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転生したら悪役令嬢みたいなんだけど、最強護衛メイドたちが勝手に誤解して、どんどんヤバいことになった件(´;ω;`)ウゥゥ  作者: ざつ
本編

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第3話 悪役令嬢、善行を誓う、そして最初の誤解の芽生え -3

 一週間後、領地の自室で朝食をとっていたアメリアは、ふと窓の外に目をやった。領地を見渡せる高台にある屋敷からは、村の様子が小さく見える。


(ん?あれ、なんか村の様子がいつもと違う…?)


 目を凝らすと、村の中心にメアリーの姿があった。

 そして、その周囲には、昨日までへたり込んでいたはずの村人たちが、列をなして立っている。メアリーは彼らに向かって、何かを指示しているようだった。


「な、何あれ!?

 私が救済した村が、なぜか軍隊みたいになってるんだけど!?」


 アメリアは思わず紅茶を吹き出しそうになった。


(しかも、メアリーが鬼教官になってる!

 嘘でしょ!?

 私の善行が、まさかの私兵育成にすり替わってる!?)





 メアリーの声が、風に乗って微かに聞こえてくる。


「アメリア様は、お前たちに新たな生を与えられた。

 ならば、その恩に報いる義務がある!」


 村人Cが困惑した声で尋ねた。


「恩に報いる…?」


 メアリーの声はさらに厳しくなる。


「さあ、並べ。号令と共に動け。アメリア様の御心に応えるため、強い民となれ!」


 村人Dが小声で呟いた。


「私たち、農民なんですけど…」


「問答無用。アメリア様は、無駄な存在を許さない!」


 メアリーの言葉に、村人たちは困惑しつつも、メアリーの迫力に押されてぎこちなく動き始めた。


 最初のうちは、足並みもバラバラで、見るからに不慣れな様子だった。中には、畑仕事の道具を手に持ったまま訓練に参加させられている者までいる。


「うわぁ…きっついなぁ…こんなことして、何の役に立つんだ?」

「こんな体力、農作業じゃ使わねぇよ!」


 村人たちの間からは、ぼやきと戸惑いの声が漏れていた。

 メアリーはそんな彼らの不満を一切無視し、容赦なく彼らを叱咤する。


「貴様ら!足が止まっている!

 アメリア様の慈悲を無駄にする気か!?」


 彼女は容赦なく彼らを叱咤し、時には木剣を振るって地面を叩き、その音で恐怖を植え付ける。生々しい訓練が、容赦なく村人たちに課せられていく。


 腕立て伏せ、走り込み、そして簡易的な行進訓練。農具を槍に見立てての型まで教えられているようだった。





 三日、四日と経つにつれて、村人たちの動きは少しずつ、だが確実に変わっていった。最初は反発や疑問を抱いていた彼らだったが、メアリーの指導は的確で、何より彼女自身が一切手を抜かない。


「おい、さっきより足が揃ってきたぞ!」

「マジかよ、こんな俺たちでもやればできるのか…?」


 次第に、疲労困憊の中にも、わずかながら「できるようになった」という手応えを感じ始める者が現れる。





 一週間が経つ頃には、村の中心に集まった彼らの顔には、以前のような疲れ切った表情だけでなく、どこか精悍な光が宿り始めていた。号令に合わせて動く足並みは、まだ完璧ではないものの、以前とは比べ物にならないほど揃っている。


「はっ!はっ!……おう、なんだか体が軽いぜ!」

「本当だな!前はすぐ息が上がってたのに、この素振り百回も楽勝だぜ!」

「へへっ、メアリー様のおかげだな!」

「まさかこんな歳になって、こんなに体が動くようになるとは思わなかった!」


 彼らの口から、ぼやきではなく、かすかな笑い声や自慢げな声が漏れ始めた。肉体は疲れていても、どこか充実感と高揚感が漂っている。


 メアリーが「次は素振りを百回!」と号令をかけると、以前なら落胆のため息が漏れたであろう村人たちの中から、何人かが腕を組みながら前に進み出た。


「百回だと!?冗談じゃねえ、二百回やってやるぜ、メアリー様!」

「そうだ!アメリア様のためなら、この体いくらでも動かせるぜ!」

「やろうぜ、みんな!負けるか!」


 彼らはもはや、ただの農民ではなかった。メアリーの「訓練」に、ある種の「楽しさ」を見出し始めているようだった。まるで、何か新しいゲームに夢中になったかのように、彼らの目は輝いていた。




(これじゃ、悪役令嬢まっしぐらじゃない!

 処刑ルートに一直線だわ!

 私が目指してたのって、処刑回避のための「良い人令嬢」だったはずなのに!

 なんでこんなことに!?)


 アメリアは絶望に顔を青ざめさせた。心臓がバクバクと鳴り響く。


「でも、まだ大丈夫…まだ軌道修正できるはず…!」


 アメリアは震える手で窓枠を掴んだ。


(私は、絶対に処刑されない!頑張るわ、私!

 この勘違い、なんとかしないと!)


 彼女の目に映るのは、すでに小さな私兵集団と化した村と、それを指揮するメアリーの、一点の曇りもない忠実な姿だった。




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