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魔法のお勉強1

誤字脱字がたくさんあったので直しました。

所々手直しも致しましたが、内容は変わっておりません。

水魔法初級の『ウォーターボール』を『水球』に変えさせてもらいました。今後、魔法は漢字書きで横文字は使いません。

改訂いたしました。27.5.8

 ピンク髪希望のM字ハゲことエモール様を見て私は驚愕です。顎が外れそう。別にそこまで驚かなくてもいいけど、なんとなく。


 挨拶も交わして暇だし、今でも大丈夫と言えば表情を和らげて頷いてくれた。


 と、言うわけでおっさんを引き連れて庭に出る事になりました~。はい。お土産は後程お茶の時に頂いちゃいます!これぞ紳士!!


 ローブが歩くたびに揺れてなんだか背中がお父様みたいに広いです。むしろお父様より広いです。おっさんさすがだね!


 顔に髭なんて生やしていないけど、威厳が溢れてるような少しだけ彫りの深い顔がなんとも言えませんなあ!あの時は早く終わりたくて―――てかM字が気になって顔を見るのも忘れていたよ。


 ごめんね。ハゲは撤回するよ!


 ポメアの案内で我が家の広い庭に出ればまず、白い(多分)の丸いテーブルに本と紙と羽ペン。なにか書く予定があるのかな?


 まずは説明から始まるらしいので椅子に座って様子を伺うことにした。キリッと顔を引き締めて私を見る。うむ。怖いよっ。怒る人なら帰ってもらおう。


 何やら懐から変な石ころを取り出してきたし!魔力があるね!キラキラしてます!ポメアはっ!?―――なんともないのかな?警戒はしてるけど大丈夫な範囲らしい。


 ちょっと疑いの眼で見ていたらちゃんと説明が入る。さすがですね。


「結界石だ。魔法の練習を行う場合には、もしもの事を考えて結界の中でやる決まりがある。今日はこれでじゅうぶんだろう」


 はい。疑ってすみません。もしもの準備は大切ですよね!


「では、始める」


 なんか口調が強めになってる気がします。さっきのは貴族仕様ですか?


「まず、私は水属性に秀でた魔法師、エモール・ポルナだ。私の事は『先生』と呼ぶように。君の偉大な父親から依頼を受けてここにきたが、親の七光りにならないように私のやり方でやらせてもらう」


「わかりました。先生、お願いします」


 お前さん、誰ですか?一応『先生』って付けたらなんかニヤけたよ?大丈夫?さっきの貴族どこにいった。結界石は置くだけでいいんですか。先生。今度はキリッとし始めたよ。大丈夫かな………?


 でもそんな私の心配はお構いなしで話は進められる。さっそく紙を使っての説明です。


「属性は知っているか?」


「火、水、風、土、光、闇の6属性です」


 あ。驚いてる。なんで?基本じゃない?


「よろしい。ではまず、魔法師に一番必要なのは魔力を知ること」


「レーバレンス様に教わりました。魔素は外に。魔力は内にあるんですよね?魔力操作も出来ます」


 あ。眼が見開いた!?ヤバイ光線でそうなくらいガン見されてるっ。


「………………魔力操作は、いつからだ?」


「5歳ぐらいですね」


 うわー。エモー…先生の眼が半眼で口許『へ』の字になった。表情が豊かですね。


「それも、レーバレンス魔術師殿に教えてもらったのか………?」


「はい」


 おー。今度は疲れきった顔ですね。表情筋が弛いのかな?代わる代わるに表情を変えて大変じゃない?こめかみまで押さえ始めちゃったよ。


「………………では、魔法陣と詠唱か」


「魔法陣は本で学びました。詠唱はまだ見たことないです」


 知りたいです!そんな感じでウキウキとエモール様を見ればようやく満足したように大きく頷いた。この人、分かりやすい。


 ごめんね、ことごとく打ち消しちゃって。聞かれたやつはだいたい終わっちゃったからさ。眉間のしわが深くなってきてどうしようかと思ったよ!


 幸いにもそれ以上を教えてくれるみたいだからまだよかったんだよね。これで魔力操作のお話だけでここに来ていたら時間変更の意味なんてないし。


 まあ、立ち直ってくれたからいっか!安心したようにすらすらと何かを書き始めたから………よしにしておこう。


 それで、何を書いていらっしゃるのでしょーか!私にも見えるようにしてくださーい。せんせーい!生徒をほったらかしですよ!先生!!


「よし。まず、私が先に手本を見せよう。今見せるのは水属性の初級だ。この結界石は、魔力を通せば石を中心に展開する。この屋敷はすでに様々な魔法陣が施されているため、干渉しないためにも小さくしておく」


 ここで説明ですか。ややこしや。


 見ているように、と手を上にちょっとかざす先生。なにやらぶつぶつ言って指にキラキラが集まっているね。ついでに回りにも霧状に集まってきてる。これが魔素だね。集めたら見えるのかな?


 なにか書いているように指が宙をなぞり、滑らかに書いていく。………………ぶっちゃけ、キラキラと魔力が輝いてて見えない。なんてこったい!


 なんか泣けてくるけど、ここはあえて見つめとく!でも表情は新しいおもちゃを手に入れた時のあの無邪気な感じで!!鏡で見たことはないけどこんな感じ!!


