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【21・夜明け前が一番暗い】


 いきなりの、少なくともルーラにとって突然の出て行け宣言だった。

「ちょっと、それ、どういう事ですか?」

「黙っていろ」

 彼女を制したベルダネウスはオビヨンを見据える。

「私はもう用済みだというわけですか」

 風を受けて窓枠がガタガタと揺れた。まるでルーラに同調した風の精霊が異議を申し立てているように。

「君は良くやった。特にグランディスの意図を組み、わざとスケイル達の前で自分が鍵の在処を探り出したことを示し、結果、参加者達の結束を促そうとしたことは感謝する……結果は良くなかったがな」

「あれさえしなければフェリックスもあんな行動にはでなかった……かもしれません。結果から見れば、私はよけいなことをした」

「それについては何も言わん。だが、ゲームが終了した以上、君は無用の存在だ。いや、今や厄介な存在になってきている。ジェンヌが君に好意を持ち始めている。次期ボーンヘッド商会会長がだ」

「自分の立場を忘れるほど彼女は馬鹿ではありませんよ」

「立場を利用して君をつなぎ止めようとしている。彼女は今まで仕事一辺倒、男と肌を合わせたことも無いだろう。恋の経験があるかどうかも怪しい。そんな彼女が男に好意を持ち始めた。危険だ。彼女がグランディスの後継者でなかったら私も目をつぶっただろうが……」

「それだけですか?」

「どういう意味だ?」

「ここの出来事を穏便に終わらせるには、私を追い出すだけでは不十分ではありませんか」

 オビヨンは無言のままベルダネウスを見返したが、ひとつ息をつくと口を開く。

「……責任は取る」

 その静かだが揺るぎのない言葉を耳にすると、ベルダネウスは諦めたように封筒に手を伸ばした。

「わかりました。次の仕入もありますし、しばらくはメルサから消えましょう。でも、一つだけ教えてくれませんか」

「何だ?」

「あのゼクスということにされて死んだ男、あれはいったい誰なんです?」

 ルーラが息を呑み、オビヨンが睨めあげるようにベルダネウスを見た。

「あれはゼクスだ」

「違います。ゼクスに扮装させられただけの、おそらくはボーンヘッド家とは何の関係もない男です」

「奴がゼクスでないとすれば、ゼクスはいったいどこにいる?」

「どこにもいません」

 きっぱりとベルダネウスは言い放つ。

「ゼクスという人物は、今回のゲームを盛り上げるために用意された架空の人物ですから」

 その場の空気が一瞬冷え込んだようにルーラには思えた。

 オビヨンは何も言わなかった。ただじっと探るような目でベルダネウスを見ていた。

「ザン、架空の人物って。あたしたちゼクスを直接見たし、襲われたり……」

「ゼクスのイメージがつかめないと言ったのはお前だぞ」

 ベルダネウスは冷めかけた紫茶て喉を潤し

「今回のゲーム、始まりだけでなく、どういう結果になって欲しいかまでグランディスが台本を書いていた以上、そこには当然、狙っていた結末に導くための細工が施されていたはずです。舞台だけ整えて後は成り行き任せなんて、考えられない。

 彼の望んでいた結末は、私を除く参加者が手を取り合い、一つにまとまること。彼が成り行き任せにしたのは、その中心になるのが誰かぐらいでしょう。とすると、少なくとも皆が一つにまとまるための仕掛けがあるはずです。

 ルーラ、利害関係で対立していた人物を協力させるにはどうすれば良いと思う?」

 少し考えてから彼女は答える。

「共通の敵を作る?」

「正解だ。ゼクスは参加者共通の敵として用意された人物なんだ。それは当然、皆が敵対心を一時棚上げするだけの存在でなければならない。自分たちの命を狙う人物なんてうってつけだ。しかし、残念ながらグランディスさんは劇作家としては素人だ。ゼクスの動かし方がなっていない。必要な時に必要な場所に現れ、必要なことだけして消える。そのため不自然さばかり感じさせた。

 それに動機だ。自分の遺体をめちゃくちゃにしたのは憎しみがどれだけ深いのか示すにはよかったが、おかげで皆にゼクスはある程度気が晴れたのではと思われ、恐怖の対象になり得なかった」

 そこまで言ってベルダネウスはオビヨンに向き直り

「今更ですが、彼はグランディスさんにではなく、ボーンヘッド家に恨みを持つとした方が良かったですね。家族全員が憎しみの対象になるように。しかし、それではどうして今まで彼の存在が知られていないのかが疑問になりますが。

 ついでに聞きたいですが、当初は私も共通の敵の候補だったんじゃありませんか。いきなり現れた得体の知れない自由商人。事も有ろうにグランディスはそいつを気に入り、後継者の候補にしてしまった。冗談じゃないって。周囲が不自然に思うぐらい私を褒めまくって危機感をあおり……残念ながら、みなさん一介の自由商人なんてほとんど相手にしなかったみたいですが」

