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6節 採用試験5 地下墓地第一講堂前通路

「ところで」

「なんですか?」


 アリシアが引き留めるかのように聞いてくる。


「武器用意したんですか?こちらでも用意しておきましたが?」

「取り敢えずは自分で準備した物を使おうかと」

「まぁ、こちらとしては構いませんが。必要になったら言ってくださいね。ただ、受け取りにはここまで戻ってきてもらいますが」

「・・・分かりました」


 すっげぇ気になるけど、その机の上に置いてあるメリケンサックとナイフじゃあるまいな?

 用意しておいて良かった。マジで。

 裏路地でケンカするんじゃねぇんだぞ・・・

 ・・・いや、そのレベルの内容なのか・・・?

 ちょっと気が楽になった気分だ

 それはそうと・・・


「・・・あの自分も質問いいですか?」

「試験内容では無い事と答えられる範囲でよければ」

「その後ろに並んでる大量の墓石と、それを吟味してるクーデルカ・・・様は一体?」


 一応、上司の可能性がある事を思い出した。

 それにしても、アリシア様の後ろに一定間隔で並んでいる墓石とそれを1個づつ確認してるクーデルカ様はなんなんだろう


「・・・必要ないといいですね?」


 自分の墓石と言う意味じゃなかろうな・・・ジョークだよな、流石に。

 深く聞くのは辞めておこう・・・

 そんな事を考えていると、クーデルカ様が墓石の確認が終わったのかこちらへ歩いてきた。


「それじゃ行きますか」


 そういや、後ろから一緒に来るんだっけ・・・


 アリシア様が昨日と同じようにベルを鳴らすと壁が開く。

 深呼吸して気持ちを切り替える。

 気持ちを落ち着けて準備に入る。

 背負い袋から火打セットを出してランタンシールドに火を入れる準備をする。


「・・・何してんの?」

「え?ランタンに火を入れてるんですが?」

「いや、そうでなくて貴方は魔法使えるって聞いてたんだけど?魔法使えば?」

「・・・?火の魔法なんて使った事ないですよ?」


 2人の少女が顔を見合わせる。


「・・・そこからかぁ」

「私達が教えるんじゃないわよね・・・?」


 すいませんねっ! 使えなくてっ!


「・・・まぁ、頑張って種火でもなんでも作って・・・」


 諦めやがった・・・



 その後、ランタンシールドに火を入れて地下への階段を下っていく。

 それなりに長い階段を降りきり通路を進むと、入口から差し込む光も減りランタンシールドの光だけが辺りを照らす。

 ランタンシールドの光は十分とは言えず、通路の左右に安置されている棺桶が見える程度のものだった。

 通路に散らばっている砂利を踏む音と自分の呼吸の音だけが聞こえてくる。

 いつ襲われても良い様に、メイスとランタンシールドを構えて進む。まぁランタンシールドはどの道、周囲を照らす為に構えてる訳だが。

 視界も少なく僅かな音が響く様な静寂の中、自分は今までに無い緊張を味わっていた。


「薄暗いからって私に襲い掛かって来たら地獄を見ると思いなさいよ?」


 ・・・過去系で。どっか飛んでった緊張感・・・

 薄暗い中で黒を基調とした服装してたらどこにいるか分からねぇよ・・・


「すいません、集中してるんでそういう冗談は遠慮して貰っていいですかね?」


 そんな事を話していると前方からカタカタと硬いものが擦れる音が聞こえる。

 息を潜め、気を引き締める。

 光の届く範囲に、入って来たのは鎧を着て槍を持った動く骨の集団だった。


「・・・スケルトンか」


 メイスを握る手に力が入る。

 ・・・と言うかこれ不味いのでは。

 通路いっぱいのスケルトンが、自分の身長より長い槍を構えて一列に並んでるんだけど・・・?

 近づけなくない?

 浄化の魔法でどこまで減らせるか・・・

 隙を見せぬように武器を構えながら魔法を唱える。スケルトンも歩みは遅いが、徐々にこちらへ近づいて来た。

 あと一歩、近づいたら相手の槍が届くと言った所で詠唱が完了する。

 

「浄化《ピュリファイ》っ!」


 咄嗟にランタンシールドをずらし、メイスを指で挟み通路を塞ぐスケルトン共のど真ん中に魔法を放つ。

 騎士修道院で、散々お世話になった魔法だ。絡んできた奴を返り討ちにした後に服を綺麗にして痕跡消したりとかなっ!アンデット相手には良く効くだろうっ!

 浄化《ピュリファイ》の光は中央のスケルトンに向っていき不浄なアンデットを綺麗サッパリと浄化してくれるはず。

 油断無く構え直して、その時を待った。



 魔法は真ん中のスケルトンへと向かい・・・その着ている鎧に弾かれて消えた。


「・・・はい?」


 思わず気の抜けた声が出てしまった。


「ブフッ」


 後ろから噴き出す声が消えたがこっちはそれどころではない。

 え? 何が起きた? 弾いた? 魔法を?


 ・・・ミスリルアーマー!?嘘だろ!?おい!?

 なんでスケルトンがそんな物着てんだよ!?


 こっちの動揺を他所に、魔法を弾いた鎧を気にした様子もなくスケルトン達はこちらに近づいていた。


 こ、この試験難易度高くない!?

ヴァイト 残金:金貨4939枚 銀貨48枚

     冒険者ランクE


  状態 ヴァイトは混乱している。


 スキル 浄化系魔法

     一般的な武具取り扱い


装備品

     頭:ミスリルのヘッドギア    ☆2 店売り

     体:中古のレザーアーマー改   ☆2 店売り改造品

     右手:ミスリルメイス     ☆2 店売り

     左手:ミスリルランタンシールド ☆2 特注品

     足:ミスリルグリーブ      ☆2 店売り


雑貨  背負い袋

    携帯食料等

    水+携帯用皮袋

    種火用火打石セット

    止血用麻布

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