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雑学の午後

改訂いたしました。27.11.15

 ポメアの心配がすごいです。まあ、私も受け身なんてしていなかったからこうなっちゃったんだけどね。ただポメアははらはらしすぎだよー。ちょっとばかりヒリヒリとピリピリしてじわじわ痛くなってきただけだから………


 この布を!?て言っているけど血なんてまだじわぁとしか出てないから大丈夫だと思うんだけどね。まあ、バイ菌が入るのはさすがに遠慮したいから借りたけど。


 私―――タイミングを外したら乗り遅れてそのまんまなんだよね。本当は痛いー!て叫ぶ奴なんですよ?けど私より先に誰かが声をあげちゃうと驚き損ねると言うか反応が遅れちゃって自分が驚けないんだよね。なんか、代わりにその人が私の気持ちを代弁してくれるからさ。私も大袈裟に言うほどじゃないと言うか………何も言えなくなるんだよ。しかもすっごく心配してくれるから、ね。


 そんなわけで廊下で皆様にじろじろと見られながら医務室に行って治療を受けた訳です。ムルセクト先生でしたね。今度は忘れません。


 ついて早々にポメアが捲し立てるように説明して私は先生に差し出されましたとも。両手を見せてー、てあののんびりとした口調で診てもらって………なんか水をかけられました。しかも、アルコールの匂いかぷんぷんである。ちょっと苦手だよっ。臭いっ………


 でも両手を差し出しているから鼻を摘まめないと言う悲劇!!染み込んで痛いしっ!!我慢していたら綿を湿られた何かを指でぐいぐいってさあ!?~~~っ&%€#☆£%#*@!?


「あの、先生。クロムフィーアお嬢様の顔色が悪くなったのですが?本当にお医者様ですか?」


「失礼だよ~。ちゃんと試験を合格で納めて城でちゃーんと調べてもらってからここにいるから~。傷口に液体やちょっと触れたりしたら痛いのは当然だよ~」


「く、クフィーちゃん頑張れ!!」


「私がついているから大丈夫よ!!」


 ごめん、それは大丈夫か定かだ。大丈夫と言われてなんの根拠がっ………やっぱりピリピリするので悶える。むしろぐりぐりするから痛くてですねぇ!?


 そんな事を思っていましたら、魔力を感じました。前から―――ムルセクト先生だ。なんだろうと見てみると魔法文字を書いていましたよ。そこで思うのです。あ、ここはこう言う世界だったね、て。痛みで一瞬ぐらい忘れていました!


 するとキラキラの魔力は少量で。集めていた魔素は多めかな?書いていた手のひらが光ったと思ったら先生の掌に光が集まって………私の掌に当てられた。ちょっと暖かい。手袋をつけているみたい。


「わあ」


 その声はジジルかな?隣から聞こえた感嘆な声を聞きつつ掌を見て………も、キラキラで分かんないんだけどねっ!終わったら最後に手を洗っておいで~、と言われたので備え付けのシンクっぽいところまで行ってささっとポメアに手を持ってかれたかと思うと―――ぱぱっと水をかけられてちゃちゃっと拭かれて終わりました………さすがだね、ポメア。


 掌を見ると地味に痛かった手のひらは痛くはなく………あ、摩れていたと思わしき痕がない。まだお酒の匂いが残っているけどすごーい!手が綺麗になっているね!


「先生、もしかして光属性ですか?」


「そうだよ~。回復と医師の知識を持っているからここにいるんだよね~」


 そりゃそうだ。


「クフィーちゃんの手のひらが綺麗になってる!すご~い!」


「ムルセクト先生の腕はヴィグマン魔学医に並ぶお医者様だよって聞いたよ!」


「そうなんですか?」


「ヴィグマン様には及ばないよ~。一番すごいのはヴィグマン様で~、次はそのお弟子さんかな~?僕はここでゆっくりしていられればいいし~」


 頭をかきながらへら~と笑っていますが、ゆっくりしていられればいいとか言いながら行動は早いよね。今もアルコールが入った瓶をさっさと片付けちゃったよ?なんで口調だけゆっくりなんだろうか?


 しかーし!ちょっと聞きたいことがあったとしても、私のお腹がっ………今回は可愛らしく鳴ったよ。そんな音を初めて聞くわ。くぅーってさ。すぐにジジルを見てしまってごめんなさい。思いっきり首をふられちゃったよ!!エリーなんか笑わなくてもいいよね!?てかこんな可愛らしい音なら誰の音だろう?って首をかしげるんじゃないの!?なんでそんな確定されているんだっ。


 とりあえず!お腹が減ったんだから食べに行くよ!ムルセクト先生っ、ありがとうございましたー!!


 でも勢いよく出ていってもすぐに追い付かれると言う結末はすぐそこの玄関です。もしかして私、実はデブではなかろうか………腕とか頬も普通だと思っているし、お腹もぎゅっと抱けるし、まあ細いかなと思っていたけど………ちょっと心配になったよ。普通だよね!?