「お前は欲がなさ過ぎる。よりによって鍵の発見宣言の放棄期間まで言いだして。あれで他の参加者の君に対する敵対心は大きく薄れた」

 オビヨンの言葉は、ベルダネウスの推測を肯定するものだった。

「財産が大きすぎましたよ。二、三千万ディルぐらいなら私も張り切ったでしょうが、国家予算規模の財産なんて、実感が湧かなさすぎて惜しいとも思いません。

 話を戻します。ゼクスが架空の人物だとしたら、私たちが見たり、私たちを襲ったりしたゼクスは誰かが扮していたことになる。声が出せないという設定は、声を出さなくても、返事をしなくてもおかしくないようにと考えたものでしょう。ボロボロの服やぼさぼさの髪も、扮装しやすくするためのもの。そうすれば、ぼろを着て、喉に作り物の傷でも貼り付ければ彼に化けるのは難しくない。

 最初にゼクスが現れた時、どこかおかしいと思いました。喉の傷です。夏ならともかく今は冬、しかもここは海からの風が吹き付けて寒い。ところが彼は襟元をしっかり閉じるどころか開いていた。まるでこの場にいる人に喉の傷を見せつけるように。実際、それが目的だったんです。

 ではその時のゼクスは誰だったのか?

 最初に彼が現れた時、ここにいなかった人物がいます。そしてゼクスが立ち去った後に現れた」

「セバスさん」

 それはルーラも一度は考えたことだ。

「そう、あの時のゼクスはセバスさんの扮装でしょう。もちろん、地下砦で私たちの前に現れたゼクスも彼です。ゼクスが空拳の使い手というのも、セバスさんがメインのゼクスとなる故につけた設定です。万が一誰かに飛びかかられた時でも、空拳で応戦できますからね」

「でも、セバスさんがいる時でもゼクスが現れたわ。塔の時は、あたしと一緒に」

「だからメインと言ったんだ。ゼクスに化けるのは難しくない。それはつまり、ゼクスに化けるのは一人ではなかったからだ」

 ベルダネウスはじつとオビヨンを見据え

「もう一人のゼクス役はあなたですね。ルーラを参加者達の護衛として雇った初めての夜、わざと音を立てて地下に降りたルーラを矢で狙ったのはあなただ。まず、ゼクスとセバスは同一人物でないことを無意識にでもルーラに植え付けようとしたんです」

「ゼクスはセバスさんとオビヨンさんの二人一役……?」

 ルーラははたと気がつき

「でも、最後に襲ってきた時、セバスさんはあたしやロジックと一緒だったし、オビヨンさんは別荘の中でみんなといたわ」

「ゼクスは二人一役じゃない。三人一役だ」

「三人?」

「最後にゼクスに扮したのはレミレさんですね。もっとも、彼女は当初はゼクス役はしない予定だったでしょうが」

「なぜ、そんなことまでしてゼクスを出さなければならなかったのだ? あの時、まだ発見宣言はしていなかったがジェンヌが鍵を見つけたのはほぼ確実だった。ゼクスがゲームを盛り上げるための駒ならば、危険を冒してまでわざわざ出す必要はない」

「最初から順を追って説明します。異論もあるでしょうが、しばらく私に話させてください」

 ベルダネウスは大きく息を吐くと椅子に座り直し

「グランディスさんは今回のゲームを実行するにあたって、自分の望む形で終わらせるための手段としてゼクスという参加者共通の敵を配置しました。もちろん、ゲーム開始と同時に自分は死ぬつもりでしたから、ゼクスを動かすのは他の人です。

 参加者の動きを読み、ここぞという時に登場、参加者に恐怖を与え、力を合わせるよう誘導する。それをするために、彼はゼクス役としてセバスさんとオビヨンさんを選びました。そして参加者達の監視や情報収集役、そしてゼクスとして死ぬことになる男の世話役としてレミレさんを。

 つまり、ゼクスはこのゲームの主催者と審判と裏方と世話役が協力して作り上げたんです。準備は万端です。

 まずグランディスさんはゼクスの存在を知らしめるため、わざと目につくよう、自分が激しく罵るという形で彼を登場させました。とはいえ、この時ゼクスに扮したセバスさんは参加者の皆さんもよく知る人だ。へたにそばまで寄られたら気づかれる可能性がある。そこで他人が寄るのを拒み、自分が激しく対応することで強く印象づけることにした。もちろん、そこで彼がしゃべれないこともそれとなく周囲に知らせることも必要です。喉の傷をわざわざ見せたのはそのためです。

 その時の目撃者として私たちが選ばれたのは偶然だと思います。私たちでなくても、参加者であれば誰でも良かった。とにかく、グランディスと深い関わりのある、得体の知れない奴がやってきたと思わせれば良いんです。

