赤い糸
ひょんなことから仲良くなった、留学生の女の子。
日本語の練習がしたいと言われ、偶然持っていたラブコメ小説を貸した。
しばらくは、興味深そうに読んでいて、ときどき、「オォ。」とか、「ナルホド。」と、少しカタコトさの残る声を漏らす。
すると突然、
「アノ・・・○○サン、シツモン、ガ、アルノデスガ・・・。」
と、質問を受けた。どこか、難しい単語でもあったのかと聞いてみると、
「コノ、アカイ、イト?トイウノハ、ドウイッタ、イミ、ナノデスカ?」
運命の赤い糸は、調べたところ中国から伝わった言葉らしい。
他国の文化の違いを感じつつ、僕は赤い糸の意味を伝える。
すると彼女は、また、「ナルホド・・・。」と、呟き、その日は解散となった。
次の日、教室に入ると一目散に彼女が、こちらに向かってくる。
なぜかその腕には赤い鎖が巻かれており、チェーンの片方はジャラジャラと教室の床にあたり、音を立てている。
一体どうしたのか聞くと、
「アカイ、イトデハ、ヨワスギル、ノデ。」
そう言いながら、こちらの腕に赤い鎖を巻き付けようとしてくるのだった。
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