 そんな心配を余所にいっぱい食べたけどさ!でもでも、騎士棟の方より控えめだからそんな大食いとは思われていないはずっ!ほら、そんなに魔力?を使っていませんしー?


 そんな私の食べっぷりは2人の友達の笑いネタです。いや、別にいいけどそこまで笑っちゃうほど?彼女たちのツボがわかりません。小人魔力もそうだし。君たちの普通はなんなのでしょうか?


 そんな疑問も午後の授業で忘れていっちゃうんだけどね。また同じ隣の教室に集まって、別の魔法師様が登場です!どんな雑学をやるのかと言うと………


「今から、魔力操作の練習だ。あとで複数の魔法師も来るのでまずは基礎の話をしよう」


 と言うことでお話しの始まりです。まさかの魔力操作でちょっと驚いておりますよ!果たして私は普通に出来るのかが心配です。ん?私の心配事はいくつあるんだろうかっ………


 内容はレーバレンス様が教えてくれたものとほとんど一緒。まずは魔力を感じること。感じ取ったら全体を把握したり動かしたりしましょって。


 それを聞いたエリーとジジルがにこにこ顔です。きっとまた小人島が展開されているのかもしれません。授業中なので話しかけないけど………浮いている気がするのは気のせいにしておこう。彼に睨まれているのも、気にしないでおこう。


 そんな説明をうけて五人の魔法師様が登場。みなさんの表情は疲れきっているような人と嫌そうな人。取っつきにくそうです。


 これから5人に一グループで別れてそこに一人の魔法師が付くから移動しろと言われました。机と椅子を避けて角四点と真ん中がぶつからないように2組。誰でもいいから行動してくれ、と言われたので必然的に私とポメア、ジジル、エリーの4人が固まる。もう一人はどうしようか?と悩めば………


「お前の鼻をへし折ってやる!!」


 と、よくわからない事を言うあの少年です。そう言えば名前はなんだろうか。聞いたっけ?聞かされたっけ?覚えていないや。


 名乗り出た少年は鼻息を荒くこちらに歩いてきたかと思うと私を睨む。ふん!と鼻をならされても、ね。私が思うにこれは組み合わせちゃ駄目な気がするんだ。だからまだ固まっていた魔法師を見てみる。さて、気づいてくれるか。お互いを見合わせて………なんか、微笑まれた。


 来てくれたのは金髪碧眼が似合いそうな青年。白っぽい顔を爽やかに挨拶してきた。ディズロ・パナーさんだって。よろしく、と言われたから少年を除いたみんなでよろしくと丁寧に返しましたとも。


「甥が迷惑をかけているね」


「親戚の方でしたか」


「妹の息子なんだよ。こいつ、結構な寂しがり屋でこうやって誰かに突っかかってないと落ち着けないんだよ」


「ちっげーよ!そんな事あるわけないだろっおっさんが!!」


「ここにいる時の私は魔法師だ。暴言は慎め」


 たしなめるけど………全然、聞いていないね。まるで飼い主に反感する子犬のように吠えて………寂しがり屋のわりには構ってちゃん過ぎると思うんだけどね。こっちはすごいのに、他のところにも魔法師が担当してお話しを聞いている。完全にこちらは出遅れています。勝負してないから別にいいけど。


 ディズロ魔法師が少年を押さえつける事によって魔力操作をやることに。重要だからともう一度ディズロ魔法師から魔力操作の基本を教えてもらい、ポメアからやることになった。少年は急に黙りこんだけど、なぜか睨むのを止めてくれない。元々がつり目なのかな?


 手を繋いで魔力を確認していく、と言うことなのでポメアの片手がディズロ魔法師に繋がれたら私たちは逆の手を掴んでいく。これで私たちもお勉強。少年?まず触りたがわらないからから放置だ。ディズロ魔法師の青筋は見えない見えない。


 ポメアの魔力操作はちょっと大雑把かな。ぐわっ!と動けるけど全部は動かせなくて途中から溢れていく感じ。ディズロ魔法師からここに集めてくれ、という指示でも、集める流れは早いけどやっぱり溢れている感覚があってたくさんは集まんなかった。


 なので、もう少し魔力を感じてみようか。という励ましが送られた。ちょっと落ち込んでいるようだけど、たぶんポメアならすぐに操作に慣れると私は思うんだよね。だってポメアって器用だからね。物覚えも早いし。


 次にやるのはエリー。最近は小人島のおかげで魔力操作がやり易いんだよ、と言ってくれたけど私は乾いた笑いしかっ………そんなエリーはゆっくりの魔力操作。私が見ていた時に比べて早くはなっているけど、まだまだかな。もしかしたら小人が波に乗っているだけかもしれない。海を見たことがないからスピードか出ないのかも?


