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プチ家族旅行3

銅 貨1枚100

大銅貨1枚500

銀 貨1枚1,000

大銀貨1枚5,000

金 貨1枚10,000

大金貨1枚100,000

白金貨1枚1,000,000


改訂いたしました。27.6.6

 馬に乗って遠出をする前に―――他の種類の馬を見せてもらえることに。ほら、手続きがあるからね!貸し出すにも手続きしとかなきゃ、もし返せなくなったら困るもんね。名前と期間とお金の前払いで取引が行われるらしい。もし決めた期間になっても帰ってこなかったら罰金なんだって。伸びた分だけ。


 朝の6の鐘まで戻ってこなかったら時間切れで、罰金は大銀貨1枚と金貨1枚。に、馬の数をかける。馬で商売しているからね。馬1頭が1万5千てなんだか安い気がする。貸し出しだからかな?いや、私の感覚がおかしいんだろうけどね。これ、たぶん貴族が出せる金額だよね?平民は無理かな。


 ポメアに聞いたことあるけど季節一つ分で白金貨1、2枚が貴族や大手の商人。平民は大金貨2~3枚で時給制。朝から夜まで働いて銀貨1枚から。高いね!と思ったけどここは王都。色々なところから物が届いて賑わっているが物価は高い。色々あるけど大体が銅貨3枚から。卵1個の値段。卵、1個が300………阿呆かっ。食費でもう節約しなきゃやっていけない!!


 お野菜もいも類が平たい籠で気持ちいっぱい(10~20個ほど)銅貨1枚。しかし、根菜から何本組で一つ銅貨3枚。家族3人で食費一日は軽く飛ぶ。雑貨なんか大銅貨1枚だよ………品質が古着で銅貨1枚~3枚。カツカツすぎるっ!


 しかし!兵士は時給、大銀貨1枚。騎士は下級から金貨1枚から上流騎士なら大金貨1枚。近衛の騎士で白金貨1枚からなので、兵士に入団して騎士を目指す男(男の子)は多い。むしろ王都の家庭事情で店を持っていなかったら男は兵士になるのが大体なんだって。季節一つ分が大金貨か、白金貨か―――でも、デメリットもある。


 ずっと訓練とかして家族には会えないけど、兵士に志願すればお金は貯まっていく。因みに外出時に申し出をして貯まってるお金を城から貰うらしい。言えば実家にお金も送れる。城は銀行か何かか?貴族様は自分で管理だよ!見習いはもらえないけど。だから早い段階の10歳当たりから兵士を目指して家の負担を減らす男が王都には集まってるって。兵士で大銀貨だもんね。そら兵士になったりした方がちょっとは家庭が助かるね………戦争に、出なきゃいけないけど。


 魔法師も似たような感じらしいんだけど………お父様、十進魔法師だから近衛だね。白金貨だね。100万………王宮筆頭分も、入るのかな?うん。お金の話はもう考えないでおこう。


 そんな事より馬だよ。ウパカラマは後でいいとして、ウヒヒンマとウブルルマとウママンのお馬さんカルテットをぜひみたい。きっとファンタジーだけあって変に違いない!案内を頼むよ、ウェクトクくん!


 髪と瞳の配色がお父さんのウェルターさんと一緒。さっきのおろおろしていた少年。なんと、まだ12歳だそうです。ごめん背が高かったから青年だと思った。そりゃあまだ裏方だよね。いや、わかんないけどさ。


「あの、こっちが力自慢のウヒヒンマです。名前はリリ」


「うわ………(名前が可愛い………)」


「まあ。なんて太い足ですの?まるでゾゾンみたいですわ」


 ゾゾンて、なに?


