33.年越し
大晦日ということで、特別に明日も更新します!
大学生になり、一人暮らしを始め、初めての大みそかを迎えた。
他の学生は友人と過ごしたり恋人と過ごしたりと有意義に過ごしているらしい。
そんな中で自分はというと、
「おーい、酒はまだか?」
6つ上の幼馴染と、年越しをすることになっていた。本来、一人で過ごす予定だったのだが、いきなり彼女が家に転がり込んできて今に至るというわけだ。
「自分、まだ19ですよ……あるわけないでしょ」
呆れつつも、無言でいるわけにもいかないので仕方なく返答する。
不満げな声が返ってくるが、いつもの酔っぱらいの戯言なので気にしない。
幼いころは、しっかりした人だと思っていたが、今となっては、面影すらない。
次の年まで、あと5分を切る。
自分と彼女は、一緒に炬燵に入って年の終わりをのんびりと待つ。
ふと、彼女が呟く。
「そういえば、あんた彼女とかいるの?」
生まれてこの方恋愛市場の冬物処分セール品として生きてきた自分に対する当てつけかと思ったが、怒るのも面倒なので、
「いないですよ」
そう答えると、
「ハハッ!やっぱりな!まぁ、そういう私もいないんだがな!」
と、何が面白いのか大笑いする。
年越し前に騒がしい人だなと思っていると、急に彼女の笑い声が途切れる。騒ぎすぎて疲れて寝てしまったのかと思うが、彼女の方を向くと、彼女と目が合う。
「じゃあさ、次の私の誕生日までにあんたと私に彼女、彼氏ができなかったら、付き合う?」
酔っぱらいの戯言とはいえ、唐突な提案に驚く。が、すぐに思い直し、
「次の誕生日って……年越えたらすぐじゃないですか!」
そう。彼女の誕生日は1月1日なのだ。
「ハハッ!ばれたか!」
そう言って、彼女はまた大笑いする。その笑い声に呆れと安堵、そして何故か、少しの落胆を感じてしまう。
(なんで、落胆……?)
そんな自分の心情に、内心首を傾げる。
だが、首を傾げきる前に彼女が笑い声を止めて珍しく小さな声で、
「それで……どうするんだ……?」
と、こちらの羽織っているどてらの袖を弱々しく掴んでくるのだった。
年越しは二次元の娘と過ごします別に悲しくないんだからね
現在の心境を短歌にしてみました。
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