 そして子供達があれは誰かと訪ねてきたら、ゼクスのことを説明する。自分にとっても後ろめたいことに関わりがあるということにすれば、必要最小限の話ですむ。詳しく聞かれても、うるさい黙れと誤魔化すことが自然に出来る。

 そしてグランディスさんは死にます。後はあなた方の出番だ。この時点ではグランディスと関わりはあっても、自分たちには関係ないと思っている参加者達に、自分たちも狙いに入っていることを思い知らせなければならない。

 まずグランディスさんの遺体を激しく傷つけ、ゼクスの憎しみの強さを印象づける。しかし、それだけではみんなが思ったように、ゼクスは憎しみの対象であるグランディスが死んだのを知って、不満は残っても諦めるんじゃないかと見られるかもしれない。次が必要です。

 サラさんが殺されました。

 順番から見て、これが最初の殺しかとも思えますが、私はこれは予定外の殺人だと考えます。事故に見せかけていますし、彼女を殺すことの利点が見えづらい。ほとんど私の推測になりますが、彼女は今回のゲームを面白がって、空いている時間を見つけては敷地内を調べていました。そして夜、地下砦を探索中に彼女は何かを見てしまった。その口封じのために殺されたんです。

 何を見たのかは、推測するしかありません。しかしゼクスがらみであることは確かでしょう。ゼクスの扮装用衣装でも見つけたのか、ゼクスに扮装しているセバスさんが誰かと一緒にいるところを見たのか、ゼクスが話をしているところを聞かれるだけでもまずいですからね」

「見られたのだ」

 オビヨンは残念そうに言った。

「あの男、ゼクスとして死ぬ予定の男を地下砦の隠し部屋に閉じ込めておいた。さすがに死体が見つかった時、死んですぐなのか数日経っていたのかぐらいはわかる。それを誤魔化すために、実際にゼクスが死ぬ寸前までは生きてもらわねばならなかったからな。君がバルボケットと一緒に見つけたというあの部屋だ。扉の閉め方が甘かったのか、サラは扉を開けて中にいるあの男を見た」

「殺さず黙っているよう説得するわけにはいかなかったんですか?」

「する前に死なせてしまった。さすがに慌てたが、これでゼクスが殺人も厭わぬ奴と思われたら、むしろその方が良いとも思った。

 セバスが事故に見せかけた殺しということにすれば却って不安をかき立てさせると言うので、すぐバレる工作をした。思惑通り、君はあれを事故に見せかけた殺しと判断してくれた」

「直接手を下したのは誰ですか?」

「セバスだよ。あの男に食事を持っていこうとレミレと共に降りていった時に、サラが隠し部屋に入ろうとしたのを見たんだ」

 淡々と、あまりにも淡々と話すオビヨンにルーラは息を飲んだ。殺人すら、この男にとっては役所の書類整理と同じなのだろうかと。


「次からがあなたたちにとっての本番になります。カリーナさん殺しです。

 どんなに恐ろしいと言われても、実際に自分たちに関わる被害が出なければ実感は湧かないものです。ゼクスの脅威から身を守るため、参加者が一つにまとまるには、どうしても犠牲者が必要だった。身近な犠牲者が。

 あなた方はカリーナさんを犠牲者として選び、彼女がゲームを降りて逃げようとしているのを利用した」

「逃げようとするのを待ち構えたというのか?」

「そんな悠長なことはしません。それに、あなた方にとってカリーナさんは殺す対象だったでしょうが、ヒュートロンさんはこのまま別荘で皆の料理番を務めてもらわなければならない。

 あなた方は夜、セバスさんが見張りの時にカリーナさんの部屋を訪れた。そして言葉巧みに彼女に帰り支度をさせた。どう言ったかは想像ですが、おそらくは『ゲームから降りてファズに帰ることを認める。しかし、他の参加者も弱気になって次々脱落者が出るのは困る。だから形の上は君がこっそり逃げ出したということにする。すぐに帰り支度をして出て行って欲しい』とでも言ったんでしょう。

 深夜抜け出すのは彼女も抵抗があったでしょうけれど、それよりもここから出て行くことのほうが大事だった。そしておそらくはセバスさんが帰り支度を終えたばかりの彼女の胸を矢で突き刺した」

「外でやったんじゃないの?」

「恐いもの見たさというのがある。誰かが外を見ていないとは限らないし、彼女が出て行く前にヒュートロンさんには事情を話しておきたいというかも知れない。中で身支度を終えたところを狙うほうが安全だ」

