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天使のハシゴ  作者: 勇貴
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第1話  約束

俺は高野裕輔たかのゆうすけ17で高校2年。

成績は並で特に何かが得意なわけでもない。

好きなものは昼寝、嫌いなものは・・・トマト?


「裕輔、起きてるの?起きてるなら早く朝ごはん食べてちょうだい」

「わかったよ。今行くから」


母は富子とみこ専業主婦でおしゃべりが好き。

今日から2学期が始まる。

夏休みは何してたんだろうな。わかんないや。


「兄貴おはよう。」

「おう、おはよう」


弟は良太郎りょうたろう中学1年生。

俺の学校は中高一貫。

だから、学校は一緒。


「裕輔、良太郎、おはよう」

「おはよう、父さん」


父は賢治けんじ普通のサラリーマン。

課長だったかな、あんまり覚えていない。


「裕輔早く食べて行きなさい」

「わかってるよ」


せかせかと朝飯を食べて家を飛び出した。

良太郎は走っていった。

裕輔はゆっくりマイペースに自転車で向かった。


「おはよう、裕輔」

「おう、葉月」


こいつは谷川葉月たにがわはづき俺の彼女。

葉月とは、高2のはじめのときからの付き合い。

最初はなしかけてきたのは葉月。

二人は学校へと自転車を押しながら歩いて行った。

やがて二人は学校に着いた。

二人とも2年2組。

二人は遅いほうでみんなほとんど来ていた。


「遅いぞ、裕輔」

「いつも通りだよ、隆之、弘司」


こいつらは森杉隆之もりすぎたかゆき山本弘司やまもとひろし

中学1年のころ知り合って今までずっと仲良くやってる。


「なんで、お前らそんなに来るの早いんだよ?」

「別に早かねーよ。みんなこんぐらいだし」

「そうかな?あ、吉村が来た」


吉村よしむらは2年2組の担任でテニス部の顧問。

そして、学級委員は上田七海うえだななみ


「おはよう、みんな」

「おはようございます」

「全員出席だな。」


外の様子はさっきとはがらりと変わっていた。

さっきまでの青空はなく、大雨だった。

裕輔は帰るまでに止めと思ったが、

雨は帰るときにも止んでいなかった。


「どうしよう、傘ねーし。」

「裕輔。傘ないんでしょ。入っていけば」

「おう、葉月サンキューな」


裕輔と葉月は1つの傘に入り歩いていた。

しばらくすると雨は止んだ。

そして、雲のすきまからこぼれている光が輝いていた。


「裕輔、天使のハシゴだよ」

「ほんとだ、綺麗だ」


天使のハシゴとは雲の隙間からこぼれる光のこと。

雲の上まで続いているハシゴようなのでそう二人は言っている。

二人は川原に着いた。


「久しぶりに見たね、天使のハシゴ」

「そうだな」

「約束覚えてる?」

「覚えてるよ。天使のハシゴを見たらキスをする、だろ」

「うん」


そういい二人は向き合い口と口を合わせた。

川の音がうるさく感じられるほど静ずかだった。

光が水面に反射してまぶしいほどだった。

その後、二人はしばらく動かなかった。



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