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●新人物の往来
氏名:百舌彗
誰も殺せぬ不殺のセーターと、千歳飴でできた乳白色のロリポップ刀を持ってウロつく類稀な女子。
学校の帰りにプロパンガスを積んだトラックの爆発事故に巻き込まれて死んだ後、チスイコウモリに転生して門限通りに帰宅した。
以来闇の中に奇妙なものが蠢くのが見えるようになり、怖いから暗い所や夜は出歩かない。
神社の人から縁起の良い千歳飴で作られた刀「千歳刀・銘ロリポップ」を贈られ、振り回す。
転生後、左右の瞳が金銀に分かれて変色したが、眼科の医師からは「見えてるし若いからそのうち治るでしょう」と言われて本人も家族も友達も気にしない。
頭の上に長い髪の束が三本立つようになりもしたが、本人も誰も気にしていない。元々極端な癖毛で髪質はフワフワしており毛先がきつくカール。
よく「天才」と言われその場ではヘラヘラしているが、それが解らない程でもないので家に帰ってから風呂や布団の中で泣く。
●詳しく知っている者からは【死んだ星】と呼ばれる。
最初は問題が無いが、だんだん貧血になって行き、鶏の肝煮やほうれん草ばかり食べるようになる。
血を飲んだ所で胃液と混ざって出来る物質が強い吐き気をもたらすだけなのでちっとも改善にはならず、姿を消して吸血出来たりもせず、【退魔師】というものが居て何かやっているのを発見しやすい立場の人間として生活を送る。
●持っている「千歳刀」は千年続くと嘯く「天満宮」の宮司がやっている「飴鍛冶」の産物であり、熱した砂糖の結晶をやっとこで掴んで金槌で叩いて千度も折り畳んで微粒子が何京層も重なった「幾ら叩いても折れず曲がらず凄まじく伸びる鋼より強靭な物質」に変えて作られる、たいへん縁起の良い霊力のこもったもの(古代の飴鍛冶が全体の糖鎖が一本になる秘法を編み出してそれを受け継いでいるため、刀身全体が一つの分子からなる「単分子刀」でもある)。
砂糖に賞味期限はないため、千年前の飴・「飴の叢雲」が食べられる状態で現存する。