「でも立派だな。ゾゾンには劣るが確かに力がありそうだ」


「そうね。ゾゾンはもう少し太くて大きいものね。クフィーは近寄っては駄目よ?潰されてしまうわ」


 いや、お母様………さすがに近づきたくない。見てよ、あの逞しすぎる太い筋肉の足。体格………体格?馬に体格はありかな。まあ、身体は普通だと思われるウパカラマより小さめ。ポニーみたいにちょっとだけ小さくて見た感じは普通の馬。おかしいのはそのついていている足。


 逞しいそれはデデン!!と短い丸い円柱。胴体まではウパカラマと変わらず細いくせに足だけはまるで象の用に太く丸い。親の象に匹敵する太さだよ!ああ、ゾゾンってもしかして象?今度は動物の図鑑でも読んでみようかな………あれ、ゾゾンの足ってあれより太いの?歩けるの?謎だけが残るっ!!


 ウヒヒンマを撫でながら説明するときはウェクトクくんは通常に戻るらしい。馬しか見ていないけど。普通に説明してちょっと馬と戯れていた。短い足がなぜかあがってそれを受け止めるウェクトクくん………両手で支えている………………重くはないのだろうかっ?確かにあれは私だと潰れるね。てかあの丸々な円柱の足は柔軟性があるらしい。すんなり曲がった。


 次にウブルルマ。癒し系ですか。なんだかウヒヒンマだけで疲れちゃったんだけど―――お父様、まだ?でもウェクトクくんは説明をしてくれるっ。馬に癒されたおかげかもうその顔には緊張の色なんてないよ!


「こちらが鑑賞用とされるウブルルマです。名前はロイです」


「………………うん。鑑賞用です」


「………わたくしには見るだけでじゅうぶんですわ」


「鑑賞用だけはある。これは誰か買うのか?」


「そうですね~………名前は言えませんが公爵様が今年の春に2頭ほど買っていかれました」


「まあ。ご自分の鑑賞用かしら?それともどなたかにお見せするのかしらね?」


 どっちも買った瞬間にその人たちの美的センスを疑うよ。だってこのウブルルマって言う馬………気持ち悪い。なんて言うのかな、全体的に線が細い。顔も。胴体も。足も。ガリガリではないけど、細い。一番酷いのは顔だよ!お前オスのくせにまつげ長いな!?何センクターあんの!?3センクターは絶対にあるでしょっ!?鼻の穴ちっさっ!口もなんだか上と下に線が入っていて立派な唇に見えてキツいっ!細目のそれは流し目か!?横向きながらこっち見るな!馬の顔が長いせいかおネエにしか見えない………気持ち悪いよぉぉおおっ………


「ウママンは立派だぞ。あるよな?行こう」


「騎士が乗る馬はわたくしも見たことありませんわ。トール兄様が言うなら間違いありませんわね」


「そうね。ウママンは立派よ」




 アーガスト家はウブルルマから離脱した。




 致し方ないよ!さすがに鑑賞用として見ているのも辛いっ。トールお兄様ナイスっ!!その勢いで私たちは次の馬、ウママンへ行く!ウブルルマは柵から出られないから放置で大丈夫だよ!さあウママン、君に会いに行くよ!頼むからまともな馬にっ。ファンタジー抑えめでちょっと逢いたい!


「こっちが騎士様たちがよく使う一般に出回ってるウママンのダンです。格好いいですよね!」


「………こゆっ」


「クフィー?何か言いました?もしかしてあまりの凛々しさに驚いてしまったの?可愛いわね」


「ウママンはもう馬会の顔だからな。主流はこいつだし、騎士とよく釣り合うぞ。ウォガー大隊長がこの上に乗ればその勇ましい姿に指揮は昂る」


「これならわたくしも扱えそうですわ。今度はこちらに、とお父様に言わなくてはなりませんわね」


 もう、どこから突っ込めばいい??お母様、あまりの凛々しさに絶句したんじゃないよ。濃すぎる顔に絶句したの。トールお兄様、勇ましいけどそれはこの馬の顔のせいだと思う。ウォガー大隊長が乗れば………と言うかウォガー大隊長自身が勇ましいよ!リディお姉様、馬術をいつの間にっ!?