「その通りだ」

 オビヨンは落ち着き払っていた。とても罪を告発されているとは思えないほどに。

「カリーナはどうしてもヒュートロンにだけは事情を話しておきたいと言いだした。それは認められん。殺した後、奴が何を言い出すかわからないからな」

「どうしてカリーナさんは殺されなきゃならなかったんですか。彼女も参加者の一人ですよ!」

 いきり立つルーラの言葉に、ベルダネウスは悲しげに首を振り

「カリーナさんは最初から殺されることになっていたんだ」

「だからどうして?!」

「彼女がこのゲームに参加するつもりがなかったからだ。剣を六つ揃えるにしても、興味の無い彼女は誰が相手でも剣を出しただろう。

 ここでグランディスさんの矛盾した、しかし人間らしい心が顔を出した。みんなで力を合わせてという、一人一人の意思を尊重するような展開を求めながら、それに参加しようとしない意思は認めなかった。ゲームはあくまでもグランディスさんの意思に導かれる形で進み、終えなければならなかった。

 自分の用意した物語に載らず、自分の期待した生き方をしないカリーナさんに対し、グランディスさんは彼女の命を物語を盛り上げるために使い捨てることにしたんだ。ゼクスの犠牲となって死に、残った参加者に恐怖を与えるための捨て駒にしたんだ」

「あの女は、死んでやっとボーンヘッド家の役に立てたのだ」

 ベルダネウスの目尻がひくついたのにルーラは気がついた。しかし、彼は特に動揺したようなそぶりは見せず

「オビヨンさん。このゲームが始まって、私が聞きましたね。こんな遺言は有効なのかと。それに対し、あなたは実行に犯罪を犯さなければならないものであれば故人の意思を出来るだけ尊重すると言いましたね」

「責任は取る」

「言いたいことはありますが、先を進めます。あなたたちにとって、カリーナさんを殺してからの予定は特に立てていなかったでしょう、状況に応じてゼクスを出現させ、死人が出ない程度に皆を脅かすというぐらいで。まあ、多少の怪我ぐらいはさせるつもりだったかも知れませんが。

 しかし、そんなことは言っていられなくなった。フェリックスが鍵を在処を聞き出そうと審判の一人であるカーレさんに手を出した。恥知らずなんて薬まで使ってね。彼女があなたにそのことを告白するのにどれだけの勇気が必要だったでしょう。しかしあなたは、少なくとも表面上はそれを事務的に処理しようとしたのではないですか? あなたが審判団の長ではなく、父親として接すれば結果は違っていたかも知れない」

「わかったような口をきくな!」

 それはオビヨンの父としての叫びだった。ベルダネウスは顔を曇らせ

「申し訳ありません。言い過ぎました」

 素直に頭を下げた。

「事情を知ったあなたは、フェリックスがカーレさんを連れて塔に向かった時、ゼクスとなって隠し通路から塔に入った。なぜゼクスなのか? 現場を押さえてフェリックスを失格にするつもりならば、オビヨンとして現場に踏み込んだ方が良い。

 あなたは最初からフェリックスを殺すつもりだったんですね。しかし、セバスさんと違ってあなたは武道の心得はない。まともに組み合う形になったら、空拳の心得のあるフェリックスに返り討ちにある可能性の方が高い。実際、あなたは情事の最中に奇襲をかけたにもかかわらずフェリックスに逃げられた。セバスさんに任せるわけには行かなかったですか?」

「これは私の問題だ。私自身の手で始末をつけたかった。君の言う通り、審判としてならただあいつを失格にすれば良い。だが、私は父として、娘をあのような……」

 そのまま唇を堅くかみしめ、次の言葉は出てこなかった。

「ザン……あの……」

 恐る恐るルーラが聞いた。

「すると、もしかして……カーレさんを殺したのは……」

「言うな!」

 荒ぶるオビヨンの叫びがルーラの言葉を押さえ込んだ。

「それ以上は言うな。あの時、彼女は恥知らずの効果を受けていた。恥知らずの効果はすさまじい。理性が吹っ飛び、目の前の男を求める。その相手が誰であろうともな……」

 途端、ルーラは事情を飲み込んだ。恥知らずの効果は誰であろうと女に目の前の男を求めさせる。それが実の父親だったとしても……。

「そうだ……。私はカーレを……実の娘をこの手にかけたのだ。娘のあんな姿など、見たくなかった」

「それでもあなたはあの後、審判役として凜とした態度をとり続けた。ご立派です。皮肉ではなく、素直に敬意を表します。グランディスさんがあなたを審判長に選んだのもわかります」

 オビヨンは返事をしなかった。

「しかし、できればあの場はこらえてカーレさんに手をかけるべきではなかった。あれで私のゼクスへの疑惑は決定的になりました。ゼクスの存在を表面的なもので見てはいけないとね。しかしまだ確定するまでには至らなかったし、このままゲームを続けては犠牲者は増えると思いました。

