ちょっと成長
誤字等を修正いたしました。27.3.26
再!修正!濁点と半濁点が見にくいよっ!内容は変わっていませんが、少しだけ文が増えました。なぜだ。。。27.3.27
世界に色がない事が判明した私。だけどそれがどうしたと言うように毎日を過ごしています。
まだ多少の戸惑いはあるけど、ほら、何度も言うようだけど私はまだ赤ちゃんなのだ。
赤ちゃんからの成長だって始まったばかりなのにここで挫けるわけにはいかないよね。
なにをやるのか、未来はまったく想像出来ないけど。でも生きているのだから異世界を楽しみたいのが本音だよね。さすがに冒険者になって旅に!とかは思わないけどさ。楽しそうだけど。
戦いとか、きっとおじけついちゃうと思うんだ。冒険者って、言い方をはっきりすると生死がすごく軽くなるでしょ?仲間とかできるかもしれないけど、自分の力だけで冒険するにはちょっと私には………臆病者だから、勇気とか奮う気持ちが持てない。生きていきたいなら、わざわざ死亡確率を高くする必要はないと思うし。そうしなきゃいけなくなったら………そうするしかないけど。
だから家で出来るような事で異世界を満喫したいんだよね。ほら、まだ始まったばかりだから少し後でも決められるんだし。
そんなわけで生後1歳と6ヶ月ぐらいになりました!最近はよたよたと短距離を歩けるようになったんだよ!因みに姉より早い!
姉のリアディリアは2歳でようやく歩けるようになったらしい。歩かせようとしたら物を投げてきたんだって。ジェルエさんにはどんだけの鬱憤が溜まっているんだろうか。
そんな愚痴を聞きながら育ったら未来の私が愚痴っこに育っちゃうよ。自我があるからそんなことにならないと思うけど………………自我があるからこそ愚痴っちゃうかも。日本との暮らしの違いに。
因みに歩ける距離は1、2メートルくらい。主にベッドからジェルエさんまで歩きます。休憩を挟んでだけどね。でもちゃんとジェルエさんのとこまでたどり着くよ。そうすると喜んでくれて頭を撫でてくれるから。すごく愛情が感じられて嬉しかったりする。
別に前世で親から愛情を貰わなかったわけではないけど、裏のないすごく優しい微笑みで撫でられたら誰だって嬉しいじゃん。
それとおもちゃも増えてきたんだよ!主にダリスさんからの差し入れ的な感じで。
ジェルエさんが頼んでダリスさんが持ってくる、て感じ。
なかなか部屋の中が玩具でいっぱいだったりする。ちゃんと片付けてるけどね。
ヌイグルミが10体ぐらいでしょ。ガラガラみたいな音がなるヤツでしょ。木馬みたいなものに、絵本!
うん。かなり充実してます。ヌイグルミなんか壁に並べてあるからまだ小さい私には壮大だよ。
………………やっぱり、世界はモノクロでしかないんだけどね。
色の濃さで判断はするんだけど、さ。言われなきゃわかんないし。それに一重にこれはこの色と言えないよね。同じ色で薄い濃いはやっぱりあるだろうし。
これについては喋れるようになったら自発的に言うつもり。そうしなきゃ多分やりづらくなるから。
今ではしっかりと黒と白で明暗をつけながら見れるけどやっぱり、ね。他の楽しみ方を与えてもらわないと行き詰まる。貴族だからどうなるのかわからないけど。
あ、それと少しだけ喋れるようになったんだよ!
最初は一文字一言だったけど、今では三文字から短く発する事が出来ました~。この成長は遅いのかな?早いのかな?まったくわかんないや。
そうそう。やっぱりジェルエさんは私の『ママ』ではなかった。
試しに1回だけ、呼んでみたら無言で首を振られた。そして諭される。
「クロムフィーア様のお母様はクレラリア様です。間違ってはなりませんよ。私は貴女の乳母でジェルエです」
だから1歳半になに諭してるの。
言葉にはまだ出来なかったから突っ込みも出来なかったけど、とりあえず頷いて今度から『ジェルエさん』と呼ぶことにした。と言っても『ジェルエさん』なんてまだ舌足らずで発音出来ないんだけどねー。
「しぇうー」
濁音がむずいのです。舌が動かないよ!それでも微笑んでくれるジェルエさん大好きです!
因みにダリスさんも濁音で発音できなくて「あいす」ですよ。ごめんむずい。なんて難しすぎる名前なんだ!!たった三文字がこれほどまでに難しいなんてどうかしてるよ!
おかげで美味しそうな名前になってしまった。本人は気にしていないようでやっぱり微笑んでくれるんだけどね。
そしてそれでも分かってくれるダリスさんも大好きだよ!!
あ、因みにダリスさんも『パパ』ってやってみたらジェルエさんと一緒で諭されました。
「クロムフィーア様のお父上はグレストフ様です。間違ってはなりませんよ。私は旦那様に仕えている執事で名をダリス、と言うんです。くれぐれも間違ってはなりません」
うん。わかってたよ。わかってたけど1歳に諭されても普通はわかんないからね?二人のおかげで二度ほど同じ体験が出来るなんて面白すぎるよ。
そんなわけで二人の名前は「しぇうー」と「あいす」で決まったわけで。二人の姿をみたらまず名前を呼ぶようにしてる。
朝起きたらジェルエさんに挨拶。離乳食のようなやっわらかーいものを食べて、ダリスさんが来たら飛び付いて名前を呼ぶのが、今じゃ日常なんだよ!
しかし、今日はなんとタイミングがいいんでしょうね!扉から近いよ!
そんなわけで何時もは中に入ってくるダリスさんをみて喜ぶけど今日はビックリさせてやるのさ!別に出ていくわけじゃないから勘違いしないでね。
ちょうど扉との距離は1メートルもない。なら、まだよたよたの私でも問題ないと言うことだよ!
きゃー!とはしゃいでダリスさんの足にへばりつき~!
「わっ!」
へっへぇ。ダリスさんビックリした?私もダリスさんを驚かす絶好のチャンスにビックリしてるよ。いつもくすぐるからそのお返し~!
もーダリスさん今日はちょっと遅くない?私は待ちわびたんだよー?玩具くれるけどちょっと飽きてきちゃう時だってあるんだから一緒に遊ぶ時間でも増やしてくれなきゃ困るのです。
それにしてもダリスさんの足がなんとなく太く感じるのは気のせいかな?腕が一周も出来ないとかどんだけ私の腕が短いの。泣いちゃうよ?
それにツンツンがこない?あれ?いつも飛び付いたら脇をツンツンして私を笑わせるのにそれがない!?ダリスさんどうしちゃったの!?
「…………………………う?」
「えっと………ダリス?どうすればいいかな?」
「抱き上げてあげればよろしいかと」
わかった。て。
私はよくわかってないんだけど目の前の小さめの巨人は私をゆっくり抱き上げて抱っこしてくれる。
高さはそんなにないけど(いや、じゅうぶんあるんだけど)抱っこしてくれる腕は意外としっかりしていて安定があった。
そのままジェルエさんの近くまで運んでくれて、これまたゆっくりと私を下ろしてくれる。
まだ状況が飲み込めていないです。扉がパタン、て。小さく音をたててようやくダリスさんを確認しました。
でも視界いっぱいに広がるのはどこかまだ幼さを残したカッコいいお兄さん。いや、お兄ちゃん。柔らかい笑みを浮かべて私の頭を撫でてくれる。
「初めましてクロムフィーア。私は兄のトフトグルだ」
どうやらこの世界の兄にタックルしたようです。わお!?