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転生したら悪役令嬢みたいなんだけど、最強護衛メイドたちが勝手に誤解して、どんどんヤバいことになった件(´;ω;`)ウゥゥ  作者: ざつ
本編つづき

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第14話 断罪の舞台と予期せぬ「弁護」 -1

宰相アレクシスまでが自らの「策略」に感銘を受け、この国を「アメリアの望む理想の国」にしようと動き出していることを知ったアメリアは、もはや絶望の淵に立たされていた。


自らの善行がことごとく裏目に出るどころか、もはや国全体を巻き込む壮大な「悪役」計画へと発展している現実に、彼女の精神は限界に達していた。


(もうダメだ……何をやっても無駄だわ。平穏な人生なんて夢のまた夢。

 このままじゃ本当に、ゲームとは違う意味で、国を支配する最凶の悪役令嬢になっちゃう……!)


自室のソファにうずくまり、アメリアは頭を抱えていた。目の前には、アレクシスが推進する改革の報告書。その中には、アメリアの「深謀遠慮」によって不正貴族が次々と排除されているという記述が並ぶ。


(不正貴族が潰されるのは良いことだけど!

 なんで私の名前でやられてるのよ!? 

 しかも、全部「アメリア様の御心のままに」とか書かれてるし!

 私の御心はこんなこと望んでないんだけどぉぉぉお!!)


彼女の心の叫びは、虚しく部屋に響き渡るばかりだった。




そんなある日の午後、オルテンシア公爵邸に、厳粛な雰囲気を纏った一通の書状が届けられた。

封蝋には王家の紋章が刻まれ、その重々しい存在感に、メアリーが僅かに眉をひそめた。


「アメリア様。国王陛下からの召喚状でございます」


メアリーが差し出すその書状を、アメリアは震える手で受け取った。封を開ける前から、彼女の心臓は激しく警鐘を鳴らしていた。


(来た……!ついにこの時が来てしまったのね……!)


書状に目を落とすと、そこには彼女の「悪行」に関する罪状が羅列されていた。


「『領民を私兵化し、王権の私物化を図った罪』、『市場を支配し、国家経済を混乱に陥れた罪』、『ヒロインであるリリアナ嬢を陰から操り、民衆を扇動した罪』……」


読み上げるたびに、アメリアの顔から血の気が引いていく。


(この罪状……ゲームと同じだ……!

 貧民の救済が私兵化、市場の安定化が経済混乱、リリアナの育成が民衆扇動……私の善行、全部悪行にされてるぅぅうう!)


体が震え、書状がハラハラと音を立てる。


「私……私、処刑されるんだ……!」


絶望の淵に突き落とされたような気分だった。

しかし、その絶望の底に、アメリアは一縷の希望を見出す。


(でも……これで悪役令嬢としての役目は終わる……そうよね?

 この地獄のような誤解の連鎖から、ようやく解放されるんだわ!

 ああ、ようやく、ようやく……!)


涙目になりながらも、アメリアの顔には、どこか安堵にも似た表情が浮かんでいた。


「ええ、メアリー。覚悟はできているわ。……これが、私の結末」


アメリアは、書状を胸に抱きしめた。それは、彼女にとっての「終焉」であり、同時に「解放」を意味していた。


この召喚状は、アメリアの行動を脅威と見なした一部の貴族や官僚が、国王に進言したものだった。彼らは、アメリアの増大する影響力に危機感を覚え、彼女を断罪する絶好の機会だと判断したのだ。


(ああ、処刑されるのは怖いけど!

 でも、これで本当に終わるんだ!

 もう誰も私を勘違いしない!私の善行が裏目に出ることもない!

 やったー!やっと終わるんだぁ!)


アメリアの心の叫びは、悲壮な響きを帯びながらも、どこか晴れやかなものだった。





翌日、王宮の謁見の間は、重苦しい雰囲気に包まれていた。玉座には国王が厳かに座し、その周囲には多くの貴族たちが居並ぶ。彼らの視線は、中央へと進むアメリアに集中していた。


アメリアは、全身で警戒心を露わにしたメアリーに付き添われ、ゆっくりと謁見の間の中央へと進んだ。彼女の足取りは重く、心臓は激しく鼓動していた。


国王の声が、厳かに謁見の間に響き渡る。


「アメリア・オルテンシア!貴様の数々の悪行、聞き捨てならぬ!」


(うわー、本当にこのセリフだ!

 ゲームの断罪イベント、完全に再現されてるじゃない!もう心臓が破裂しそう!

 誰か、私を抱きしめてぇ!)


国王は、寄せられた報告を基に、アメリアを真の悪役だと信じ込んでいるようだった。


(うわぁ、国王様まで怒ってる!いや、そりゃそうよね、こんな報告書見せられたら誰でも怒るわ!)


「貴様は、貧民を私兵化し、王権の私物化を図った!

 市場を支配し、貴族を不正の罪に陥れ、国家経済を掌握した罪は重い!」


(それ、全部私、善意でやったことなんだけど!?

 なんでこんなにも正確に私の行動が悪行として変換されてるの!?

 ゲーム製作者さん、まさか未来視の能力でもあったの!?

 ひどい、ひどすぎるわ!)


アメリアは内心で絶叫した。頭の中では、善行を実行した時の記憶と、それが悪行として解釈された事実が、激しく交錯していた。


「これより、貴様の処遇を決定する!何か弁明することはあるか!」


国王の言葉に、アメリアはゆっくりと顔を上げた。その瞳には、恐怖と安堵、そしてどこか諦めにも似た複雑な感情が入り混じっていた。


「わたくしは……」


彼女の口から、どんな言葉が出ようとしているのか。誰もが固唾を飲んで見守っていた。


「わたくしは……ただ……」


アメリアは口を開いた。この機を逃してはならない。処刑されるのは怖い。


でも、この地獄のような誤解の連鎖から解放されるなら、潔く罪を認めよう。いや、罪なんてないんだけど!だから、真実を、私の善意を伝えなくては!


(そうよ、ここで全てを話すんだ!

 貧しい村を助けたこと、物価高騰を食い止めたこと、リリアナを立派な聖女に育てようとしたこと!

 全部、処刑ルートを回避するための善行だったって!

 そうすれば、国王陛下も分かってくれるはず!)


彼女は震える声で言葉を紡ごうとした。しかし、その声は、謁見の間の奥から響く、一人の少女の澄んだ声にかき消された。


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