第六話:恐怖
俺は、何かに飲み込まれる。
そして、意識の残る限界まで、
体を裂かれた。
そして、その飲み込むものこそ、
"ディガル"
と呼ばれた化け物の一部。
そして、俺は、その化け物、ディガルに殺される。
脳を引き裂かれ、
目玉をえぐり取られる。
そして、俺は、地面に投げ出される。
そして、見たのは、玲子の死体だった。
しかし、あの玲子とは、違う。
また、あの玲子だ。
玲子が増えていく。
玲子が回転する。
玲子が笑う。
玲子の顔が崩れていく。
玲子の表情が消えてなくなる。
玲子が……
玲子が……
玲子が……
玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……玲子が……。
不可解な惨殺と玲子の死体が増える。
グロテスクなほど、汚い死体が。
粉々に先切れた死体が。
終わってしまった死体が。
死んでしまった瞳。
死んでしまった指。
死んでしまった内臓。
死んでしまった骨。
死んでしまった心臓。
死んでしまった魂。
霊魂が見える。
人魂。
死者の魂。
玲子は、死んだ。
しかし、今も玲子は、殺されて、死体が増えている。
目玉。
指の骨。
背骨。
骸骨となった体。
髪の毛。
すべてが何もわからなくなる。
そして、リセットされる。
これが初めてのやり直し。
***
「さて、ここまで語ったけど、君は、理解ができるかい?何がどうか?何がそうなるのか?なんでこうなったのか?君は、誰なのか?ディガルもバルガスもエーデルもファーラスも誰も彼もなにかわからないだろ?君は、一体何者なのか?化け物?人間?それとも、別のもの?」
語りかけてくる人は、不気味にも笑った。
「零の謎も、ディガルについても、玲子ちゃんの死も、君には、まだ、わかりもしないことさ」
そして、また、語りかけてくる人は、笑った。
そして、語りかけてける人は、首がはねられた。
生首が空中を舞う。
そして、語りかけて来る人は、死んだ。
***
まだだ!まだ足りない!まだまだが!足りないんだ!足りないんだ!まだまだまだまだまだ!足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない!
ざっけんな!足りないんだよ!
血が!血液が!足りないんだよ!
よこせ!よこせ!もっとよこせ!
そして、汚れろ!
朽ちてゆけ!
死ね死ね死ね死ね!
終われよ!
死ねよ!
ゴミ!
クズ!
終われ!
不意にその声の主は、震え上がった。
また、来たのか?
あの怪物が!
ざっけんな!
血血血、血血血血チィィィー!
声の主は、狂い上がった。
そして、事切れた。
口から、血を流して死んだ。
そして、その前に立っていたのは、
「ごめんね。死なせて」
心無玲子だった。