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チームメンバー


まずは自己紹介といきましょうか。みんなは私を知っているけど私は知らないからね?先に済ませちゃったとかジジルってば意外にSっ気あるよねっ。


「改めまして、クロムフィーア・フォン・アーガスト若魔法師です。【水】属性です。魔力が見えるためこちらの配属が決まりました。よろしくお願いします」


貴族風にご挨拶。誰も何も突っ込まないのでついでにアブルをご紹介。


お腹を抱えたままこの子はアブルです!なんて幼く、だが貴族風にご挨拶。


みんなぬいぐるみだと思っていたみたいだね。やあ。みたいな感じでアブルが片腕をあげたら初めて会う四人は眼を見開いて凝視。


やっぱり重くて私の腕が限界だったので下に下ろしたらどすんと腰を下ろしてお尻をかき出した。


本当におっさんっぽいよね。やっぱり年齢ってそれぐらいなのかな。夢見すぎちゃダメってよくわかるわー。でも外見が可愛いから夢を見てしまう罠!


そんな流れをぶった切るのはジジル。可愛いよね!!と目をキラキラさせて私に触っていいかを聞く。


実は触りたかったらしい。だけどみんな触りたい何て言わないし私はここ最近は来ていなかったしで我慢していたのだとか。


だからこれを気に触る気満々で言うものだから――いや、でも今は授業だから後でね?


嫌な顔一つもしないで輝く笑顔で頷きその流れで今度はジジルが自己紹介。


「ジジルニア若魔法師です!【光】属性です!よろしくお願いします!!」


ジジルでもいいですよ!て、元気いっぱいでいいですね!!


次はケヤンくんだよ?何て言って無理矢理バトンタッチも意外とSだね。ケヤンは不意打ちであたふただよっ。


しまいには舌を噛んで「ケニャンでふ!」とな。シン――となっちゃったのは仕方ないよ。


顔をグレーに大変身させ小さめの声で名前を訂正。つまり真っ赤なんですね?居たたまれないわー。属性は【火】だそうです。


「ベリーメル・アウル・クォンティーレ若魔法師です。ハーフエルフで人間社会を学ぶために参りました。適正は【風】です。貴族様の用に名前が長いですが真ん中が一族を表し最後は両親のどちらかの名です。気にせずベリーメルと及び下さい。よろしくお願い致します」


貴族のように優雅に品のある挨拶をしたのはあの前髪ともみ上げを一緒にみつ編みにした髪にグラデーションがかかっている女の子。


会った当初は黒髪だし心の仲で思わず日本人!?とか疑ってしまったあの子です。そう、ベリーメルね。ベリーしか合っていないじゃん私よ。て言うか


「エルフ?」


思わず声が出ちゃうのは仕方がないじゃないか。


「私はハーフなんですが……エルフもちゃんといますよ。私は気にしていませんので大丈夫です」


なんか引っ掛かる言い方。苦笑いを浮かべて誤魔化すように視線で次を促す。


下の者から順番に自己紹介をするらしい、のかな?ベリーメルが見た先は背中半分までのローブを来ている少年。


ふわふわっとした髪は光の加減とか関係なく白っぽいどことなく薄いグレーがでしゃばる感じ。眼が細目でたぶんグレーの白側かな?


んー……エーデルワイスみたいな白?に、瞳はアーモンドとかじゃないかな。


ちょっと無表情に近いけどゆらりゆらりと体が動くことから立ったまま寝ようとしているのか寝起きでふらふらしているのか……大変、危なっかしいです。


「アイロイ・パレスト見習い魔法師。【闇】属性。特技はどこでもどんな状態でもすぐに寝付けます」


やっぱり寝ることが特技になるほどだったか。その特技がちょっと羨ましいと思ったのは言わないからね。


「コルトウィン・ボーア・モモラン下級魔法師。適正は【土】です。お願いします」


今度は普通の人だ。それしか思えない少年。濃いめのグレー。明るみのあるグレーの瞳……うーん?焦げ茶?と、緑、かな?


キリッとして真面目そうなコルトウィン下級魔法師。なんか名前を呼んだら真面目に返してきそうだから家名の方を呼ぼうかな?モンブランって言いそうだから名前で呼びたいんだけど……


次は中級魔法師と上級魔法師。二人とも同じ配色でほぼお母様と同じに見える。


つまり王道の金髪碧眼。これがまた対照的で面白いんですよ!


「ヤジャル・オイセ・ツォーロ中級魔法師です。【水】属性です」


「スェフォント・アグセータ上級魔法師だ。【火】を扱う」


そうそう、ヤジャルね。ヤジャル中級魔法師。さらっとしてペタッとしている短髪。活発そうなつり目。ムスっとしている表情は初めて会った時とあまり変わらない。


あの時はアビグーア部隊長が長文で喋ったことに驚いたんだよねー。


対して上級魔法師のスェフォント上級魔法師。寝癖が個性的で家のボテガイラといい勝負のくるんくるん。しかも長髪っぽい。後ろを向いてくれないかな?


こっちはたれ目でほわんとしているんだけど口調が男前。ちぐはぐ過ぎる。こうしてみんなが並ぶとスェフォント上級魔法師だけ頭一つ分低い。お父様より低いから160後半から175前半かな?


