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遠い記憶の守人  作者: 名波 笙
成長記録
30/99

諦めた恋の行く末 4






 ベッドに突っ伏していたギネヴィアは、ノックの音で目を覚ました。いつの間にか眠っていたようだ。

 起き上がり、ぼんやりとベッドに座る。


「お嬢様?」


 もう一度扉が叩かれ、声が掛けられる。

 ギネヴィアははっと我に帰る。

 ひょっこりと姿を現したのは、長年伯爵家に仕えてきた女中だ。

 ギネヴィアは立ち上がり、若干皺の寄ってしまったドレスを引っ張る。


「ごめんなさい。眠っていたみたい」 

「お客様がお見えですが…その前にお着替え致しましょう」

「お客様?どなたかしら?」


 ギネヴィア自身、予定外の帰宅である。ここに彼女がいる事を知る者は少ない筈だ。

 ギネヴィアが訊ねても、女中は答えてくれなかった。

 呼び鈴を鳴らし、若い女中に着替える旨を伝える。彼女も勢い込んで頷くと、クローゼットを開けた。


「どれになさいましょう?やはりここは、着る機会のなかった薄紫のドレスでしょうか?」

「それ、夜会用のドレスよ?急なお客様だし、室内用のもので充分……」

「あまり気負ってもおかしいでしょう。先日届いた、水色のものにしましょう」


 それもお茶会用のドレスだ。部屋着ではない。

 ギネヴィアは訳が分からないまま、着替えさせられた。続いて鏡台の前に座らせられ、髪と化粧を直される。

 ネックレスにイヤリング、結った髪には真珠のついたリボンまで巻かれ、困惑は増す。


(……まさか………)


 予感はした。けれど、それを否定する自分もいた。

 ギネヴィアは緊張の面持ちで、私室を出た。客のいるという応接室へ向かう。

 女中によって扉が開かれる。


「お待たせいたしました」


 何故か女中が言えば、中では王都の屋敷仕えの執事が待ち構えていた。

 まだ若い彼は、領地屋敷の家令であるシーザーの息子だ。父同様、表情に乏しい。

 彼が脇に避ければ、昼間会った顔がそこにあった。顔に一気に血が上る。

 そのまま回れ右しようとすれば、訳知り顔の女中に押し留められた。応接室の真ん中まで背中を押されて歩かされる。

 執事が一礼する。


「それでは失礼します」

「ちょっ…!」


 呼び止める暇もなかった。あっという間に扉が閉じられる。

 妙齢の男女が話をする際、通常扉は開いておくものだ。間違いが起こらないように。

 しっかり閉められた扉を前に、ギネヴィアは行き場を失くした手を伸ばしたままになった。

 後ろからカップを置く、微かな音が聞こえた。


「…君が逃げた後」


 静かな声に、ギネヴィアはびくりと身を竦ませる。振り返る事も出来ず、そのまま立ち尽くす。


「一人で老師せんせいの所へ謝罪に行く事になって…かなり絞られたんだけど?」


 そういえば、廊下を駆け抜けた時、そんな話をしていた気もする。

 学者棟の老師はおっとりした様子に似合わず、かなりの毒舌家だ。チクチクと小言と嫌味を繰り返す為、精神的にがっつり削られる。

 

