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「お兄ちゃん!!起きて!!」

「んんぅ。」


輝夜の声で目が覚める。

あぁ、戻ってきたか......。輝夜......。俺はまたお前を守れなかったのか?

確定した訳じゃないが可能性は高いだろう。

だが、今こうしてまた輝夜はここにいる。

いつまでもうだうだしていちゃ何も始まらないか。


「お兄ちゃん大丈夫?凄く悲しそうな顔をしてるよ?昨日の夜もうなされてたし......。何かあったの?」

「その......。」


どうしよう。こんなことになるなら最初っから輝夜に本当のことを教えておいたほうが良いのかな?

そうだな......一応輝夜は勇者の巫女だ。これからどうなるのかも分からないし、もしかしたら物凄く強くなるかもしれない。そうなれば俺の力が無くても自分の身を守れるようになるかもしれない。


「あのな。一つ話したいことがある。」

「なに?」

「信じられない話しかもしれないが、俺って勇者って奴らしいんだ。」


遂に話した。こんなこと言っても頭がおかしくなったかと思われるだろう。だが、俺にはステータスと言う奥の手がある。これを見せれば信じてくれると思うんだ......。


「え!?お兄ちゃんやっと気付いたんだ!!」

「え?」


何だって?

俺は混乱した。

そうやって、頭の上にハテナマークを浮かべていたら輝夜が説明してくれた。

いわく、輝夜は自分が勇者の巫女と言うことに物心が着く頃には気付いていて、俺が勇者だと言うことにも気付いていたらしい。

使命のことについては断片的には分かるらしい。それに魂の色も見えるらしい。だが、それがどういう意味かは分かっていなかったらしい。

俺には変な子だと思われたくないから言えなかったそうだ。


「そうか......。」


俺は少し思案してから、全てを話すことにした。

俺が勇者で何度も死に戻っていること。輝夜を殺してしまったこと。機動隊の事。

そして、あのエルフの事だ。

あのエルフは俺の事を悪魔だとかなんとか言っていた。それに魂の話しもしていたことから、かなり重要な人物のようだ。

それにあのエルフは魔力を使っていた。

俺が見ていた中ではこの時代に魔力はなかった。

分からないことが多すぎる。


「え!?ディファーちゃんがそんなことするの!?」

「あぁ、残念ながらな。しかも強かった。俺が殺された機動隊の人たちでも勝てるか勝てないかって言うところだろう。」

「そんなに!?」


輝夜は信じられないようだ。仕方がないことだろう。今まで遊んでいた友達がいきなり豹変したようなものだから普通は信じられないだろう。そんな時輝夜が気になる一言を話した。


「ディファーちゃんは他の人の魂から感じる嫌な感じが無いから大丈夫だと思ったんだけどなー。」

「ん?どういうことだ?」


俺はそのディファーの魂を見てはいない。

本当は見るべきだったんだろうが、そのときは頭に血が上っていて、冷静な判断が取れていなかった。そのため、ディファーを倒して、輝夜の安否を確認することしか頭になかった。

ちょっと失敗してしまった。

それより輝夜の話を聞こう。


「他の普通の人って、魂に何かイヤーな感じのやつが着いてるじゃない?」


多分カルマの事だな。

何となくでは分かっていたみたいだ。


「私は、そんなのが着いている人は悪い人だと思っていたから、出来るだけ少ない人とだけ遊んでいたんだ。」


カルマが多いってことはそれだけ罪を重ねてきてるってことだをいい人なはずがない。

ナイス判断だ輝夜。


「けど、誰にでも少しはそれが着いてるものでしょ?けど、ディファーちゃんはそれが少しも着いていなかったの。」


そうか......カルマが少しもないってことは、俺たちと同類の可能性がある。

やっぱり謎だ。


ースキル 記憶共有を獲得ー


お、新しいスキルか。だが、今はそれどころじゃない。


「今そのディファーは下にいるんだよな?」

「うん。」

「じゃあ気付かれないように外に出るぞ。トレーニングだ。」


俺たちは窓からこっそりと外に出た。

そして、またあのヨガスペースに行った。

まずは俺は走ることにした。輝夜は怪我をしてはいけないのでストレッチをしてもらった。

三十分位走ったのち俺は筋トレを始めた。

ランクが上がったことにより「忘れない」のスキルに

「技術を忘れない」

が追加された。これによりスキルが丸々そのまま残ることになったのだ。ランクは全て最初からだが、それでも凄く助かる。

俺は筋トレを続ける。本当に凄い効果だ。

みるみるうちに強くなっていくのを感じる。

輝夜はそこまで感じ取れてはいないが、無いよりかはましだ。

三時間ほど筋トレを続けた。

さぁ、ここからが本番だ。家に誰も居なくなったのにディファーは気付くだろう。そして、探しに来るはずだ。

それを俺は迎え撃つつもりだ。輝夜は近くのスーパーに隠れてもらう。

さぁ、ディファーよ!!準備は万端だ!!いつでも来いよ!!



お読み頂きありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ

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とても励みになります_| ̄|●土下座ぁ

何とぞ、何とぞぉ



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