アブルが気になるらしく、自己紹介をそこそこにその目は下に釘付け。アブルはくわあっと大きく口を開けてリラックス状態。もうすぐ寝転ぶかもしんない。……ちゃんと護衛してよ?


と言うか、今更ながらにマジか。あの親切なんだけどお節介なヤジャル中級魔法師って私と同じ【水】なの?


なんかちょうど属性が二人ずつ被るんだけどペアになって付きっきりとか、ないよね?


まだ三人――尊大なお兄さん魔法師は【風】って言ってたから残り二人が【光】と【闇】となれば……そうなる可能性がっ。まさかね……


「クォート・メーテ・アンドロフィー魔法師だ。属性は【闇】。このチームのリーダーとなる」


チーム、ですか。声がたまりませんね!!


「私はカルゲン・ウィズヨム魔法師だ。【光】だから私はジジル若魔法師と一緒だね」


おぉおおおい!?フラグゥゥウウウ!!


「まだ俺が残ってんだろ。ディーガ・ロフロ魔法師。【風】。このチームの副リーダーだ。今からこのチームの今後の活動について話す」


え、ここはリーダーであるクォート魔法師様が説明してくれるんじゃないのかな!?


クォート魔法師様なら確実に聞くのに……レーバレンス様並みの威厳があるのにっ。なんで尊大なお兄さん魔法師なわけ?


そのバンダナみたいな布を取ってあげましょうかあ!?


まあ言わないしやらないけど。とりあえず聞きましょうか。


まず、このチームは普通のチームと違う動きをするのでよく聞いてほしいらしい。


理由は私だった。解せぬ!


まあ、魔力が見える私がいるのだから。騎士様方の方に出向いて色々と見なくてはならないんだそうな。


騎士も同じくチームが作られていて魔法師チームと組みその合同チームで色々と学ぶんだとか。


けど私たちのチームは見回りみたいなものをするらしい。


まず見回って比較的に魔力操作が下手な騎士を捕まえて指導。その時に私たちもそれぞれ属性に別れて指導され、その日その時の流れで体力作りに励むそうな。


他の人たちは訓練、だよ。体力とか魔力操作とか色々チームでやるんだよ。ピンチヒッターが私たち。


もう若魔法師の領分がぶっ飛んでいるような気がするけど……魔法師=上司が言っているのだから誰も何も言えない。間違えた、言わない。


そんな訳で分かったか?何て言うけどね。ちょっと待ってほしい。個人的な事なのだけど待ってください。


ポメアはどこですかね?


聞けるはずがないので辺りを見渡すけど……うーん。やっぱりわかんない。こりゃあ距離を置くようにお父様が細工をしたのかな。


侍女としてではなく、若魔法師としてここに来ている訳だから……バラけさせたのかな?そのわりには私とジジルとケヤンは一緒だけどね。


そんな訳で早速見て回ろう!と言うことに。私的にはまだ腕が痛いのでアブルはジジルに持ってもらった。


ぱああっと花が咲いたように喜んで抱き抱えたらケヤンが怯えるように距離を取る。


じっとアブルを見つめていたスェフォント上級魔法師はすすすっとジジルに近寄ってそんそわと歩く。


言いたいことが丸分かりなので私はアブルの頭を撫でてほしいとお願いしておいた。


ここで触ってほしい、って言っちゃうと私はそんな事を思っていない!とか逆切れする人がいるから気を付けなきゃいけないんだよね。


もちろん相手が触りたそうにしているって事を悟らなきゃどのみち逆切れされるんだけど。


杞憂だったね。ジジルがアブルを撫でやすいように持ち上げていた。恐る恐る頭を撫でようと手を伸ばすスェフォント上級魔法師。


ふわっ。ちょんちょん。つい、つい。そぉ~……いや、手のひらで撫でてあげて?


触った!突っついた!もう少し強めに突っついた!そっと頭に乗せたぁー!と思ったら固まってしまったよ。なんなの?


アブルを抱えているジジルも首を傾げてもういいか聞いている。やっぱり腕だけで支えるのは私たちにはまだ早かったんだよ。


腕が疲れたってことでアブルが戻ってきましたー。私も疲れるけど大分ましになってきたのでそのまま抱える。


スェフォント上級魔法師がとても残念そうな表情をしているけどね。撫でずに固まっちゃうから時間切れなんですよ。


なんたってアブルってばちょっと重いんだから。私よりちょっと活発なジジルでもさすがに腕が痺れちゃうから。


そんな訳でわざっわざっ!(ここ、強調するところ!)歩調を揃えて私の隣に来るヤジャル中級魔法師のお小言を受け流しつつ移動しましょう。


あのね、ちゃんと歩いているじゃないですか。遅いって?そりゃあ少女の歩幅と青年の歩幅に違いがあるのは当然じゃない。


尊大なお兄さん――長いね。しかたないディーガ魔法師も援護射撃を入れるもんだからその後ろにいたカルゲン魔法師が素晴らしい早さで二人の後頭部を叩く。


クォート魔法師様は毅然とした態度でアイロイ見習い魔法師の背中を押す。


……本当に、ほんとーにっ!大丈夫?このメンバー。


面倒なので今から端っこまで行き、そこから接触するチームから右回りに見ていくらしいんだけど。


たかだかと思っていた距離が煩わしいってどうなの。うゎー。


もう……どうなることやら。説明会だけじゃなかったのかね?


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