 そこで私はわざと自分は鍵の場所を知っていると皆に教えたのです。とにかく事態を動かし、それに対するゼクスの出方から彼の正体と目的を探ろうと思いましてね。

 ただ、私が狙われたのには正直驚きました。私はグランディスの子供ではないし、鍵の在処を知っている人ならば、私は鍵を取り出せないことはわかる。少なくともフェリックスとあの時点のロジックさんが私に剣を渡すことはないでしょう。私を目障りと感じても殺すのが得策とは思えない。悩みましたよ」

「今もかね」

「一応答えは出ました。正解かどうかはわかりません。動きから、あの時のゼクスはセバスさんでしょう。後継者はグランディスさんの子供でなければならないと考えた。条件によっては皆を懐柔できるかも知れないですからね。私を殺そうとして失敗したのか、単なる警告かはわかりませんが」

 オビヨンが小さく笑った。それがベルダネウスの答えが正しかったのか、的外れだったので思わず笑ったのかはルーラにはわからなかった。

「そして、事態はどんどんあなた方の予定とはズレ始めた。一番頭を抱えたのは、爆薬をフェリックスが発見、持ち出したことでしょう。あれはおかしかった。戦時中から残っていたにしては、あれだけの破壊力を維持できたとは思えない。ここの改築に使ったのならば、全て持ち帰るはずだ。物が物だけに、管理はしっかりしていたはずだ。一本とかならまだしも、あれだけ大量の爆薬が残っているとは考えられない。しかも置かれていたのは明らかに隠し棚だ。ゼクスが潜んでいたという隠し部屋といい、おかしすぎる」

「どこがおかしいかね?」

「あの爆薬が戦時中に使われていたものならば、敵を見つけた時すぐに使えるようにしてあるはずです。それをあんな見つけにくいような隠し棚に置くはずがない。砦で兵の武器を取り出しにくいところに保管しておきますか? 工事に使われたとしても同じです。見つけにくい場所ではなく、使いやすく、管理しやすい場所に置くはずです。

 あの隠し部屋となるともっと変です」

「なぜだ。砦に隠し部屋はつきものだろう?」

「冗談は止めてください。隠し部屋というのは危険が迫った時、自分が身を隠すために用意するものです」

 ルーラが頷き、彼の言葉を引き継いだ。

「隠し部屋が有効なのは、迫る危機が一時的な時です。ある程度時が過ぎれば危険は去る。あるいは味方がやってくる。要するに時間稼ぎです。でも、戦の砦で隠し部屋にこもる時ってどんな時なんです? 多くの敵が突入してきた時ですよね。壁を作って敵を食い止めるのとは違います。隠し部屋は予め用意しておくものです。大事な書類などを隠すための棚ならまだしも、あんな、人が数人身を潜めるためだけの部屋を砦に作っておくなんて考えられません。隠し部屋を作るぐらいなら、外に逃げる抜け穴を掘ります。

 今ならあたしにもわかります。あの部屋は、ゼクス役の人を閉じ込めておくために作ったものなんですね」

 ベルダネウスが静かに手を上げてルーラを制し、再び話し始める。

「爆薬に話を戻します。あれはあなた方がゼクスの最期用に取って置いたものでしょう。あれだけの量ですから、別荘ごと吹き飛ばすつもりだったんですか。

 それはともかく、爆薬でボロボロの私たちをフェリックスが襲ってきた時に現れたゼクス。あれに限れば私たちは彼に御礼を言わなければなりません。動きからして、あれもセバスさんだったんでしょうけど、私たちを助けるためだったらセバスさんのままで良かったはず。ゼクスに扮していたところを見ると、フェリックスを殺すつもりだったんですか?」

「奴と話し合い、フェリックスは処分すべきという結論になった。ロジックもあのまま奴に協力し続けていたら同じく始末しただろう」

「ロジックさんは殺さないでくださいよ。確かに今の彼は……何ですが、十年後が楽しみです」

「ずいぶんと奴を気に入ったようだな」

「気に入ったというか……彼は自分が落ちていくの気がついて、最後の最後で踏みとどまった。その姿が無様に見えるのを承知の上で。私なんか、落ちたままというより、自分が落ちていくのにも気がつかずに、気がついた時には最低の最低でした。無様ながら必死であがく彼の姿、私にとってとても眩しく、羨ましかった。私が出来なかったことを彼はやっている」

 目を伏せる彼をルーラは唖然と見た。

「彼は諦めの悪さを見せ、とことんあがいて這い上がって欲しいものです」

「そうか。ロジックの罪は出来るだけ恩赦を与えるよう進言しておこう」

「ありがとうございます」

「礼はいらない。それよりも話を続けろ」

「わかりました」

 ベルダネウスは姿勢を正し

「スケイルさんの死は残念でしたが、ジェンヌさんが鍵の在処を知ったことで、このゲームの終わりは見えました。あとはゼクスの始末をどうつけるかです。この問題を終わらせるためにも、あなたたちはどうしても彼の死体を用意しなければならなかった。