 これで騙される事を私は祈ってる!!生徒は先生の魔法に期待しているんです!


 で、書くのが終わったみたいで………それを空中に泳がせたら一番左のキラキラに指が動いたような気がします。ごめん。キラキラしずぎて見えない………………


 魔法が完成したのか、その後、一瞬だけ強く光って踊っていた指が手のひらを上に向けて止まった。………………なんとなーく、黒い線が円となって見える、気がするよ?それとキラキラもわずかにある。先生があえて抑えたのかな?わかんないよ。


「こんな感じだ。水球(すいきゅう)と言う。では始めよう」


 見せるだけ見せてさっそくですか。まず何からしろと?先生、キラキラでほとんどわかんないです。教えてくださいっ!


「人それぞれだが………まずは魔力操作で人差し指に魔力を集めてくれ。それと悪いが、私はヴィグマン十進魔法師のように感じるのは曖昧だ。手を握らせてもらう。そうしないとクロムフィーア嬢の魔力が読み取れない。こちらにもう片手を置いてくれ」


「はい、先生」


 変な事はしないでね?と思案顔がバレていたのか、先に置いてくれるよう促されてしまった。あっちから握られるよりはマシだけど………


 でもポメアがすかさず間合いに近づいたので先生の言葉を信じておこう。先生呼びがそんなに嬉しいのか、また使えばいい笑顔で返されたし。幼女趣味じゃない事を信じるよ!


 ちょっと集中が必要だから意識を指先へ。すぐに出きるけど最初は肝心です。はい。魔力さん移動してくださーい。


「なっ!?待てっ、そこまで集めるな。あぁあゆっくり小さくしてくれ」


「?はい」


 なにかご指摘がありました。なんでしょうね?とりあえず言われた通りに気持ち少しだけ指に集める。するとどうでしょう。物凄く感嘆の声が先生から聞こえるのですが?顔が「ほう」て。感情が豊かな先生だなー。


 だが私的にはまったく分からない!指を見てどうしたんだよ!誰か説明を求む!


「よし。そのまま維持するように。これから詠唱を教える。知っての通り魔素を集める言詞ことばは呼び掛ける行為だ。紙に書いたので、ゆっくり読み上げてくれ」


「わかりました」


 すっ、とさっきの紙を目の前に差し出された。なかなか綺麗な字だけどたまに歪む文字で、その人の性格が現れる気がする。もともと真面目そうだけどすぐ表情を崩すからね。こっちも分かりやすい。


 先生と呼ぶまで紳士だったもんね。言った途端に態度が違うんだもん。まさに文字は人を表すね!


 まじまじと見ていたら注意が飛んできたので読むことにするけど………まあ、集める言葉がいくつかある。この印がついているやつ。読めばいいらしい。てか、これ最初の属性をいじっただけで文なんて全部が一緒じゃん。これで魔素が集まるとか、不思議でならない。


「集え水粒すいりゅうよ、我が力の礎となれ」


「げっ」


 蛙が潰れた?そんな感覚で辺りを見渡しても何もない。何だったんだろう?と次は何をすればいいのかわからないので先生を見れば―――うん。口許が引きずってますよ。先生。


 私の回りにある光の粒を見てその顔ですかね?魔力を使ってるから魔素がなんかすごく見えるんですよ!塵みたいでなんか面白い。これ、魔素が濃いところにいったら霧になるのかな?魔力は使わなければいいけど。


「あー、待て。ちょっと、待て。さすがと言うべきかなんと言うか………グレストフ魔法師の娘だな」


 いや、そんな改めて言われましても。首を傾げて見返したら苦笑いされちゃったんだけど?先生、顔芸が凄まじいですね。


 魔力はまだ維持できるからいいけど。この後どうすればいいの?なんだか先に進まなくて焦れったい。


 ちょっと膨れっ面で先生を見れば咳払いでなんとか誤魔化してる。全っ然!誤魔化せれてないけど。なんとか取り繕うと喋ろうとする先生は反対の手で魔法を使うように指を再び宙に滑らせた。


 はて?何をしているのでしょうか。私は分からないので鑑賞しかないんだけど。


 じぃ、と見つめてみれば………キラキラなだけだよっ。降り注いでる!!分かってた!分かってたけどさっ!


 さっきと似たような動作で指を動かして何かを言えば私の回りの魔素が少しだけ減ってる。なんで減ったのかは当然。先生が魔法を使ったから、だよね。


 ちょっと呆然と見ていたら眉間に浅くしわが………え、今ので怒られるパターンとかおかしいからね?いやいやいや眉間を揉まないで!私が悪いことをしているみたいじゃんか!


「魔素はその者の魔力量で呼び寄せる量が異なる。失念していた。ああ、魔力の意識はそのままに。次は下の文字を魔力の灯った指で書くんだ」


 なぜ有無を言わせないような低い声なんですか教えてくださいっ。


 しかし、目は訴えている。私を見る目は後で言うからとりあえず今は集中しろ、と………………そんな事を顔で―――いや、眼で言われたら頷くしかないじゃん。


 言われるままに書かれた文字を指に意識しつつ書いていく。えーと、なになに………………




 水余球似成手集江※水よ球になりて集え




 何度見てもまんまじゃん。捻りもなんにもないよ………いや、異世界だし。ファンタジーだし。これくらいっ。




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