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ギフトラベル 改札通ったら異世界だった  作者: 三千百六
アザス編
11/53

①アザスとラベル

テリボレイ歴1540年。

世界は魔王の手により人類壊滅の危機に貧していた。


ギミッド王国は魔王に対抗する為、召喚術式を改良し、召喚獣の力を人族に付与させようと試みる。


ところが、ギミッド王国の目論見は外れ、この術式は不発に終わった。


しかし、人知れずその術式の余波は、地球より一人の交通事故で死んでしまった若者の魂をこの世界、″アースラブル″へと導いた。


アースラブルへ転生した若者は、アザスという名を授かり成長した。

アザスは前世の知識は勿論、類稀な剣と魔法の才能を有しており、仲間達と共に、なんやかんやありつつ魔王の討伐に成功する。


魔王討伐に世界が喜ぶも束の間。


今度は帝国が世界の覇権を手にいれようと動き出した。

なんやかんや有りつつ、帝国のマッドサイエンティストが魔王の遺産である超魔力増幅炉を暴走させてしまう。


そして今、アザスとその仲間達は、再び世界を救う為、暴走した超魔力増幅炉の前に立っている。


アザスは思う。二度目の人生は家族に、仲間にも恵まれ充実していた。


故にアザスは行動する。


「皆!…今までありがとう!」


アザスは転移魔法を仲間達に放った。

アザスの仲間達は、強固な魔力を操作することによって転移に抗おうとする。

が、それでもアザスの転移をしばし遅らせるだけだった。


仲間達は転移際に叫ぶ。

「そんな、アザス!!?」

「嘘だろ、アザーッス!!」

「何で、アザス!アザッスゥー!」


「「「アザァーッス!!」」」


転生者であるアザスは、星の外に宇宙が在ることを知っていた。

超魔力増幅炉がその場から移動しないからこそ使える手段をアザスは持っていた。

超魔力増幅炉の爆発ギリギリまで意識を集中して魔力を練る。


「まだだ、まだ足りない」


時間を粘ろうにも、そろそろ爆発しそうだ。

仕方ない。


「さようなら……異世界」

魔力を練りに練って、うんと宇宙の遠くに転移をしようと思っていたが、もう超魔力増幅炉が限界みたいだ。


アザスは超級の転移魔法を発動する。

超魔力増幅炉を宇宙の彼方に転移させるためだ。

だが、超級の転移だけに欠点があり。

座標の指定が叶わず、アザス自身が超魔力増幅炉に付き添う形で軌道をコントロールする必要があった。


つまり、アザスも超魔力増幅炉と一緒に転移する必要があったのだ。


アザスは転移した。宇宙の彼方へ。

出来る限りアースラブルから遠くへ。


その宇宙の彼方で、アザス自身も終着の分からぬ転移旅行の終わり間近に、超魔力増幅炉は爆発した。


転移の中での超魔力増幅炉の爆発は次元をも唸らせた。

それはやがて世界の層を歪ませ。


アザスを層の壁から突破させた。


………

……


次にアザスが目を覚ました時。


その目に映ったのは、

懐かしき日本の商店街の風景。

アザスは、まさかと考える。


自分が居るのは、商店街特有のタイルの床の上。

天井のアーケードからは、フラッグが吊り下げられ、遠くにアスファルトの車道も目につく。


アザスにとってここは、知らない商店街ではあるが、

明らかに先程まで居た世界ではない。


「日本に戻って来たのか」


アザスのそばに、一枚の紙がひらひらと舞落ちる。アザスは気づかなかったが、その紙にはこう書かれていた。


″ようこそ岐阜へ″


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