「ごめんなさい……」

「仕事に戻れば、王太子殿下と護衛騎士に散々からかわれるし。家に帰れば、末の弟にまで生温い目で見られるし?」


 乾いた笑い声が響く。

 ギネヴィアは両手で顔を覆い、その場にしゃがみ込んだ。


「ごめんなさいぃ~!」


 情景が見えるようだ。逃げ回った際、あちこちで目撃もされている。今日一日、方々(ほうぼう)に生温い視線を送られたのだろう。

 さっさと逃亡してしまったギネヴィアはその後、自分の発言の数々に一人ベッドで悶絶していたが。

 顔を真っ赤にしてうずくまるギネヴィアの足元に、影が落ちた。


「立って」


 やんわりとした口調に、逆らえない厳しさが混ざる。

 ギネヴィアはよろよろと立ちあがった。恐る恐る振り返れば、酷く冷ややかな水色の瞳があった。ぞくりとした震えが、瞬間的に体を走った。

 ぽすん。

 ギネヴィアの胸元に、リボンの巻かれた一輪の薔薇が落とされる。慌てて受け止めれば、片手を取られた。

 彼の身が屈められる。


「改めて申し込む」


 片膝をついたシェリオンは、真っ直ぐにギネヴィアを見つめた。

 ギネヴィアの鼓動が跳ね上がる。


「迎えに来た。どうか結婚して欲しい」


 直球な求婚の言葉は、今度はストンとギネヴィアの中に落ち着いた。同時に、ポロリと涙が零れる。しっかりと薔薇の花を握る。

 ふっとシェリオンの表情が緩められた。


「返事は?」

「…っ!」


 ギネヴィアは顔を歪める。今、声を出したら涙が止まらなくなりそうだ。

 けれど何も言えず、このままでいたら、きっとまた勘違いされる。

 意を決し、ギネヴィアはシェリオンに抱きついた。しっかりと肩に手を回す。ぎゅうぎゅうと抱きしめれば苦笑する声が聞こえた。


「ちゃんと返事が欲しかったけれど……これはこれで、君らしいか」


 ふわりと抱きしめ返され、ギネヴィアはシェリオンの肩に顔を埋めた。背中を撫でられる。


「好きだよ、ギネヴィア」


 耳元で囁かれた。ギネヴィアはただ眉根を寄せて、泣くのを堪える。きつく抱きしめる事で、全ての返事にした。

 シェリオンがくつくつと笑う。


「とりあえず式を挙げるまでには聞かせてくれる?君が俺をどう想ってくれているのか」


 何かがギネヴィアの許容量を越えた。

 これを境にこの日の彼女の記憶は完全に途絶えて、気が付いたら私室のベッドの上で、朝だった。

 心配した女中に顔を覗き込まれていたのである。






   ◆◇◆◇◆◇






 数日後


 王都のグランフェルノ邸に、オーゴット伯爵一家が訪れた。正式な婚約を発表する場の準備や、結婚に向けた支度の話し合いをする為…といえば堅苦しいが、単なる両家の顔合わせの為の食事会である。

 何を今更という感がなくもない…が、末の弟の事を考えれば、仕方ない事だった。

 シェリオンは溜息を吐く。

 その肩にレイモンドが手を回した。


「何浮かない顔してんだよ。ウチの可愛い妹をゲットしておきながら」

「ウザい義兄が居なければもっと良かったなーと思ってね」

「ははは。お義兄様と呼んでくれていいぞ」

「死んでも呼ばないから安心しろ」


 食事会の後の歓談の席で、既にシェリオンは辟易していた。

 ギネヴィアの兄であるレイモンドは、決して悪い人間ではない。全く裏表がなく、朗らかで気さくな人間だ。善く言えば。

 本音をぶっちゃければ、馴れ馴れしくて、考え無し。

 レイモンドの手の甲の皮を摘まんで捨て、シェリオンは再度溜息を吐く。

 レイモンドが子供のように頬を膨らませる。


「何だよぅ。俺だってもっと可愛い義弟が欲しかったやい」


 そう言って、女性陣の方へ目を向ける。

 ギネヴィアとアルティアが何かを話し込んでいた。その様子を、公爵夫人が微笑ましく見守っている。


「かあさま。はくしゃくさまにいただきました!」


 そこにレグルスが走りこんでくる。手には小さなガラス細工を持っていた。

 レグルスはフード付きの白いケープを纏っている。見知らぬ人の前で姿を曝すのを嫌がる為だ。

 母は目を細め、レグルスの頭を撫でた。


「よかったわね。お礼は言いましたか?」

「はい!かあさまにみせてきてもいいって、いってくださいましたよ」


 羽のふちを金で彩った隼の置物を、レグルスは嬉しそうに両手で掲げ持つ。

 フィッツエンド王国のガラス細工は、既に一つレグルスの部屋に置いてある。湖面を泳ぐ白鳥を模したものだ。レグルスが行方不明の間に過ぎた六歳の誕生日の贈り物として、父が用意したものである。