「最終的にはじゅうぶんだけど、やっぱり遅いかな。これは慣れるしかない」


「難しいーです」


「頑張れ、未来の魔法師」


 ディズロ魔法師はわりと子どもが好きなんだね。そう言えば少年を怒っていたけど叩いたりはしていない。優しい青年なのかな?


 エリーが終わればジジルが勢いよく挙手。元気すぎて回りの気を引いてしまったが、本人にはノープログラム。やります!と言わんばかりにジジルの魔力操作を見ることに。


 ジジルは荒っぽくなったかな。たぶん早いんだろうけど、一度かき集めたら運ぶ量がけっこう大きい。集めてからじょじょに減らして加減している?か、逃げちゃっているか。もしも小人が波乗りで移動しているなら勢いで波に乗って壁に激突しちゃった感じ。そしてその波(魔力)が散っちゃう。そんな感じがする。


 そんなジジルにディズロ魔法師は笑いながら量を調節しようか、と言っていた。今のままだと魔法を放つさいに魔法文字の威力がまばらで魔法陣ができあがらず、魔力の無駄遣いになっちゃうかもしれないから、てね。


 魔力量を調節しないで書き上げても完成しないのか聞けば、出来ると言えば出来るのだが極端すぎると不発で終わってしまうらしい。一文字に太い文字と細い文字で書かれたものがちゃんと読めるか、と聞かれたら首をふるかな。だから不発に終わり魔力の無駄遣いだ、と言う事になるらしい。エモール先生はなんて言っていたかな………やばい、忘れちゃった。


 で、次は私かこの少年なんだけど………


「俺が先にやってすごいことを証明してやる!!」


 だそうです。別に誰が先にやろうと強さを証明されようと君は少年だからね。なにやら問題行動をいっぱい起こしている君に証明されてもなにも思わないのだよ、私。教室も違うし。


 だから素直に譲って触ろうとしたんだけど………叩かれた。みんなの手も叩かれた。ちょっとイラっとしたよ?不潔だと言いたいの?アルコール除菌ならさっき済ませたけど、なにか?


「エリアス。触らせないと証明できないぞ」


「別に触らなくても分かるだろう!」


「出来ないよ。ほら、証明するんだろう?肩や背中なら問題ないだろう?お前はこっちをみて集中しろ」


「くっそ!」


 いや、そこまで嫌うのってなんなの?私的にはディズロ魔法師がこのエリアスと言う少年の両腕を捕まえちゃったから見つめあう形の方が―――男の子的には集中もできないと思うんだけどね。あ、変な意味じゃないよ?身内が傍にいてほぼ個人レッスンでやりにくいかと思うんだ。


 まあ、そんなわけで少年の肩にそれぞれ手を置いて魔力操作をお披露目。なんと言うか―――自信満々なだけに魔力操作はうまい。すぐにディズロ魔法師か言った場所に魔力を移動させるんだけど………なぜか集まったらすぐに散る。集めたと言えば集めたんだろうけど、すぐに散る。集中はないみたいだね。やんちゃ君は伊達じゃない。


「お前………」


 そんなディズロ魔法師。にやにやしてますよ?なにがあったんでしょうね?とりあえず集中しろ、て軽く怒るだけで終わりました。まあ、確かに魔力操作は早いし上手だったと思うよ。うん。すぐに散らなきゃ証明になっていたと思う。


 そして最後に私………手を握ってもらって握ってもらった矢先に「うっ」と変な声は聞こえない。聞こえない。逆の手はジジルとエリーが平と甲を握ってポメアが私の肩に触れた。少年はそっぽを向いて睨んでいます。わけわかりません。


 では………と言われたので動かすけど………ちょっと集めただけでディズロ魔法師からお手上げって言われちゃいました。耐えきれないらしい。エリーもポメアもちょっと困惑した感じでお手上げだって。ジジルは魔力量の上位に位置するから平気みたいだね。きょとんとした顔が可愛いです。


 だがしかーし!これでは私の魔力操作を見てもらえない事が発覚したのだっ。これじゃあ私が魔法を放つときって一番近いお父様に見てもらうか手探りで行くしかなくなるじゃんかっ!


 じぃーと訴えて見るけど………もしかして、君のお父さんは?と言うお話しが持ち上がっちゃったから私の魔力操作は保留になりました!もうっ。


 しかたないから私も先生の方に回って、他人の魔力操作を感じて口伝で教えてもらうことになった。自分でできないからやりにくい。それからみんなで基礎を固めて、色々とやってみたりして午後は終わり。帰ります!


 結局エリアス少年は魔力操作のあと、なぜか静かになってディズロ魔法師に何か言われて走り去っていかれました。なんだったんだろうね、あの少年は。ディズロ魔法師はそんなエリアス少年を見てにやにやだよ。変な人たち。


 明日のお休みは何をしようかなー?




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