 私たちがカブスさんの遺品を持って、ボーンヘッド家のことを表面上一通り調べただけでセバスさんが嗅ぎつけて接触してきたんです。あれだけ特徴のあるゼクスがボーンヘッド家のことを調べたり、この別荘のことを調べたりしていたらすぐにわかるでしょう。にもかかわらず、誰もそれに気がつかなかった。それほどの男が生きているかも知れないとなったら、落ち着いていられませんよ。

 それに、万が一にでもゼクスが架空の存在であることが知られたら。別荘の改築に関わった人達から、あの隠し部屋や隠し棚が改築によって作られたとわかるだけで大きな疑惑になります。ゲームの結果に不満を持っている人達はそれを手がかりに真実を見つけ、ゲームの無効を訴えるかも知れない。

 それらを防ぐためにも、どうしてもゼクスの死は確定させる必要があった。彼の死体が必要です。

 爆薬はその演出のために用意したのでしょう。爆薬の衝撃と傷ついた死体は、多少の疑惑など吹っ飛ばしてしまう。そして何より『奴は死んだんだ。今更ほじくり返して何になる』という言い訳が使える。

 ただ、爆薬をフェリックス達が見つけたのは誤算だったでしょう。最初の数を知っていたあなた方は、彼が爆薬をいくつかくすねたことにも気がついた。さぞかし焦ったでしょうね。でも、結局はフェリックスを始末し、爆薬もある程度取り戻せた。

 後はゼクスの死を演出して終わりです。

 ただ、あの騒ぎで予定していた死に方が出来なくなっていたのではないですか? それで急遽別の死に方を仕掛けた。

 そう思いたくなるぐらい。最後の襲撃はおかしなことだらけでした。

 爆薬があるのにどうして弩で攻撃したのか? 矢なんか使わなくても、爆薬を放り込めば良いのに。

 どうして外から攻撃したのか。別荘は崩れて人も減った。機会を待てばつけいる隙はいくらでもあったはずです。

 どうして塔に閉じこもったのか。塔に入ったら地下砦なり何なりに逃げれば良いのに。まるで自分の居場所を私たちに教えているようでした。

 ゼクスに扮したレミレさんは、ルーラ達を牽制しつつセバスさんが来るのをじっと待っていたんです。塔の最上階にゼクスとなる男の死体を用意してね。長引けば、自分が別荘にいないことがバレてしまう。内心焦っていたでしょう。

 そしてセバスが塔に入ると、彼と入れかわるようにして塔をでた。塔に閉じこもれば、地下砦からの出入り口を使って突入するという作戦は、最初からの予定でしょう。セバスさんが外で囮役になるか、地下砦から入るにしろ、隠し通路から塔のてっぺんに行くか、地下から入るかは事前に合図を決めておけば良いし、対応する人を考えれば、ルーラとセバスさんが囮と地下砦からの突入係で別れるのはほぼ間違いない。

 もちろん、セバスさんは自分が地下砦からの突入役になることを優先して考えます。囮は派手な方が良いから、ルーラに囮役をお願いするのは自然だし、自分が隠し通路に入ることにするのは簡単でしょう。実際は彼が言うまでもなく、ルーラ側からそれを提案したわけですが。

 レミレさんはセバスさんが来るまで、ひたすら突入を防げば良い。そして彼が来たら入れかわるように出て行く。

 あとはセバスさんの一人芝居です。爆薬でゼクスが爆薬で死んだことにすれば、遺体にいくらか不自然なことがあっても爆発のせいだと気にされない」

「でも、それだとどうしてセバスさんも死んだの?」

 ルーラが異議を唱えた。

「まさか、爆薬の扱いを間違えて自分も死んじゃったなんて言うんじゃないわよね」

「それなんだが、正直、私にもわからない。状況から考えて、セバスさんは自分も死ぬつもりで爆薬を使ったとしか思えない。塔が倒れたのは偶然かも知れないが……どうしてそんな結末を選んだのか」

「それは君のせいだ」

 事も無げにオビヨンが言った。

「セバスは君が事の真相に気がついたらしいと言っていた。そこでゼクスの存在を確実なものにするために、君の目を誤魔化すためにも自分が死ぬ必要があるとな。結局は無駄だったがな」

「そんなことのために自分の命を捨てたんですか!?」

「そんなことのために命を捨てる者もいる。そんなことも知らないのか」

「私の口を封じるという選択肢はなかったんですか?」

「そんなことをすれば却って不自然になるとセバスは言った。それに君の死はボーンヘッド家には良くないとな。君はたいしたものだよ、ジェンヌやロジックの信頼を得、グランディスのやろうとしたことを理解して、協力するようなことをして自分の身を守ったのだ。