 羽を広げ、今にも獲物に襲いかからんとする隼は、優美に佇む白鳥とはまた趣が違う。

 白鳥の隣に並べるのだと興奮気味に語るレグルスに、皆が温かい眼差しを向ける。

 レイモンドが呟く。


「ふ~ん。なかなか可愛い反応じゃないの」

「あれはウチのだからな」

「妹の夫の弟。すなわち俺の弟!」

「略しすぎだ!!」


 スパンっとシェリオンの掌が、レイモンドの後頭部を直撃した。拳で殴らなかったのは、祝いの席でのせめてもの情けである。

 レグルスが振り返った。


「シェルにいさま!」


 トテトテとこちらに駆け寄ってくる。

 壊れやすい物を持っているのだから、あまり走らないで欲しいと思いながら、シェリオンは表向き笑顔で弟を迎えた。

 兄の想いなど全く気付かず、レグルスはガラスの隼を兄に見せる。


「みてください。はくしゃくさまにいただいたのです!」

「綺麗な隼だね。迫力もあって、今にも襲いかかってきそうだ」

「はい。はくしゃくさまがとくべつに、とりよせてくださったのだそうです」

「よく、この子が好きなものをご存じでしたね?」


 最後の一言は、父公爵と共に現れたオーゴット伯爵その人に向けられたものだ。

 普段は眼光鋭い目を緩ませ、伯爵は身を屈めた。フード越しにレグルスの頭を撫でる。


「公爵の失敗談を伺っていたのでね。無事に見つかったら、是非贈らせてもらおうと思っていたのだよ」

「うれしいです」


 レグルスは隼を口元に当てる。フードで表情は見えないが、満面の笑みを浮かべているのだろう。

 後ろで父が苦い顔をしている。


「随分昔の話を……」

「子供たちに嫌われたと、私に泣きついてきたのは誰だい?忘れようもないね」


 オーゴット伯爵はグランフェルノ公爵より十三歳年上だ。幼い頃は兄のように慕っていた為、今でもどうも頭の上がらない事が多い。

 ちなみに、レイモンドはシェリオンより四つ年上だが、兄のように慕おうとは全く思わない。

 レグルスに付き添い、父親たちに付き従っていたハーヴェイも戻ってきた。疲れたような、乾いた笑い声を洩らす。兄にだけ聞こえるように囁く。


「凄かったぜ。父上の失敗談」

「うん。聞きたくないから言わないでいいよ」

「そう言わないでくれよ。レグルスの涙ぐましいフォローがなけりゃ、オレ、今頃立ち直れなかったかも」


 何をやらかしたんですか、父上。

 シェリオンの肩に頭を乗せ、ハーヴェイはぐったりとしている。


「……後でね」


 シェリオンは弟の頭を撫でてやった。

 伯爵が現れた途端レイモンドが静かになっていたので、ここの父子も相変わらずだなとシェリオンは内心苦笑いをする。

 ツンツンと、レグルスに袖を引っ張られた。視線を下ろせば、にこにこと笑うレグルスが居る。


「にいさま。はくしゃくさま、こんどはザグラムのみずみせきをみせてくださるって」


 水御石。美しい湖面を固めたような姿から名付けられた宝石だ。非常に希少価値が高く、西のザグラム王国でしか採れない。

 シェリオンも数えるほどしかお目にかかった事はないが、成人して間もない頃、ザグラム王国の大使に言われた事がある。「貴方の瞳は最高級の水御石のようだ」と。

 その大使に男色の気があると知ったのは、大使の帰国後である。王太子曰く、リスヴィア王国筆頭貴族の嫡男という立場が、大使の毒牙から守ってくれたらしい。

 思わず遠い目をしていると、弟の小さな手が目の前を往復した。


「あっ、ああ。ソレハヨカッタネ」

「なぜかたことですか?」