 なにがなんだか―――ちょっと現実についていけなくて私は馬に視線は釘つけ。いや、カッコいい、ん、だよ?カッコいい、けど、私には受け付けないものがある。なんだ、あの立派な顔。外国人顔負けの彫りが深くて顔の骨格にメリハリがある馬は。目が窪んで見えるせいか骨が眉毛になって怖い。立派な鼻筋が出来上がっていて鼻が高いのか面長のはずなのに小さく見える。口元はぎゅっとヘの字。馬と言うより犬………怖い。こゆい。もはや顔が馬に見えないっ………


 乗っていいか、とトールお兄様がちょっと嬉しそうに訪ねている。ウェクトクくんは快く承諾してトールお兄様を導いていた。さすがと言うべき身のこなしで手綱を引っ付かんだだけでその馬の上に乗った。トールお兄様は格好いい。馬に乗って背筋を伸ばしてちょっと嬉しそうに微笑むとか絵になる。でもちょっと目線を下にしたら濃ゆい馬の顔。それが残念でならないっ!私にはウパカラマがまともな馬に見えてしかたがないよ!足が6本あるけど!!あいつが特殊すぎる!!


 私はちょっと後ろで控えながらみなの様子を眺めていた。家族の中ではウママンはどうも人気が高いらしい。リディお姉様もお母様も馬の顔を撫でて嬉しそうに微笑んでいる。ごめん。馬が普通の顔ならいい絵面なのに………美人の顔に並ぶこゆい顔は残念にしか見えない。触りたくても気力は私にはすでにない。


 因みに運よくウママンの子馬がいるらしく、期待せずに見せてもらったが、これは可愛かった。これこそが普通の馬の顔だった!つまり将来はああなる………可哀想にっ!逃れられない運命を背負わされた可哀想な子馬!!可愛さは子どもの頃だけって言うのは伊達ではないよ!!こっちは堪能しておいた。肌触りはまだ柔らかくていいよっ。


「手続きが終わったから行こうか。リディ、おいで」


「お父様がわたくしを乗せて下さるの?」


「綺麗な娘を乗せる、お父様の特権さ!」


 お母様どうした。


「ふふふ。トールは私を乗せてね?せっかくの馬で遠出ですもの。親子水入らず、母様を楽しませてね?」


「………そう来たか」


「なにか言ったかしら」


「いいえ。どうぞ、母上」


 お母様の手を取るトールお兄様………やっぱりトールお兄様が格好いい。トールお兄様、お母様のエスコートを頑張って!―――もしやお母様とお父様はこれを狙っていたのでは………?侮れない。


「相変わらず夫婦、親子問わずに注ぐ家族愛が怖ぇな。親子水入らずで普通は馬なんか選ばんぞ。………………………この後3頭が平行して並んで走るとか馬の意味あるのか………?因みに嬢ちゃんはやってほしいか、あれ」


「普通にお願いします」


 お手をどうぞ、とか。引き上げてくれるわよね?とか。両親がなんだか暴走しているんですが、気のせいであってほしい。手を貸して乗せたお父様は馬(ウパカラマ)に乗ったリディお姉様をべた褒め。馬に乗る美しい少女が眩しいらしい。照れるリディお姉様がわからない。


 逆にお母様の方はトールお兄様に引き上げてもらうことをご所望。先に乗ったお兄様の手と踏み台の力を借りて前に乗っていた。すごく満足そうな顔でお父様に見せていますね。対してお父様は絶賛してリディお姉様の後ろの乗り、同じだね!とかみんな素敵だとかどうとか騒いできゃっきゃっうふふ状態。そんな中でトールお兄様がどこが遠い目をしてモアイと化していた………


 ねぇ、ウェルターさん。これが夕方まで続くの?確か飛ばして夕方とかなんとか言っていたよね?人が前に乗っていたら飛ばせないと思うんだけど………私はウェルターさんにしがみつけないから前だね。小さいから飛ばされそうだし。


