第10話.水族館
今日は日曜日。特にやることもなくダラダラ過ごしていた。暇だなぁ。その時スマホからポコンと通知が届いた。「ゲッ」蒼原だ。
『せーんぱいっ!』「何」『今日デートしましょ!』「無理」『やったー!どこ行きます?』「文字見えるか?」『うーん…あ!水族館とか!』「金ない」『俺が払います!』…別に暇だしなぁ。いっか。「いや自分の分は払うわ」『え!来てくれるんですか!?』「暇だから」『やったー!』「何時どこ」『13時に〇△水族館で!』「はーい」…準備するかぁ〜。
ていうか俺なんかよくアイツに流されてる気がする。もしかして本当は惚れてたり…いやないない!!
大丈夫だ…うん!
「思ったより早く着いちまった…」
『俺もです♪』「うわ!?」いきなり後ろから声を掛けられてびっくりした。『先輩の私服可愛いです♪』「はいはい行くぞ」…なんか無駄にスタイルいいの腹立つなぁ蒼原!!あと顔良いし!!
「…綺麗だなぁ」『そうですねぇ』「俺の方見て言うな」大きな水槽の前に立って二人で眺めた。『…俺魚好きなんです』「知ってる」『え?』「いつも鞄に付けてるだろキーホルダー」『…先輩はよく見てくれてるんですね俺を』「…はぁ!?そんなことねぇよ馬鹿!!たまたま!!」『可愛いです♪』「うるせー!」
『…先輩』「ん?」『手繋いでいいですか?』「ダメ」『お願いです』辞めろキラキラした目で見るな!!…クソッ周り誰も居ねーし…「人来たら辞めるからな」『!!…はい!!』そっと手を繋いだ。蒼原の手は暖かかった。
『とっても楽しかったですー!』
「…そーだな」『また来ましょ♪』
「はいはい」
ほんの少しだけ、距離が縮まったような気がする。




