第二話:人間とは、何か?
獅子の伝説を知ってるのだろうか?
四肢をもぎ取っても死ななかった話。
けれど、そんな獅子も寿命という呪いで死んだ。
だから、君も、いつかは、死ぬんだ。
***
俺は、目を覚ました。
彼女、玲子と会って、なにか変わったのだろうか?
たぶん、変わったとしても、俺は、気づかない。
だって、憂鬱病だから。
俺は、病院では、心情憂鬱病と診断された。
ノエルというのは、完全な憂鬱者の事。
俺は、それに当てはまるのだと言われた。
人間がどうこうとか、俺は、どうでもいい。
ただ、俺は、生きていることが苦痛なだけ。
誰も、相手にしてくれない。
誰も、人だと、思ってくれない。
人間が、同じ人間を人間だと見ていない。
そんなことがあっていいのか?
そんなことを考えても、分からないものは、わからない。
そんなこと、わかってたのに……
誰にも言うことなく、俺は、黙った。
俺には、"名前"が存在しない。
俺は、名前を覚えていない。
医者は、心情憂鬱病のせいだと言っていた。
人間という存在が怖いのだと。
そんなことは、思っていないはずだと思っていた。
だって、今まで、逃げることもしなかったのだから。
でも、怖がっているのがわかった。
この前のいじめの日。
俺は、逃げられなかった。
だって、逃げたら、どうなるか知っているから。
だから、逃げられなかった。
人間とは、そうゆうものだ。
俺は、そう思っている。
さて、人間とは、何なのか?
俺は、その疑問だけを残していた。
俺の生涯の課題か?
俺は、そう思っている。
それだけ思って、俺は、玲子を見た。
そして、俺は、寝た。
どうも、珊瑚海です。よろしくお願いします。twitterの方でも、ツイートをしておりますので、そちらもどうぞ。