 レグルスはキョトンと兄を見上げていた。

 事情を知るハーヴェイがレグルスを抱え上げる。


「兄上は気になる事があるんだよ。今度はレイモンドに遊んでもらおうな」

「レイモンドにいさま?」


 レグルスとしては、年上の男性に対する感覚で発言したのだが、相手はそう捉えなかった。

 静かに大人しくしていたレイモンドの顔が、ぱあっと輝いた。


「ほら!俺の弟!!」

「ざっけんな!」

「くたばれ」


 シェリオンの拳とハーヴェイの蹴りが、可哀想なオーゴット伯爵令息を撃沈した。

 突然の事に、レグルスが口をパクパクさせている。


「ははは。発言には気をつけた方がいいぞ、レイモンド」


 オーゴット伯爵は爽やかに笑っていた。




「ぼうりょくはいけません」


 レグルスは真面目な顔で言った。そして少々乱暴に、兄二人を部屋から追い出したのである。

 二人は顔を見合わせていた。


「……まあいいや。オレはこのまま騎士団の方へ戻るわ」

「そうやって面倒を押し付けるんだな?」


 父親たちが居るから、レイモンドもそう無茶はしないだろう。だが、拗ねたレグルスのご機嫌取りがなかなか大変なのである。

 ハーヴェイがひらひらと手を振る。


「まあまあ。庭でも散歩して、時間をおいたら?でさ」


 そう言って口の端を上げる。

 シェリオンがキョトンと弟を見つめていると、視界の端に紅いものが映った。そちらに視線を移す。

 そこには顔を真っ赤にさせたギネヴィアがいた。


「じゃ、オレ帰るから。クリストフ、父上たちに伝言!十日後の休みには戻ります」

「かしこまりました」


 シェリオンの更に後ろから執事の生真面目な声がした。

 唖然とするシェリオンを置き去りに、ハーヴェイはさっさといなくなる。姿が見えなくなって、我に返る。振り返るが、執事の姿は何処にもない。

 隣に視線を戻した。

 恥ずかしさで目を潤ませたギネヴィアが、眉根を寄せた状態でこちらを見上げていた。

 ふっと笑みが漏れる。


「ひどい…笑うなんて……」


 震える声で非難されても、やっぱり可愛いだけだ。

 シェリオンは手を差し出す。


「失礼しました、ギネヴィア嬢。どうぞ当家の庭をご案内する許可を頂けますでしょうか?」

「……ゆるします」


 ギネヴィアはつんと顎を逸らし、差し出された手に己の手を重ねる。

 シェリオンは嬉しそうに、ついと手を上げた。指先に唇で触れる。


「っ!!」


 手を引き抜かれそうになったので、しっかりと握りしめる。


「さて、庭に行こうか」


 すっかり生気の抜かれたギネヴィアはよろりよろりと、シェリオンに引っ張られるまま、つられて歩いた。

 はたと正気に戻れば、既に庭のど真ん中にいた。重ねていた手は、いつの間にかシェリオンの腕に絡められている。

 見上げれば楽しそうな婚約者の顔がある。

 ギネヴィアは少し躊躇った後、絡めた腕に体を寄せた。


「どうしたの?疲れた?」


 ギネヴィアは首を左右に振る。ぎゅっと袖を掴む。

 婚約が決まってから、上手く笑えていない。特にシェリオンの前では。

 今日も言われたのだ。出迎えてくれたレグルスに。




 五年ぶりに出会った少年は、フードの上からでもわかる程痩せ細っていた。それでも生きていてくれた喜びで、思わず抱きついてしまったのである。そして大泣きしてしまった。

 レグルスは小さな手でギネヴィアの肩を撫でながら、懸命に慰めてくれた。


