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10節 採用試験9 自分の在り方2

「・・・なんだこれは・・・」


 カウンターの上に積まれた装備品だった物を見て、武器屋の親方が呟いた。

 礼拝堂を出た後、自分は残骸を持ち歩くのが嫌だったので直接武器屋に赴いた。


「・・・装備品だった物です」

「半日も経ってないんだが!?」


 カウンターに置かれた装備品の数々は酷い有様だった。

 ヘッドギアとランタンシールド、メイスは綺麗に割れ、身に着けている皮鎧やグリープはボロボロの有様だ。


「これって買い取れます?」

「元はうちで売った物だから、ただのミスリルとしてなら買い取るが、溶かすにしても直すにしても手間賃分は引かせてもらうぞ?」

「かまいません。お願いします」

「それにしても、何したらここまで壊せるんだ?」

「採用試験ですね」

「どんな試験だよ、ミスリル真っ二つじゃねぇか・・・よく生きてたな」

「試験で死んだら洒落になりませんからね」


 ・・・という事にしておこう


「アンデットと戦うんじゃなかったのか?」

「まぁ、試験内容が始まるまで分からなかったので仕方ないですよ」

「メイスじゃぁまずかったか・・・すまんな。まぁ仕事は他にもあるから落ち込みなさんな」

「・・・?まだ落ちたわけではないのですが」

「採用されたのか?」

「・・・そういうわけでもないのですが」

「なんなんだそれは」

「まだ試験続行中で」

「おいおい、いいのかよ!のんびりしてて!」

「代わりの装備をと思ってたんですが時間も時間なので、注文だけして明日取りに来ようかと」

「急がないのかよ、本当にどんな試験なんだ・・・」


 呆れた親方に装備の残骸を買い取って貰い、新しい装備を見繕って貰う様お願いしたが・・・


「うーん、それにしてもどうする?ミスリル製の装備以上のモンなんてここにはないぞ?」

「自分は詳しくないですが、ミスリル以上ってどんなものがあるんです?」

「そうだなぁ・・・」


 親方が顎を手で掴み考え始める。


「硬さだけとかで比較するなら材質の問題だからなぁ、魔物の素材の中でもドラゴンの鱗とか骨とかだな」

「それは無理ですね。金属では?」

「諦めるのが早いな・・・志を高く持てよ・・・そうだなぁ、歴史に名が残るような金属・・・と言えば分かるか?」


 オリハルコンとかかな。


「そこまで必要になるんですか・・・」

「単純にミスリル以上と言うよりかはミスリルを真っ二つにするような奴を相手にする装備という意味も含めてるがな?」

「せめて武器だけでもどうにかしないと困るのですが・・・」

「選択肢は多くないぞ?さっきも言ったが店には無いからな。材料を仕入れて1から作ってもスムーズにいって6日は掛かるからな。それも材料がすぐに手に入る事が前提だ。今ある商品を使って自分の腕前でどうにかするか、名が残るような鍛冶師が作った武器でも買い漁るか・・・」

「何か心当たりはないですかね?」


 これはもう親方だよりだな


「心当たりって言ってもなぁ・・・南の方で暴れてるネームドモンスターがドラゴンだったような?ギルドが討伐に成功すれば素材も出回るだろうが何時になるかは分らんな・・・試験期間はいつまでなんだ?」

「今日を含めて7日間」

「無理だな」


 うーん・・・困った。

 防具は最悪、何を着ていても無駄そうだからいっそ諦めもつくんだが、攻撃手段は確保しておきたいなぁ・・・


「逆にお前さんのがないのか?コネとか、そういうのを持ってそうな貴族とかさ」


 頭の中に、2人の怪しい少女が思い浮かぶ。

 どうみても用意してあったのはナイフなんだよなぁ・・・


「無くも無いですが・・・あってもナイフとかの可能性が高いんですよねぇ・・・」

「ナイフじゃダメなのか?」

「言ってませんでしたが、相手は大剣使いです」

「お前のコネがどんなもんかは知らんが、そのナイフがものすごい材質で出来ていれば大剣を受ける事位はできないか?」

「・・・それは何とも・・・」


 ぶっつけ本番でナイフで大剣受け止めるとかはやりたくないな・・・


「あとはギルドに買い取りを出すとか、持ってる奴がいればいいがな」


 無理そうだなぁ・・・

 

「一度、宿にでも帰って落ち着いたらどうだ?ここで悩んでも仕方がないし、どの道行動するにも今日は遅いだろう」

「・・・そうですね」

「引き取り分は明日でいいか?」

「えぇ、構いません」

「一応、武器の件は考えとくが、お前さんも自分で使いやすい武器位考えとけよ?」

「・・・そうですね」


 まだ宿に行くには早いし、ダメ元でギルドに寄ってみるか・・・

 そういえば・・・


 入口の前で振り返り、親方に声をかける。


「親方、知ってたらでいいんですが最近、集団墓地に埋葬された方ってどんな人がいたか分かります?」

「あ?あー・・・すまんが、わからねぇ。と言うよりもまとめて運ばれてくるからな・・・運んだ人間も把握してないかもしれんぞ?俺に分かるのは騎士団の殉職者は結構運ばれて来てるな。あいつらは騎士団の紋章が入った布とかに来るまれてくるからな・・・見分けがつくんだよ・・・」

「なんでわざわざここまで運んで来るんですかね?」

「騎士団のお偉いさんも入れ替わったって言うじゃないか。今は前の団長と折り合いの悪かった方が団長の座についたとか・・・自分の目に付く所に置いておきたくないんじゃないのかね?」


 ・・・だとしたら


「まさかとは思いますが前団長も?」

「あぁ、だいぶ前だが運ばれてきたぞ。少数の部下と一緒にな。噂じゃ国王に進言したらしいな。『侵略を辞めて、先に国内の安定を優先すべきだ』とな。その結果が反逆者扱いで遺体すら集団墓地行きさ」

「そうですか・・・有難う御座います」

「おい、まさかお前の相手って・・・」


 親方の質問を背に受けて店を出る。

 やはり、あのアンデットは・・・元騎士団長なのかな・・・


 確か、名前は・・・

ヴァイト 残金:金貨4939枚 銀貨48枚

     冒険者ランクE


 スキル 浄化系魔法

     一般的な武具取り扱い


装備品

     頭:

     体:普通の服 ☆0

     右手:

     左手:

     足:普通の皮靴 ☆0


雑貨  背負い袋 傷物

    携帯食料等 

    水+携帯用皮袋

    種火用火打石セット

    止血用麻布

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