 それに、セバス自身、フェリックスやスケイルを死なせたことの責任を感じていた。特に爆薬を見つけられたことに関してはな。奴なりに責任を取るつもりだったんだろうな」

「そうです。爆薬です。どうしてゼクスの死にそんな派手な方法を選んだんです?」

「君自身、今言ったろう。ゼクスの遺体を傷つけるためだ。ここに連れてくる先に声を出せぬよう喉を切ったがとやはり新しい傷だからな。見慣れた人が見れば疑問を抱く。

 そして派手な、衝撃的な手段を用いることによって生き残った者達に生じるであろう疑問を吹き飛ばすため。不審に思うことがあっても、相手が死んでしまったのだから仕方がないと諦めさせるのだ。しかし、一番の理由は」

「……冒険小説ですか。あの手の作品は、とかく最後は派手ですからね」

「その通りだ。どのような形にしろ。ゼクスの死を見せるとなければそれはゲームのクライマックスだ。ある程度派手でないとな。

 最初の質問にも答えておこう。ゼクスとして死んだ男の正体だが、八人を殺した罪で拘留中の罪人だ。すでに死刑判決が確定し、ここに移動する前日にそれは執行された。ということに書類上はなっている。そいつを引っ張り出した。同じ死ぬなら、少しは人の役に立つ死に方をさせてやろうと思ってな」

「どんな人間でも、死ぬ時は自分でありたいものですよ」

「罪人の気持ちなどいちいち考えていてはキリが無い。人が罪を犯す時、いちいち相手のことを考えるか?」

「人は誰でも罪人です。あなたも」

「そうだったな」

 オビヨンの口元が緩んだ。

「最後に一つ聞かせてください。どうしてもっと多くの人に協力を頼まなかったんですか? 例えばこの別荘の外にセバスさんの仲間を配置して、その人達にゼクスを演じさせれば。いや、ゼクス役の人をその人達に世話させるだけでもずっと楽になったはずです。

 私は一時、参加者五人を除く全員が共犯なのではと考えましたよ。

 サラさんの死は、単なる事故死。カリーナさんの死については、実はヒュートロンさんには別に恋人がいたが、彼女とは別れたかったが今後のことを考えると自分から別れるわけにはいかなかった。そこへ今回の計画を聞かされ……という風にね」

「その考えを捨てたのは賢明だったな。これはあくまでもグランディス個人の計画なのだ。巻き込むのは必要最小限に止めたいというのが彼の考えだったし、私たちも同じだった。私とセバス、そしてレミレは必要最小限の人数だったのだ。もちろんそれによっていろいろと苦労はしたが、それでも他人を巻き込むつもりはなかった。

 それに、君はカリーナの死は計画の内と言ったが、その前に鍵の場所がわかれば中止するつもりだった。

 鍵の場所さえわかれば、後はいかにして他の参加者を説得するかだ。ゼクスを出す必要はない。遺体を滅多刺しにすることで満足し、どこかに行ってしまったということにすればいい。あんな書き置きを残したが、子供達に罪を求めるのは間違いだったと思い直したことにしてな」

「グランディスさんは、もっと早く鍵の場所は皆にわかると思っていたんですね」

「ジェンヌも言っていたが、そのためにグランディスは様々なヒントを残している。まさか鍵探しだけでこれほどの日数を費やすとは思わなかった。もっとも、その過程で皆を説得するという障害がなくなったがな」

「そうね。フェリックスなんか説得できそうにないもの」

 ルーラの呟きに、二人は揃って首を横に振る。

「逆だ。奴のように名より実を取るタイプは説得しやすい。例え商会から追い出されることになろうとも、その後の生活が保障されれば受け入れるだろう。

 スケイルさんとジェンヌさんは、その後の商会のことを考える。商会のためになれば多少悪い条件でも呑むだろうが、商会にとって災いになると考えれば、良い条件を出されても拒否するだろう。

 カリーナさんはよほど無茶な条件を出さない限り受け入れるだろう。私も同様だ。

 説得という点では、一番の難物はロジックだ。ゲーム開始時点の彼はフェリックスとは逆で実より名を取る。いくら実を用意しても、周囲から勝者と見られるものがなければ受け入れないだろう」

「でも、ジェンヌさんの時は素直に剣を出したわ」

「変わったからだ。そう言う意味では、このゲーム一番の功労者はルーラ、お前だ」

 言われて彼女は首を傾げ

「なんで? あたし、何かしたっけ?」

「いや、わからなければいい」

 ベルダネウスたちはそろって苦笑いした。

「一つ聞こう。なぜこのことをグランディスの遺体の前で言わなかった? ジェンヌ達に聞かせたくないわけでもあるのか?」

「理由や過程はどうあれ、それなりに納得できる結末になりましたから。無理にかき乱す必要は無いかと。それに、ヒュートロンさんが心配でした」

「彼が?」

「彼は遺言に基づき、分配された遺産と土地で自分の店を開きます。カリーナさんが殺された意味を知ったら、彼は意地でも遺産は受け取らないでしょう。彼の腕を振るう場所が消えるのは私も寂しいし、カリーナさんも望まないでしょう。

