情報収集
ちょっとだけ修正。
内容は変わっていない、はず!
誤字発覚。仮設→仮説でした!
ご指摘、ありがとうございました。
誤字等を修正いたしました。27.3.26
再!修正!誰か言語学をレベルアップさせる方法を知りませんか?痛。27.3.27
情報収集に精を出してた私。渡利真綿こと、クロムフィーアと申します。あれからなんと、十日ぐらい日が経っています。日がたつのって早いね。ほとんど寝てたわ。さすが赤ちゃん。寝てばっかりだ。
名前が分かった理由はジェルエさん(乳母さんね。なんか呼び合っていたからそうだよ)が毎回、私に向かって『クロムフィーア‰β』と呼ぶから。クロムフィーアは私なんだろうと思う。語尾はやっぱりなんだかわからない。敬称なのかな?
てか名前のおかげで日本じゃない事は分かったよ。これで異世界っていう仮説が定説に変化していく。名前だけでそう判断するのもどうだろうと思うけどさ。たぶん私がそう思いたいんだよね。そうあってほしいと欲望を丸出しにしていたし。
さて、この十日で分かった事は主に名前と私の存在くらいだけ。これでも頑張った方だと思う。ちゃんと人がいたよ!一方通行だったけどねっ!
そして私はやっぱり生まれたての赤ちゃんです。ばぶーもまだ言えない出来立てほやほやな赤ちゃん………本当に私はちゃんと産声をあげたんだろうか?よわっちいのか……?赤ちゃんがわかんないよっ。
体はまだバタつくだけです。乳母さんに見てもらっている状況だけど私は泣かないからすっかり手持ちぶさたなわけですがね。騒げばいい?いや、それは私のポリシーが許さない。
と、言うわけで大人しくしていたら定期的に確認しに来てくれるだけになっちゃいました。だって騒ぐのも疲れそうだもん。なにか用があればその時にね、訴えればなんとかしてくれるし。
乳母さんも困ったように手持ちぶさたで最近では寝るようにあやされます。寝かせすぎだよ、乳母さん。いや、ジェルエさん。キッチリまとめた髪の毛がベテランを思わせますよ。
ジェルエさんはきっと私の乳母さんで(むしろ固定で)、ジェルエさんの名前は呼び合っていたから。はい、理解は出来るけど他の言葉はわからないくせに名前だけは認識が出来るってどうなの?本当にどうなっているんだ。
毎回私を抱き上げるときにクロムフィーアと私の胸に手をあてて、今度は自分の胸に手をあててジェルエって言うんだからきっと教えこもうとしてる。そうだよね?
せっかく転生したんだから翻訳機能がついてればよかったのにっ。特典なさすぎ。転生って信じてるんだからそのお慈悲を!!
―――そして、私の近くでよく聞く名前は『グレストフ』『トフトグル』『クレラリア』『リアディリア』『ダリス』の五人。この中のダリスって言う人は執事かなにかじゃないかなー?て思ってます。よくジェルエさんが私を抱えながら「ダリス℃&₩¢§☆$」とか言って普通に喋ってるし。ピシッっとしたオールバックがかっこいいおじいちゃんです。因みにこの時にジェルエさんの名前が確信したのも事実です。ええ、呼び合っていたのはこの二人だよ!
それと私、ジジフェチじゃないけどあんなピシッとした人は惚れるね。マジで。執事カッコイイ!おじいちゃんでもオールバックっていけるんだね!どうでもいい話だけどさっ。抱っこはちょっと苦手っぽい。でも優しい抱擁に思わず喜ぶ。襟元もピシッとしてて格好いいよっ!
因みにまだなにを言っているのかいまいち分かってません。因みにも何もないや。会話はやっぱりごちゃごちゃと聞き聞き取りづらいし。それでも名前だけ判断が出来るってなんでだろ。ここが転生の特典か!?………ジェルエさんが教え込んだからだよね。そして私がそうなんだろうなって解釈しているだけ。
そもそも日本語じゃないみたいだからなに言ってんのかわからないし。なんとなく名前だけがわかるけど喋れないから意味はない。本当になんでなの?やっぱり異世界なのかな!?疑うしかないね………疑うばかりで疲れるわ。
まあそれは置いておくとして、後はそれぞれ名前がどんな人なのか、考えてみたんだけど…………家族なんじゃないかなー、て。思ったりもしてみたり。だってジェルエさんとダリスさん以外に逢わないし。接し方から見て貴族だよね?てか執事と言えば貴族でしょ。過度なあやし方をしないもんね?抱っこだけだし。
それに貴族って自分で世話しないってよく読む。家族に逢えないのは普通なのかな?誰か常識を教えて。
そんな事よりファンタジーである事を喜ぶとしようか。
そう!みなさん聞いてくださいここファンタジー!もうファンタジーと思う事にしよう!!ただの西洋かぶれとか期待ががた落ちしてたんだけど遂にきたよ!魔法きたよ!ジェルエさんありがとう!!ようやく異世界確定できました!!ありがとうございますっ!!!!
