第三話:新たな感情
そして、次の日。
玲子は、朝ごはんを作って待っていた。
俺は、無言で席に座り、ご飯を食べていく。
俺は、不思議な感じがした。
いつもなら、食べない朝ごはんも、今、自分が食べていることに。
「とう?美味しい?」
あぁ、美味しい。
ほんと、考えが通じるってどうゆうことよ。
って思ったりもしている自分。
まぁ、会話できることに越したことは、ない。
「美味しいなら美味しいでいいけど、なんか、もうちょっとさ。身振り手振りとか?できないの?」
ちょっと待て!今、俺責められてる?
どうしてだ?感想を言っただけなのに?なんで?
これは、これで、俺が、悪いと?
うーむ……。分からん!
何故だ何故だぁー!!
「笑顔よ。笑顔が足らないの」
笑顔?笑顔か……。
笑顔って何?
「はぁー!?笑顔を知らないの?」
そうそう、その笑顔ってやつ、俺には、分からない。
俺がそう思っていると、彼女は、ビックリした顔でこっちを向いた。
笑顔とは、何か?ただ知らないことを知らせただけなのに何を驚く必要があるのか?
俺は、そう思った。
「U字に口をひん曲げんのよ」
そう言われて、俺は、理解ができず。棒立ち状態になった。
そもそも、口をU字に曲げれるわけがない!
俺は、そう思った。
「あなたって、笑ったことある?」
俺の頭にハテナが飛んだ。
笑うってなんだ?
たしかに俺は、笑うという行為を知らないことは、ないが、どうゆう理由で、笑うのかは、知らない。
だから、笑えないのだ。
「あーもう!ほら、面白いこととか、楽しいこととか、あと色々あるけど、そんなのを含めて、ニコニコしたら、笑顔なんだよ!」
ほーそうなのか?
俺は、新たな知識を得た子供がする興味深そうな、顔をした。
すると、玲子は、ため息をついた。
しかし、その後、笑った。
その時、俺は、これが笑うということだと追うことを知った。
俺の新しい感情。
***
感情憂鬱病の治療法
・自分が何者かを知る
・感情を増やす
・笑う
・存在価値を知る
・決して、死にたいと口にしない