 ははは。子どもらしく脇に手を突っ込んで持ち上げてくれたわ。そしてその後ろにウェルターさんが乗る。実に軽やかです。さあ、2頭のところに向かいますよ?心の準備はいいですか?突っ込みどころが色々あるけどもう気にしない。貴族だろ?とかその辺。さっさと目的地へ向かおう。そうしよう。


「ウェルター、クフィーに変な事をしたらただじゃおかないからな?」


「子どもに変な事ってなんだよ………いいから行くぞ。そろそろ9の鐘がなる」


「クフィー、何かあったら叫ぶんだよ!?トール、母様を私の代わりにしっかり支えてやってくれ!リディ、準備はいいかい?それじゃ、行こう!」


 早いよ!と、私の心の声が叫ぶ。しかし、お父様の合図で駆け出す3頭………不思議と揺れは少ない。ああ、足が6本もあるから?そのままの勢いで王都の貴族街を抜け、ぐるりと回ってかけて街の裏を抜けて曲がってかけて進んで曲がって―――どこ、ここ。もうすでに分からなくなった。東西南北すらわからない。やけに速度が落ちたと思ったら関所にたどり着いたらしい。お父様、トールお兄様、ウェルターさんの順番で何かを見せて通らせてもらっていた。ここでようやく分かったんだけど、ここは『王都フェルニ』って言う街らしい。知らなかったし気にしなかったよ。


 そう言えばお父様の書斎にあったのって王都の話がなかったな、とか今さら思ってみたり。うーん。ポメアも知っていると思って教えなかったのかな?まあこれから覚えておけばいいか。


 それで、さ。このウパカラマってちょっと優秀だと思うんだ。何が優秀かって?上下運動がそんなにないからだよ。トトトン、トトトンと前足左右、後ろ足左右に駆け出すんじゃなくて、右足は右足は。左足は左足で歩くらしい。やっぱり6本もあったらバラバラに動かせないみたいだね。だからこんな軽快な会話が出来るんだよ。


「風が気持ちいなー。家族で遠出は久しぶりじゃないか?」


「そうね。どこかで邪魔が入るばかりでこんなにゆっくりできるのは久しぶりだわ」


「わたくしが5つの時が最後ですわ。牧場なんて初めてですわね?なにかありますの?」


「クフィーの初!遠出だからね。動物は癒されるし、ウェルターに丁度、運よく、五日の休暇が取れてね。いい機会だから牧場にしたんだよ」


「………ウェルターさん、丁度、運よく、父上と休暇が取れたんですか?しかも五日も」


「トフトグル―――そんなわけないだろ。いつの間にか決まっていて俺は昨日に教えられてグレストフの見張りだっ。休暇でもなんでもない!」


「休暇と言うなの、お仕事ですか」


「俺はそう思っている。嬢ちゃん、頼むから親に似るな。親子二代に渡って俺は面倒をみきれない」


 いや、まあ、そうだね。お父様だけでも凄まじいと思うんだ。きっとウェルターさんの休暇はお父様が仕込んだに違いない。騎士と魔法師の休暇―――それも五日も合わさるなんておかしいじゃん。お父様、ついに休暇までいじれる人だったんだ。陛下の優しさが霞んでいくよ………


 そのまま乗り心地抜群のまま牧場へ。景色を楽しむ時間などなく会話は弾み、わーわー言いながらアーガスト家は隣の街、『カムレア』に到着。街はどことなく木々がたくさんあって、きっと眼に優しい環境に違いない。違いないのにスルーでまた細かい道なりを進んでいつの間にか山にいた。会話に集中しすぎたよっ。


 お父様に「ついたよ」て言われるまで気づかなかった。陽が沈むギリギリでたどり着いた場所はアルプスっぽい丘の上。白黒が残念でならないほど、静かでゆったりとした広い空間。アルプスでいいよね!




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