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転生したら悪役令嬢みたいなんだけど、最強護衛メイドたちが勝手に誤解して、どんどんヤバいことになった件(´;ω;`)ウゥゥ  作者: ざつ
本編つづき

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第13話 宰相の分析と絶望の深化 -4

 その頃、エドワード王子は、リリアナの活躍と、それに対する周囲のアメリアへの称賛を耳にしていた。彼の執務室には、リリアナが人々を助ける様子が描かれた絵や、彼女への感謝の言葉が綴られた報告書が山積みになっていた。


「リリアナまでがアメリアの掌中に……。ふ、ふふ……」


 エドワードの口元に、不敵な笑みが浮かぶ。その瞳の奥には、狂気にも似た独占欲の光が揺らめいていた。


「あの娘を育て上げたのも、アメリアが私にふさわしい臣下を差し出すためか。

 やはり、彼女は私の期待を裏切らない」


 彼は、アメリアがリリアナを育成したことを、自分への「愛の証」だと解釈していた。アメリアの行動すべてが、自分を喜ばせるための策略だと信じ込んでいるのだ。


「しかし、アメリアの心が他の者に奪われるなど、許さない……!」


 彼は執務机に置かれたアメリアの肖像画をそっと撫でた。その指先には、尋常ではない執着が感じられる。


「アメリアは、私だけの王妃。その才能も、その歪んだ愛も、全て私が受け止めてやろう。他の誰にも、君の心を、その肉体を触れさせはしない……」


 エドワードは不敵に笑いながら、独り言のように呟いた。


「さあ、アメリア。私をどれだけ楽しませてくれる?

 君の深遠なる思惑、この私が全てを理解し、君と共にこの国を統治してやろう。 

 そして、君は永遠に私のものとなるのだ」


 彼の歪んだ愛は、アメリアの悪役としての評判を、より堅固なものとして王宮中に広めていく。


 アメリアの善行は、もはや彼女自身の意思とは全く関係なく、周囲の解釈によって増幅され、彼女を「最強の悪役令嬢」の座へと押し上げていくのだった。







 数日後、オルテンシア公爵邸に、天才宰相アレクシス・クロフォードが訪問してきた。


 彼の来訪は、王宮中に衝撃を与え、アメリアの悪役としての評判にさらなる拍車をかけることになる。


 応接室に現れたアレクシスは、常に口元に笑みを浮かべているが、その双眸は冷徹にアメリアを見つめていた。隣には、全身で警戒心を露わにしたメアリーが立っている。


「オルテンシア公爵令嬢。お噂はかねがね。

 ようやく、こうしてお目にかかれて光栄です」


 アレクシスが恭しく頭を下げると、アメリアは内心で悲鳴を上げた。


(うわあ、宰相まで来た!いよいよヤバい!

 これはもう、処刑される前に、私が先に何かされるフラグじゃない!?

 どうしよう、どうしよう、メアリー、何とかしてぇ!)


 アメリアは冷や汗をかきながらも、努めて冷静を装った。


「さ、宰相閣下。ようこそおいでくださいました。

 わたくしのような者に、何かご用件でございましょうか」


 アレクシスは、そんなアメリアの言葉を、まるで手の内を見せない策略家の言葉だと解釈した。


「ご謙遜なさらず。あなたの卓越した手腕、拝見しております。

 特に、この国の腐敗を一掃するあなたの計画は、感銘を受けました。

 市場の流通を掌握し、経済を安定させた手腕、そして民衆の心を掴む慈悲深さ……並大抵ではありません」


(計画!?市場の流通掌握!?慈悲深さ!?

 私、ただ単に困ってる人を助けただけなんですけどぉぉお!?

 なんでそんなに都合よく解釈されてるの!?

 いや、あの、私、そんな大それたこと考えてないですから!マジで!)


 アメリアは内心で絶叫した。アレクシスは、アメリアの焦りの表情を、さらなる深謀遠慮の現れだと捉えた。


「いえ、私はただ……」


 アメリアが言葉を濁そうとすると、アレクシスは一歩踏み出し、その笑顔をさらに深めた。


「ご謙遜なさらずとも。ぜひ、この国の未来のために、私と手を組みませんか?

 あなたの知謀があれば、この国はきっと、新たな時代を迎えるでしょう」


 彼の言葉は、アメリアにとって、まるで重い鎖のように感じられた。


(手を組む!?

 いやいや、あなたと手を組んだら、私の「悪役令嬢としてのキャリア」がさらに加速するじゃない!

 断罪ルートを回避しようとしているのに、逆に「国を支配する悪役」ルートに一直線よ!それは絶対に嫌ぁ!)


