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お気楽領主の楽しい領地防衛 〜生産系魔術で名もなき村を最強の城塞都市に〜  作者: 赤池宗


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ヴァン君のとんでも船造り その3

ゴールデンウィーク期間毎日更新!(*‘ω‘ *)

お暇があれば是非見てみてください!




 とりあえず、竜骨と船底、そしてあばら骨を造った。ここまでくれば後は形に合わせて壁や床、階段を設置していくばかりである。どんどん出来上がっていく船を見るのは楽しい。


「ここは、このくらいの部屋を幾つも作って……あ、資材庫は広く作った方が良いよね。窓があると室内が明るくなって良いなぁ」


 楽しく船を造っていると、気が付けば甲板まで完成していた。ちなみに帆を張る為のマストは五本準備している。二階の床部分から伸びたマスト五本はかなり太い。


「後は、船橋かな。普通に家みたいに作ることも出来るけど、何か工夫したいなぁ」


 そんなことを言いながらマストに背中から寄りかかり、首を傾げる。すると、甲板で船の形状を確認していたトランが歩いてきた。


「ヴァン子爵、流石に魔力が足りなくなってきましたか?」


 そう言われて、ふと元々の予定を思い出した。そういえば、細かく小休止を挟みながら造船するんだった。楽しくていつものようにバリバリ船を造っていたが、今更休憩して何とか誤魔化せるだろうか。


「そ、そうですね。ちょっと急ぎ過ぎたかもしれません。とりあえず、休憩しながらでも船について助言をいただけると助かります」


「おお、そうですか。まだお昼ですから、ゆっくり休んだ方が良いでしょう。倒れてしまっては大変ですからね」


 そう言われたので、ホッとしつつ運ばれてきた資材を使って簡易的な休憩所を作成する。全員が休めるように簡単なタープを張り、その下に椅子を並べる。輪を作るようにして置いた椅子に座って息を吐く。小さなテーブル付きの椅子だ。キャンプに持ってこいである。


「ヴァン様、お疲れ様です」


「ありがとう、ティル」


 ティルを含め若い騎士達やロッソの従者達が皆に飲み物を持ってきた。果実水を受け取って椅子でゆったり休んでいると、正面の椅子に座ったトランが呆れたような表情でこちらを見ていた。


「……魔力が尽きそうなのだと思っていましたが、勘違いでしたか?」


 そう言われて、再びハッとなる。横を見ると、パナメラが呆れながら、ロッソは苦笑しながら紅茶を口にしていた。そして、僕の後ろに立つエスパーダが短い溜め息を吐く。


 そのプレッシャーに押しつぶされそうになりながら、トランに曖昧な笑みを向ける。


「も、もう、へとへとですよ? ただ、皆さんも休めるように、と……」


「それは、有難いのですが……」


 あまり信じてもらえなかったようだ。


「と、ところで、船についてはどうでしょう? 今のところ、指摘を受けた部分は全て修正出来たような気がしていますが……」


 さっさと質問に移って有耶無耶にしてしまおうと尋ねる。それにトランは腕を組んで軽く首を左右に振った。


「さて、どうでしょうね。舵輪や滑車、芯棒などの仕組みについてもお話しした通りに作られているなら、恐らく昨日の船とは全く別物になっている筈ですが……」


 そう口にした後で、トランは少し威圧的な力強い笑みを浮かべる。


「……ヴァン子爵が、腹を割ってお話ししてもらえるなら、もしかしたらその信頼にお応えしての助言もあるやもしれませんな」


「ど、どどど、どういうことでしょう……?」


 トランの視線から逃げるように顔を逸らしてすっとぼける。しかし、意味はなかった。トランは短く息を吐くと、ロッソに顔を向ける。


「……ロッソ侯爵?」


 トランが名を呼ぶと、ロッソはフッと息を漏らすように笑った。


「……仕方がない。ヴァン卿、バリスタを作ってみせてくれないかね。私ももう一度見たいと思っていたところだ」


 そう言われて、良かった良かったと笑顔で立ち上がる。


「分かりました! それじゃあ一台作りますね!」


 もう色々気にしなくて良いと許可をもらったのだ。これで気兼ねなく船を好き放題に出来る。最強の軍艦を作るぞー!


 ウキウキでバリスタを一台作る。連射式ではなく、取り回しがしやすいように単発式で盾付きのバリスタだ。射程は一キロほど。左右だけでなく上下にも可動域が広い。


「これは、昨日の……」


 驚くトランに振り向き、バリスタに片手の手のひらを向けて口を開く。


「船の揺れの中でも照準が合わせやすいようにしたバリスタです。盾があるので多少の攻撃は防ぐことができます。これを側面に五十ほど取り付ければ、かなりの攻撃力となるでしょう」


「ご、五十!? こんなものを五十台も……!?」


 トランは僕の言葉に驚いてくれた。よしよし、良いリアクションだ。楽しくなってきたぞ。


「後は船橋ですね! さぁ、造るぞー! カムシン、材料取ってきてくれる?」


「はい!」


 船が大きくなって揺れが小さくなり、カムシンはかなり元気になった。大きな声で返事をして、甲板の上を走っていく。桟橋にも騎士団は待機しているので、資材の運搬はすぐに行われる。


 トランに話を聞いたところ、船橋は平屋のように平べったく作っても良いらしいが、どうせなら遠くまで見通せるように二階建てで屋上にはバリスタも設置した。重量を軽くしたので、船の重心や吃水の深さには影響はない筈である。


 これは、船造りに慣れたら本当に最強戦艦や空母も夢ではないかもしれない。まぁ、大砲も戦闘機も無いのだが。



前々から書きたかった新作を掲載しました!(*'ω'*)

タイトルは『僕の職業適性には人権が無かったらしい』です!(*'▽')

是非読んでみてください!

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