湯あみしてくれる時にね、桶に水を溜める時に手元が光って変な文字?をなぞるように指で描いたらその文字が円になってですね!キラキラ光りながらザバーって!まだしっかりと見えないから音だけだけどその円からザーてさあ!キラキラがさあ!!
もう片方の手をキラキラ光らせながら描いた文字―――も、何か分からなかったけど、浸けられた水の中は程よいぬるま湯になっておりました~。便利だね、魔法。
なんて言うか。きたぜファンタジー。ひゃっふー!!
まだ赤ちゃんだからなんとも言えないんだけどねー。私も出来るのか知りたいです。
てか、まず普通に生活出来るんだよ、ね?なんにも出来ないでお喋りも出来ずに一人寂しい………………あれ。なんかテンション一気に下がったなー。はやく大きくなりたい。
と、言うわけでさらに一週間ぐらい経ちました~。未だに家族らしき人物は来ません。ジェルエさん時々ダリスさんです。いいんだけどね、別に。
私的にはまだ体が育っていないらしくて寝返りも打てない………赤ちゃんの成長なんて詳しくないからこれが遅いのか早いのかさえもわかんないよ。てかやる事がないよっ。お喋りもできないとか寂しすぎるっ。
面倒を見てくれるジェルエさんは最近おむつと授乳が終わったら放置ぎみです。定期的に見てくれていた時間が短くなりました。忙しいのかな?そうだよね?おざなりになったわけじゃないよね?あれ、最初の接し方と変わらないような………?
それにしても遊んでもくれないとか切なすぎるよ。つまんないなー。寝るしかないじゃん。寝る子は本当に育つのか自分で実験みたいなのは嫌だなぁ。
しかし、私だって情報が欲しいわけですよ。身動きもできないなら誰が代わりに動いてくれるんだ、って言うね。
だから今日は大泣きしてやったぜぇい。今日初めての大泣きは慌てたジェルエさんともう一人。初見の誰かよくわからない男性。さすがファンタジーだと思いました。何がって?ドアがバアン!て音が凄すぎるのに壊れた音が一つもないからだよ。まさかの粉々はないと思いたい。
ジェルエさんの後ろに付いてきた男性らしき声とともにドタバタと入ってくる。あれ、そんなに私の鳴き声はうるさかったのかな。
複数の足音を聞きながら泣き続ける私。声がよく響くよ。私、赤ちゃんだわ。私が煩く思ってしまう。
泣き止まないと分かったらすぐにジェルエさんにあやされ、なんとか泣き止んでみせて………赤ちゃんだから一度起こった事は制御しにくいんだよね。とくに泣いたら。でもジェルエさんは抱っこが上手なのか、なんとなく気持ちよくなって私の声は小さくなる。さすがジェルエさん!
まあ、それはいいとして………こちらの人は誰ですか。なんかジェルエさんと一緒にホッとしちゃったような雰囲気とでも言うような空気が伝わってくるのですが?
しかも抱っこ交代されましたー。なんてこったい。ぎこちなさ過ぎて落ちそう。そんなの嫌なので多少は暴れてみる。落ちたくないじゃん。
そうしたら分かってくれたのかジェルエさんがこの男性になにか言ってた。まだわかんないみたいでなに言っているのかわからないけど、抱いてくれてた腕が位置を変えてくれて―――うむ。大きな腕の中でゆったり出来るようになりました。ありがとう!
そんでもって凄い近い顔を凝視してみる。だって初めてみる顔なんだもの!
あ、よくみたら美形だわ。
筋の通った鼻だし。薄くも厚くもない唇。穏やかに覗く瞳の色は色濃く私の眼に印象つける。整いすぎてつい笑顔になっちゃうよ!てかもうすでに顔は緩んでます。
そうすればこの人も穏やかに笑い返してくれて………幸せです。でも、誰ですかね?
「クロムフィーア」
なんと言うバリトンボイス!惚れてまうやろー!!しかもそんな大事そうに私を抱えないで下さいな!いや、赤ちゃんだからしっかり抱えてるだけなんだろうけど。
てな訳でついついにへらと笑ってしまった私は悪くない。美形すぎるのが悪―――くないよ!
そして私が笑えば貴方も笑ってくれると言う素敵循環!ずっと傍にいてください!!