える慎重の豚面がいた。
オークだ。
俺はこのオークに殴られたようだ。
そうだった。忘れていた。ここは迷宮なのだ。あの平和な日本とは違い、ここは危険なのだ。寝ていたら食われるし、休んでいたら襲われる。ご飯なんて食べようものならその匂いにモンスターが寄ってきて大惨事になるだろう。迂闊だった。ここで考え事なんてしてる暇はないのだ。
俺はナイフを引き抜く。
使っているうちに俺に合わせるように少し削れていき、今では俺の手にジャストフィットしている。
ダッ
俺はオークに向かって走り出す。
オークは遅いので、俺の動きについていけていない。
そして、そのまま背後に周り、うなじを切る。
スキルなどもあり一発で首を落とすことが出来た。
オークは霧になって消えた。
そこに残ったのは魔石だけだった。
俺はそれを拾い上げ鞄の中にいれる。
武器などを作るのにも使える。取っておいても損はないだろう。
俺は迷宮の中を進み出した。
目的は出口の捜索ではない。この迷宮を停止させるためだ。
迷宮では、ボスと言われる物凄く強いモンスターを倒すと二つのものが渡される。一つはステータス。二つは権利だ。
ステータスというのは、ただ単純に身体力などのステータスが上昇する。
権利というのは、ボスを倒すと、ステータスが渡されたあとに、この迷宮を停止させるか、それともそのまま続けるかという選択肢が現れる。
普通はそのまま続けるという選択肢を選ぶだろう。
だが、俺は人間が少しでも強くなられたら困る。
少しでも弱体化させるため、ここは停止させておく。
俺は迷宮を突き進む。絶対に倒さなくてはいけないモンスター以外は持ち前の素早さを使って無視していく。
そのままバンバン倒していく。
位階が上がる感覚があった。が、それを確認することもなく突き進む。
遂に俺はボスのところまでついた。