 アメリアは全身で拒絶の念を示したい衝動に駆られたが、メアリーの視線がそれを許さなかった。





 アメリアは、アレクシスの提案に戸惑い、断罪を避けるため、深入りしないよう拒否することを決意した。彼の誘いに乗ってしまえば、さらに事態が悪化することは目に見えている。


「宰相閣下。わたくしには、そのような大それたことは……分不相応でございますわ。わたくしはただ、一介の公爵令嬢として、平穏に過ごしたいと願うばかりです」


 アメリアは精一杯の演技で、ひ弱な令嬢を演じようとした。だが、その言葉はアレクシスには全く異なる響きを持った。


 アレクシスは、目を細めてアメリアをじっと見つめた。その視線は、アメリアの心の奥底を見透かすかのようだった。


「ほう……私の申し出を拒否するとは。面白い」


(面白いって何!?全然面白くないから!

 これで私の悪役ポイントが下がることを祈るばかりよ!)


 アメリアは内心で叫んだ。しかし、アレクシスはさらに不敵な笑みを浮かべた。


 アレクシス(心の声):

「まさか、私を試しているのか。あるいは、私すらも利用しようとしているとでも?このアレクシスに、手の内を見せぬとは……見事だ」


 彼は、アメリアの拒否を、自分を出し抜くための巧妙な策略だと解釈したのだ。


「素晴らしい。やはりあなたは、私の想像を遥かに超える存在だ。

 このアレクシス、改めて貴女の才覚に心より感服いたしました」


 アレクシスは、再び恭しく頭を下げた。アメリアは、その言葉に絶句した。


(全然素晴らしくないから!ただ断っただけなの!

 なんでそうなるの!?

 もう本当に私の真意、誰にも伝わらないの!?

 こんなのって、あんまりだわぁ!)


 アメリアの絶望は、さらに深まるばかりだった。




 宰相室に戻ったアレクシスは、アメリアの協力拒否を受け、さらに不敵な笑みを浮かべていた。彼の脳内では、アメリアの行動すべてが、壮大な国家改革のシナリオとして完璧に組み込まれていく。


「なるほど、私に手を出させ、彼女は漁夫の利を得るつもりか。

 まさか、そこまで見越しているとはな」


 アレクシスは、アメリアの拒否を、自分を出し抜くための策略だと解釈した。彼にとって、アメリアは最高の「敵役」であり、同時に最も敬愛すべき「協力者」となっていた。


「だが、その手には乗らない。私が自ら、彼女の計画を成功させてやろう。

 この国の腐敗を一掃し、彼女が望む理想の国を作り上げてやる……全て、私の手で」


 彼の言葉には、狂信的なまでの情熱がこめられていた。アレクシスは、アメリアの「善意」を「冷徹な悪意」として解釈し、その「悪意」こそが国を救う唯一の道だと信じ込んでいたのだ。


「そして、その全てを成し遂げた時、あなたは私を認めるだろう……アメリア」


 彼は、アメリアが自分を認めるその瞬間を夢見ているかのようだった。


「さあ、ゲームの続きを始めようか。オルテンシア公爵令嬢」


 アレクシスは、机に広げられた古地図を指でなぞった。彼の目には、すでにアメリアが影から支配する未来の国の姿が映し出されているようだった。彼の暗躍は、アメリアの悪役としての評判を、国の最高権力者にまで深く浸透させていく。




 アメリアの自室では、メアリーから届いた報告書を読み、愕然としていた。


 報告書には、宰相アレクシスが活発に動き出し、アメリアが「市場を支配し、不正貴族を排除する計画」を推進していると記されていた。


「は……はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


 アメリアは椅子から転げ落ちそうになった。不正貴族が本当に潰されているという記述に、背筋が凍る。


「宰相まで動き出した!?しかも私のせいで、不正貴族が本当に潰されてる……!

 私がやったのは、ただの経済支援だったのに……!

 もう、本当にどうしようもない!何をやっても、私の悪役度しか上がらない!」


 アメリアは報告書を握りしめ、顔面蒼白で震え上がった。自分の善行が悪行と誤解され、それが国の最高権力者によって推進されている現実に、深い絶望を感じる。


(私はただ、平穏に生きたいだけなのに……なんでこんなことに!?

 普通に生きて、普通に死にたいだけなのに!

 どうしてこんなにハードルが高いの!?

 誰か、誰か助けてえええええええええええ!)


 瞳には、絶望の涙が滲んでいた。


(このままじゃ、断罪どころか、本当に国を支配する悪役になっちゃう……!

 いや、もうなってる!宰相まで私の手中に収めようとしてるって!

 そんなの私、絶対無理!キャパオーバーよ!

 もういいから、私をゲームの世界から出してぇええええええええええええええ!)


 アメリアは、震える声で空に向かって叫んだ。その声は、虚しく部屋に響き渡るばかりだった。


「誰か、この悪夢から、私を解放して……!!!」


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