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「俺は......人を殺したことがあるんだ。」

「!?」


何だって!?この人の良さそうな人が人を殺したことがあるだって!?

到底考えられない。

だが、俺だって見た目だけで言えば普通の少年だしな。

人は見かけによらないってことか?


「へへっ、ビックリしただろ?」

「はっ、はい。」

「ん?そこまでビックリして無さそうだな。もっとビックリして思考停止したり、飛び上がって逃げようとすると思ったんだが......。」


そうか、俺も人を殺したことならあるから、そこまでビックリしなかったが、普通の人ならもっとビックリするよな......。


「まぁ、そんなことはどうでも良いんだ。その当時俺は高校生だった。俺はかなりヤンチャしてて、喧嘩ばっかりしていた。」


ほぅ、そんな過去があったのか。

ヤンキーが、今では人の良さそうなおじさん、か。

人は変われるってことなのか?


「ある日の事だ。俺は妹と喧嘩になっちまったんだ。可愛い妹だったが、生意気な奴だった。家に帰っては喧嘩喧嘩。もうそれが日常茶飯事だった。」


妹か......。


「だが、ある日の事だ。その日の俺はおかしかった。物凄い高揚感と、周りの人を全員殺してしまいそうなほどイライラしていた。胸の中から黒い何かが体を乗っ取っているような気分だった。」

「!?」


なに!?それは魔物化の前兆じゃないか。

魔物化の前はこのおじさんが言ったような症状が起こる。そして、一時間から1日ほどたつと、魔物化する。

しかし、このおじさんは今ピンピンしている。

俺は話を聞いている最中に調べることにした。

俺はおじさんの魂を見た。

......何だこれは。普通のグレーの魂の中に物凄く黒いカルマが入っていて、それを覆い隠すような形で白い魂があるという感じだ。

このような魂は見たことがない。

......取り敢えず話を聞こう。


「俺はそのまま家に帰った。家には妹がいた。俺はその日、イライラしていたからか、かなり激しく喧嘩をしたため、ボロボロだった。そして、その事について妹に小言を言われたんだ。俺はいつもなら口喧嘩をして、そのまま寝るんだが、その日は何かが違った。いきなり俺の頭の中が真っ黒に染まったんだ。そのまま俺は......あいつの首を絞めたんだ。」


......妹を殺したのか?

俺も妹を殺したが、そのときの気分は最悪だった。

おじさんもその妹のことは好きだっただろう。

つらかっただろう......。


「俺はそのまま町内を暴れまわって人を殺しまくるくらいの気持ちだった。頭の中が、黒に染まってしまっていたんだ。」

「その気持ち......分かる気がします。」

「そうかい。ありがとう。」

「だがな、その時、あいつが言ったんだ。」


()()()()()()()()()()()


「くっ!?」


それは輝夜の......!!


「俺はその瞬間我にかえったんだ。あいつは俺に殺されることが本望かのようにそう言ったんだ......。俺の中の黒いものが包み隠されていくような感覚だった。」


そうか...だからか......あの白い魂は妹さんがつけてくれたものなのか......どうやったのかは分からないが......いい妹さんだ。


「俺はその事を今までずーっと後悔してきた。俺があの時もっと我慢していれば......。」

「......。」

「どうだ?軽蔑したか?どうせ俺は精神が幼いんだ。あれほどの事をやらかすのを止めることが出来ないなんて......。」


何処がだ!!きっと、あのおじさんは何かされている。迷宮が出来た時には精神を操る魔法などもあった。何があってもおかしくない。それを今まで悔やんで悔やんで......。


「貴方の罪が消えることはないかもしれませんが......私は許しましょう。貴方の罪が少しでも消えることを願います。」

「......!?へへっ。そうかい。あぁ、お前さんはいいやつだな!!将来を担っていく若者がこうなんだったらもう何も心配は要らねぇな!!」

「......。」

「最後に一つだけ言わせてくれ......。」


()()()()()()()()


サァァァァ......


おじさんは塵のようになっていく。

おじさんの罪が消え、妹さんの魂が消滅したからだろう。

もう残ったのは寿命を迎えた魔物だけ、ということだろう。

魔物は生命反応がなくなると、塵になって消える。

おじさんは魔物だったのだ。


俺はお金を少し余分にカウンターに載せ、外に出た。

空を見上げる。

俺の気分とは裏腹に気持ちがいいほどの晴天だ。

まるで、俺の都合を無視して俺を勇者にした神を表したようだった。

俺は最後に見たあのおじさんの顔は忘れない。

あの顔は......


屈託の無い笑顔だった。


ー懺悔するものがいますー

ーカルマが貴方に流れますー

ースキル 良心を獲得ー


_______________________________


小野光太(おのこうた)


(コパー)級1等級


身体力 30 +32

設備力 2

魔法力 0

気法力 0

神聖力 0


スキル


忘れないD 勇者D 記憶力D 身体力A 危機察知C 格闘術C

殺気F 威圧F 耐魔D 剣術C 杖術F 弓術F 盾術E 打撃耐性D 刺激耐性E 痛覚軽減C 再生C 投擲E 逃走F 良心F


プラレールスキル


記憶共有

____________________



お読み頂きありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ

面白かったら是非評価、感想、レビューをお願いします。

とても励みになります_| ̄|●土下座ぁ

何とぞ、何とぞぉ



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