34.年越し【another】
こちらの作品は、前話の別視点バージョンです。
炬燵の中で、私はじっと彼の横顔を見つめていた。
(……変わったようで、変わらないなぁ)
昔、小さな彼を抱きしめた記憶が、ふと蘇る。
今は私よりも背が高くなって、大人になって。
(ちょっとだけ、寂しいかも)
手持無沙汰な沈黙が、妙に心地いい。
だから、ぽつりと尋ねた。
「そういえば、あんた彼女とかいるの?」
自分でもなんでそんなことを聞いたのか分からない。
でも、気になったのだ。
彼は、あっさり「いないですよ」と答えた。
(そっか……)
その答えに、ホッとする自分がいる。
でも同時に、情けなくて、思わず笑ってごまかした。
自分にも、誰かがいるわけじゃない。
お互い、ひとりぼっちだ。
(だったら、さ……)
気づけば、酔った勢いに任せて口が滑っていた。
「じゃあさ、次の私の誕生日までにあんたと私に彼女、彼氏ができなかったら、付き合う?」
彼が驚いた顔をする。
当然だ。私だって驚いてる。
テレビのカウントダウンが始まる。
心臓の鼓動が、それより早く鳴っている。
ドキドキしながら彼の反応を待った。
彼の着ている、どてらの袖を掴む。
本当は、袖じゃなくて、手を掴みたかった。
でも、そこまで素直にはなれなかった。
「それで……どうするんだ……?」
声は、震えていたかもしれない。
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