お姉さん
近所に住んでいて、よく遊んでもらった7つ年の離れたお姉さん。
自分が小さいときは、とても大きく見えたが、小学4年生になるとその背は並び、大学生の今ではその身長差は30センチも開いていた。
彼女は、僕が大学生になった今でも僕を小学生かのように扱う。その一例として、いつも頭を撫でてくるのだが、届くはずもなく、
「○○くん、しゃがんで?」
そう言われる。最初は抵抗するのだが、何故か最終的にしゃがまされている。
おそらく幼いころの刷り込みだと最近は、本気でそう思いだしている。
だが、こちらも大学生、まだ立派とは言えないが大人だ。
ということで、少し特殊な抵抗をしようと考えた。
計画決行の日、お姉さんは、いつも通りこちらの頭を撫でようとする。僕は、しゃがまなくても頭を撫でる方法があるとお姉さんに伝える。すると、
「あらあら、○○くんは賢いのね~」
と、いつも通りのんびりとした口調で子ども扱いをしてくる。
そして、計画決行。僕はお姉さんを持ち上げる。俗にいうお姫様抱っこだ。
「あ、あらあら~、どうしたの○○くん?」
お姉さんは珍しく戸惑っている。その耳は、ほんのりと赤くなっている。
僕は満足し、お姉さんを地面に下す。
お姉さんは、心ここにあらずといった様子だったが、しばらくすると、いつものお姉さんに戻り、自分の家に帰っていった。
次の日から、なぜかお姉さんはこちらの頭を撫でようとしてくるのをやめ、代わりにこちらに抱き着くようになった。
お姉さんの表情は自身の胴体に隠れていて、見えないが、その耳は、ほんのりと赤くなっていた。
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