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転生したら悪役令嬢みたいなんだけど、最強護衛メイドたちが勝手に誤解して、どんどんヤバいことになった件(´;ω;`)ウゥゥ  作者: ざつ
本編

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第8話 王子の独占欲と社交界の混乱 -2

 舞踏会場の一角で、エドワード王子は、アメリアとリリアナをじっと見つめていた。彼の瞳には、どこか嫉妬と独占欲の光が宿っている。


(アメリアが、あのような娘をここまで……。

 慈悲を与えるだけでなく、自ら教育し、その魅力を引き出しているのか)


 エドワードの脳裏に、以前アメリアが村人を救済し、その結果「私兵化」したという噂がよぎる。


(まさか、アメリアは私にふさわしい王妃になるため、優秀な臣下を育てているのか……?

 あるいは、この娘すらも、アメリアの掌の上で踊らされているとでも?)


 彼はゆっくりとワイングラスを傾け、アメリアへと視線を固定した。


(だが、あの娘にばかり気を取られているようでは困るな。

 アメリアは、私だけのものだ。他の男が近づくなど、決して許さない……)


 リリアナに近づこうとする貴族の青年たちが、ちらほらと現れ始めた。彼らはリリアナの純粋な美しさに惹かれているようだった。

 貴族Lが、意を決したようにリリアナに話しかけた。


「リリアナ様、もしよろしければ、この後のダンスはいかがでしょうか?」


 その瞬間、エドワード王子が彼らの間に割って入った。その顔には柔らかな笑みが浮かんでいるが、その目は鋭い牽制の光を放っている。


「彼女は私の婚約者の客人だ。

 軽率な振る舞いは慎むべきだな」


(え?婚約者?

 ……あ、私、王子の婚約者だったわ!完全に忘れてた!)


 アメリアは頭の中で鐘が鳴ったような衝撃を受けた。転生した悪役令嬢は王子の婚約者、という基本設定をすっかり失念していたのだ。

 普段の善行努力(と、それが裏目に出ること)にばかり気を取られ、まさかこんな場で思い出させられるとは。


 貴族Lは王子の言葉にたじろぎ、慌てて頭を下げた。


「は、ははぁ……!失礼いたしました!」


 彼は顔を青ざめさせ、足早にその場を後にした。


(あれ?王子、なんでリリアナの邪魔してるの?

 攻略対象なのに!?むしろ積極的に話しかけなきゃダメじゃん!)


 アメリアは内心で混乱していた。これはゲームのシナリオと違う展開だ。リリアナは困惑しつつも、王子に助けられたと感じているようだった。


「王子殿下が、私を助けてくださった……!」


 リリアナはエドワード王子に感銘を受けたように、瞳を輝かせた。



 エドワード王子は、アメリアの手を取り、舞踏会場の隅へと誘った。


 他の貴族たちが近づけないように、彼女を完全に独占する。彼の顔には、満足げな笑みが浮かんでいた。


「アメリア、君のような輝く存在は、私だけが見ていればいい。

 他の者たちの目に触れる必要はない」


(な、何言ってるの!?他の人たちと交流させなさいよ!

 私の悪役ポイントが爆上がりしてるんですけど!?)


 アメリアは心の中で叫んだ。彼女の周囲からは、ひそひそと囁き合う声が聞こえてくる。


 舞踏会のきらびやかな喧騒の中、一組の貴族が、アメリアとエドワード王子を遠巻きに眺めていた。貴族Mが眉をひそめて、隣の貴族Nに話しかける。


「おい、見ろよ。殿下が、オルテンシア公爵令嬢を終始独占しているぞ……。

 まるで他の誰にも触れさせたくない、とでも言いたげに」


 貴族Nは感嘆とも畏怖ともつかぬ声を漏らした。


「ああ、実に尋常ではないな。殿下がここまで執着なさる相手とは……。

 やはりアメリア様は、殿下すら手玉に取る真の悪役令嬢だ……

 その手腕、恐るべし」


「一体、殿下に何をしたというのだ?

 これでは、まるで殿下の方が彼女に夢中になっているかのようだ」


「ふむ……噂では、殿下の心変わりを阻むため、様々な策を巡らせているとか。

 その独占欲も、彼女の巧妙な策略の一つなのかもしれぬな」


(やめて!私の悪役ポイントが爆上がりしてる!

 これじゃ、私が殿下を操ってるみたいじゃない!最悪だわ!)


 アメリアはひきつった笑顔のまま、王子の手から逃れようと試みたが、彼は決して手を離さなかった。その手は、まるで強固な鎖のように、アメリアを捕らえていた。




 舞踏会の影から、メアリーがアメリアとエドワードのやり取りを観察していた。彼女の無表情な顔には、微かな達成感が浮かんでいるかのようにも見えた。


(殿下すらも、アメリア様の掌の上か……。アメリア様の目的は、殿下をも支配下に置くこと……そのために、あのリリアナを利用している。)


 メアリーの瞳は、一点の曇りもなくアメリアに向けられていた。


(完璧だ。私の主は、常に最善の手を打つ。

 私も、殿下を影から支え、アメリア様の邪魔をする者を排除せねば。

 アメリア様の偉業のために!)




 舞踏会場の端で、第一師団長アーサー・ペンドラゴンは、騎士団の同僚たちと話していた。彼の視線は、アメリアとエドワード王子の方へと向けられていた。


 騎士Oが眉をひそめてアーサーに尋ねる。


「アーサー殿、殿下は、最近オルテンシア公爵令嬢に夢中なようだが……貴女は、どう思われる?」


 アーサーは冷静な表情でワイングラスを傾けた。


「(冷静に)殿下は、アメリア様の才覚と器量を正しく見抜かれているだけだ。

 愚かな者には理解できまい」


 騎士Pが困惑したように首を傾げた。


「しかし、あの独占ぶりは……いくら婚約者とはいえ、少々度が過ぎているように見えますが?周囲の目もございますし……」


 アーサーは、アメリアがエドワード王子に捕らわれているかのように見える光景をじっと見つめた。


(まさか、アメリア様は殿下すらも手懐け、自身の計画の駒とされているのか……。

 あの孤高の振る舞いこそ、国の未来を憂う真の姿。

 殿下はその一点を見抜かれたのだ!!)


 アーサーの脳内では、アメリアの行動すべてが、壮大な国家改革のシナリオの一部として完璧に組み込まれていく。


「殿下があそこまでなさるのは、アメリア様が殿下にとって唯一無二の存在であると、無意識のうちに理解されているからだろう。アメリア様は、殿下を真の王とするために、あえて冷徹な振る舞いをされているのだ」


 騎士Qが感嘆の声を漏らした。


「なるほど……我々では、その深謀遠慮など、到底及ばぬというわけか……!」


 騎士Oも深く頷く。


「やはり、あのオルテンシア公爵令嬢は、底知れぬお方だ……」


 アーサーは、誇らしげに胸を張った。


(アメリア様の偉大さを理解できるのは、私のような真の騎士のみ。

 私の忠誠は、アメリア様にとって不可欠なのだ!)



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