親子の過ちの結末
もし、あの過ちがなかったら、私達は、仲の良い親子で終われただろう。あれは、夏の暑い盛りの日だった。
私はゆかり。20歳。私の父は、哲也。42歳。私は、4人家族。母と兄がいる。私達は、その時までは、仲良し家族だった。
その日は、家に、私と父しかいなかった。私は、部屋で、大学の勉強をしていた。そこへ、父が入ってきて、いきなり、抱きついてきて、キスを、された。あとは、父の力には勝てなくて、関係を持ってしまった。
私は、とても、後悔していた。父といえども、男だったのだ。図書館か、どこかで、勉強するべきだった、と、後々、後悔した。
私は、すべてのものを、失ってしまったように、感じていた。もう、母にあわせる顔がなかった。家族と一緒に、暮らすこともできないと、思っていた。こんなことになるとは、思っても、いなかった。
私には、誰も、このことを、相談できる人は、いなかった。一生、自分の心の中にしまっておかなくては、いけない事だと思っていた。
それは、とても、苦しいことだった。
私は、母に、家を出たいと、相談した。母は、何で、急にそんなことを言い出すのか、不思議に思っていた。結婚するわけでもないのに…。私は、早急に、荷物をまとめて、家を出た。とりあえずは、親友の真由子のところに身を寄せた。このことは、真由子にも、相談できなかった。
しばらくたったある夜、兄の圭一から、電話がきた。話したいことがある、と、言ってきた。家の近くのカフェで、兄の圭一と、会うことにした。圭一は、「あの日のこと、俺、見てしまったんだ。」と言った。私は、血の気がひいた。もう、終わりだと思った。あの悪夢を、兄に、見られていたのなら、おしまいだった。
家族が、バラバラになってしまうと、思った。どうにかしようにも、もう、どうすることもできない気がしていた。
しかも、兄にも、弱みを握られて、関係を求められたのだ。もう、終わりになった、と、思った。兄のことは、大好きだったが、兄妹の間柄での話だった。兄には、怒って、断った。兄妹の間でも、埋められない、溝が、できてしまった。
このことを、私は、誰かに、相談したくなっていた。誰も浮かばなかったが、やはり、母に、相談したかった。
母を、相談があると、ファミレスに、呼び出した。すべてのことを、母に話した。母は、しばらく、考えこんでいた。母は、そうだったんだ、それで、あなたが、家を出たのね。母は、遠くを見つめて、お母さん、離婚するわ、と、言った。ゆかりがしっかりしていれば、大丈夫だよ。と、言ってくれた。やはり、家族が、壊れることになってしまったと思った。責任は、自分にもあるような気がしていた。
その後、父と母は、離婚して、兄の圭一も、家を出た。本当に、家族は、バラバラに、なってしまったのだ。あの日のことがなければ、仲の良い親子だったのに。
私は、こうなったけど、これは、家族のひずみが、生み出した結果では、ないかと思えた。これで、家族が、ある意味、前向きに生きられるのかもと、思っていた。




