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7節 採用試験6 地下墓地第一講堂前通路2

 1体のスケルトンが1歩踏み出すと同時に長い槍を突き出してくる。

 咄嗟にランタンシールドで受け流す事に成功したが反撃を防ぐかのように別のスケルトンが襲ってくる為、反撃する事もできず徐々に後退している。


 鎧がミスリルで出来ている以上、あの槍もミスリル製だと思ったほうがいいだろう。

 売れ残りとか言ってすいませんでした親方。このシールドじゃなかったら一発貫通して終わってたかも・・・


 そんな事を思いながらも攻撃を捌いていたが全てを受け流す事は出来ずに、鎧やグリープはボロボロだ。

 致命的な傷を負ってないのが救いでもある。

 だが、これ以上後退すると最初の下り階段まで戻ってしまう・・・


 戦闘中にそんな余計な事を考えたせいかスケルトンの攻撃に反応が遅れた。

 顔目掛けて突き出された槍はシールドで弾く事も間に合わず、咄嗟に首を曲げて躱したが慣れないヘッドギアの厚みの分だけ避けきれなかった。

 運悪く留め具に当たってしまったヘッドギアは弾き飛ばされてしまう。

 ランタンシールドの灯りの外まで弾かれたヘッドギアはこの状況ではもう回収できなさそうだ。


 ・・・出直そう

 装備も失なった以上、対策を考えて出直すべきだ。


 ランタンシールドを構え直し、積極的に後退を始める。


 ・・・?


 その瞬間にスケルトンの動きが変わった。

 先程までの積極的な侵入者排除の行動が止まる。

 どのスケルトンも構え自体は解いていないが、槍の穂先を上げている。

 カタカタを関節の骨が鳴り、鎧の擦れる音が響く。

 

 入口までは、まだ距離がある。今のうちに背中を見せてでも、全力ダッシュで逃げるか?

 一瞬、後方を確認して欠伸をしている監視員を見てしまった。


 ・・・逃げたら減点とかあるのかな?自力で戻れたら戻ってもいいって言ってたよな?


「あの・・・クーデルカ・・・様?」

「ん?何か?」


 視線を前に戻して質問する。


「一旦出直そうと思うんですが、ここから全力で走って戻っていいですか?」

「それは別に構わないけど・・・」

「・・・減点とかですか?」

「いや、そうじゃなくて・・・」


 歯切れの悪い言葉にもう一度、後ろを確認する。

 クーデルカ様は前方を指さしており・・・


「待ってるみたいよ」


 再度、前を見た時には先程までのスケルトンの列が無くなっていた。

 正確には横一列の隊形を崩し、通路の中心に向けて2列になり向かい合って並んでいた。

 全てのスケルトンが体の正面で槍を両手で持ち穂先を真上に向けている。

 まるで、通路の警備をする兵士のように・・・


 ・・・さっきまで、こんな隊列になってなかったよな・・・?

 一瞬、目を離しただけで瞬間的に動いたのか?

 その動きが出来る事に脅威を感じればいいのか。この動き自体に恐怖を感じればいいのか・・・


「どうするの?」


 硬直した自分にクーデルカ様が聞いてくる。


「どうするってそりゃぁ・・・無くした装備も整えたいですし・・・」


 その瞬間、一番手前のスケルトンが此方を向く。

 そのまま、一人隊列を抜け壁際の暗闇に向けて歩いていった。


 ・・・怖いわっ!


 そして、また鎧と骨の音を出しながらさっきのスケルトンが戻って来た。

 片手に自分のヘッドギアを持って・・・


 自分に向けて近づいてくるスケルトンに対し、武器と盾を構えて様子を見る。

 目の前まで来たスケルトンは片手でヘッドギアを差し出してきた。


 恐る恐る受け取るとそのスケルトンはまた元の位置へと戻っていった。


「なんなんだよ・・・」

「さっさと来いって言ってんじゃないの?」


 でも、これ行ったら囲まれるのでは・・・・

 受け取ったヘッドギアを付けながらそう考えていると盛大な音が響いた。


 ガンッ ガンッ ガンッ


 並んだスケルトン達が、一斉に手に持った槍の石突を地面に叩きつけていた。

 まるで早く行けと煽るかの様に・・・


 ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ

 ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ

 ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ ガンッ・・・


 行けばいいんだろ!?行けば!?

 通り過ぎた後で槍でグッサァッ!とかしたら死んだ後、自分もスケルトンになって復讐してやるからな!?


 スケルトン達の間を恐る恐る進む。

 後ろから襲われる事を心配したが、杞憂だったようだ・・・


 ・・・いや、この状況で杞憂ってのもおかしいような・・・

 後ろを注意しながら歩いていると、さも何事もないかのように歩いてくるクーデルカ様が見える。




 ・・・・・・これ、仕込まれてる?

 このスケルトンを操っているのか・・・襲われても問題ないのか・・・

 ・・・緊張感で忘れてたけど、これ採用試験だよな。

 試験だとしたら、こちらが死なないように調整されてるのか?


 そんな事を考えながらスケルトンの間を歩いていると1枚の両開き扉に辿り着く。

 

 ここが最初の講堂かな?

 スケルトンは相変わらずガンガンしてるから、そうなんだろうなぁ。


 意を決して自分は扉を開いた。

ヴァイト 残金:金貨4939枚 銀貨48枚

     冒険者ランクE


  状態 ヴァイトは仕込みと判断して気を抜いた。


 スキル 浄化系魔法

     一般的な武具取り扱い


装備品

     頭:ミスリルのヘッドギア    ☆2 店売り

     体:中古のレザーアーマー改   ☆2 店売り改造品

     右手:ミスリルメイス     ☆2 店売り

     左手:ミスリルランタンシールド ☆2 特注品

     足:ミスリルグリーブ      ☆2 店売り


雑貨  背負い袋

    携帯食料等

    水+携帯用皮袋

    種火用火打石セット

    止血用麻布


評価  退治したスケルトン0体

    もっとがんばりましょう。

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