「なかないでください。ぼく、ギーねえさまをなかせるためにもどったわけじゃ、ないのですよ?」


 そして「はじめておあいしたときみたいに、わらってください」と言われては、無理矢理にでも笑顔をつくらねばならなかった。




 シェリオンはごく自然に笑っている。五年間も忘れていたというのに。

 視線の先の笑顔が僅かに曇った。


「ごめんね」

「え?」

「俺だけ幸せで…ごめん」


 ふわりと体が包みこまれる。反射で押し戻そうとしたが、力で抑え込まれた。


「時間をかけてゆっくりと…とも思ったんだけど。もう手放せないんだ。ごめん」


 抱きしめられる力が強まる。ギネヴィアは思わず顔を顰めてしまったが、苦しい程ではない。


「レグルスが戻って来て、ギネヴィアが傍にいてくれて。どれも諦めてしまっていたから、今すごく幸せ」


 ギネヴィアは顔を上げる。そっと手を伸ばした。頬に触れる。

 シェリオンは寂しげに微笑む。

 とても幸せそうには見えない。ギネヴィアは両手でシェリオンの頬を挟んだ。


「私もよ」

「……本当に?」

「ええ。好きな人に求婚してもらえて、婚約出来て、とっても幸せ」


 するりと首に腕を回す。


「だいすき」


 自然に言葉が出ていた。

 強く抱きしめられ苦しかったが、耐えられないほどではない。大人しく肩に頭を凭れかけさせた。

 どれほどそうしていたのだろうか。腕の力が緩み、密着していた体が離れた。

 ギネヴィアは顔を上げる。すぐ傍にシェリオンの顔があった。そのまま目を閉じる。



 が。




「レイにいさま!ちょっとそこにおすわりなさい!!」




 レグルスの怒鳴る声が聞こえた。勿論屋敷の中からだ。

 二人は顔を見合わせる。


「…お兄様、何をしたのかしら……?」

「どう聞いても、説教モードだったな」


 シェリオンが深い溜息を吐く。腕を解いた。


「戻ろう。レグルスが心配だ」

「そうね。お兄様なんてどうでもいいけれど」


 まだ怒鳴り声は聞こえてくる。「どうしてにいさまは…!」とか「それはいいわけにもなりません!!」とか。二十二歳が十歳に本気で怒られている。

 ギネヴィアは思わず笑ってしまった。


「本当にしっかりした弟様ね」

「う~ん…どうしてこうなったかなぁ……」


 シェリオンが唸る。

 ギネヴィアはさり気にその手を握った。緩やかな力で握り返される。ほんのりと頬が染まる。


(これから一生、こうしていければいいな)


 シェリオンの表情を覗き見れば、何か困ったような様子だ。

 それさえ嬉しくて、ギネヴィアは視線を伏せる。自然と笑みが浮かぶ。


「ギー」


 呼びかけられて、顔を上げた。ふわりと微笑む。


「なあに?」

「一生大事にするから…もう、泣かせないから」


 シェリオンは握っていた彼女の手を引き寄せた。耳元で囁く。

 ギネヴィアはくすぐったそうに首を竦める。


「勿論よ」

(だからもう、置いていかないでね)


 心の中で呟いて。




「レイにいさまーっ!!」

「ホントにごめんってえぇえ!!!」




 本気で切れ始めたレグルスの声に、レイモンドの泣き声が重なった。

 二人は大慌てで部屋に戻ったのである。






誤字脱字の指摘、お願いします。


タグに恋愛入れられるくらいに!と思ったのですが、無理でした。

入れようか悩んで、結局抜いたシーンを活動報告に上げておきます。

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