 そして何より、真実を隠すことによって何か問題が起こるのか? です。あなたたちは彼女を殺した責任は負うんでしょう。真実隠しの最大の問題は、罰せられるべき人間が野放しのままになることです」

 最後の言葉には棘があった。

「わかっている」

「それと、こういうのも何ですが、私はどうしてもグランディスさんを憎めないんです。カリーナさんとゼクスの身代わりとなる男を殺す前提の遺言を残し、子供達にこんな争いをさせた張本人にもかかわらずにね。

 彼は彼なりに必死にあがいていたんです。なりたかった自分になるために、それで出来ないと悟った時、出来るだけそれに近い人間になるようにあがき続けたんです。結果はこんなんでしたけど」

 オビヨンは立ち上がり

「これで失礼する。いろいろとやらねばならぬ事が出来たのでな。そうそう、先ほど君にすぐにメルサを出ろと命じたが、撤回する。出来ればこれからはメルサでジェンヌ達を助けてやれ」

「それは無理です。私は自由商人ですから」

「これからもか?」

「できる限りは。何しろ、自由商人は私のなりたかったものですから……忘れていた時期もありましたが」

「羨ましいな。なりたかったものになれたというのは」

「あなたにだってあったでしょう。子供の頃になりたかったものが」

「もちろんあった。秘密だがな」

 そしてオビヨンの姿はドアの向こう側に消えた。


 その後、オビヨンはヒュートロンの部屋を借りて書き物をした。ヨロメイ宛に今後の処理についての指示書や、役所にグランディスの遺言の結果とそれによる今後の具体的な処理など。

 最後に自らの辞表を書き上げると、書き終えた書類の束の上に置いた。

「終わりましたか」

 レミレが熱い紫茶を持ってきた。

「ああ、後はファズの部下とヨロメイに任せる」

 熱い紫茶を口にする。甘酸っぱい味と共に暖かさが喉から腹、そこから全身に広がっていき、疲れを癒してくれる。

「これはうまいな」

「ケルマン産の一級茶です。最後に皆さんで召し上がろうと思っていたのですが」

「すまんな」

 ゆっくりと目を閉じ、紫茶を堪能する。

「ベルダネウスも、お前の正体はわからなかったようだ」

「私の正体など、どうでも良いことで。私も戴いてよろしいでしょうか」

「遠慮はいらん」

 レミレも自分の分の紫茶を入れ、ゆっくりと味わった。

「オビヨン様、今でも私は、ベルダネウス様とエルティース様はカブスが自分の代わりによこしたものだと思っているのですよ」

「遺品を届けに来ただけだ」

「お二人ならばきっと届けてくれると見込んだのでしょう。そしてこの家に起ころうとしている災いをきっと払ってくれると信じたのです。あの子は、あれで人を見る目はありましたから」

「本当はカブス本人に戻ってきて欲しかったんじゃないか」

「すぐに会えます」

 空になった紫茶を盆に置くと、二人はゆっくりと立ち上がる。

「お前は付き合う必要はない。ファズに戻りボーンヘッド家を支えろ」

「私だけ罪から逃れようとは思いません」

 彼女は悲しげに微かに震える自分の手を見つめた。

「あの時、落ちていた剣でサラを殺してしまったこの手を……。どうして事情を話そうとしなかったのか、あの時はただ、秘密を守ることだけを考えていました」

「カリーナを殺す打合せの後だったからな。邪魔者は殺すという考えが残っていたのだ。お前に剣を握らせたのは、私たちの言葉だ。ベルダネウスにも、サラを殺したのはセバスだと言っておいた。それを否定する証拠はない」

「私の胸に証拠が残っています。隠し扉をもっとしっかり閉めておけばよかったのです。そのためにあんな元気な良い子をこの手で殺すことになってしまった」

 二人はコレクションルームを出ると、そのままランプを手に地下砦へと降りていく。

 地下砦の石弩台跡で一番高いところに出る。冷たい風と激しい波の音の中、水平線が明るくなり始めた。

「夜明けか」

「まいりましょう。夜明けの光は若い人達を照らすものです。私たちは少々年を取り過ぎました」

 二人はゆっくり頷き合うと、手を取り、そっと抱き会う。

 朝日が照らす中、一つとなった影が崖から海の波間へと飛び込んでいった。


(続く)


 次回更新予告「エピローグ、馬車一台分の荷物」

 ファズに戻った一同のそれから。

 レミレの正体がジェンヌの調査で明らかになる。

 スケイルの死について、彼の妻と娘からロジックは責められる。

 ファズを去るベルダネウスとルーラに、ジェンヌとロジックは贈り物をする。

 これで本エピソードは終わる。

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