第七章~闘い←→出逢い~
闘いの火蓋が切られた。
まずは、苦手な国語。とりあえず、漢字の穴埋めからやってみる。
良い感じ。問題の長文……
内容は、古代遺跡が関係しているらしいが、論説文が途中までしか読めない。
とりあえず、埋められるところは埋める。
時計を見る。あと30分だ。読み直せる。
僕は賢明に読み直した。すると、点と点が線になった。
最後の記述も完成させることができ、一安心。
次は算数、典型問題がずらりと並ぶ。ここら辺は手際よく処理をしていった。
解いていて一番気持ちが良いのが算数だ。そして、難問にさしかかった。
グラフを書いてみる。ダメだ。線分図で図式してみる。
いや、もはや二つ見比べてみよう。
法則性は…… 見つけた! ベン図が役だった。
残り時間40分、見直しも終わりやることがない。
ボロボロの体はさすがに疲れ寝てしまった。
「やめっ! 」
合図と共に起きた。
算数の後は弁当だ。唐揚げを母親が作ってくれた。
ウマイ! エネルギーを蓄えるため、アクエリアスを飲む。
午後は、社会・理科と続いた。
試験が終わった。
「今から遊びに行く? 」
「おー! いいよいいよ! 」
友達同士受けに来たらしく、そんな会話が目立った。
「あの……」
知らない女の子に声をかけられた。
「はい? 」
「日能研に入塾して居るんですか? 」
「いや、してないけど……クラス決めるために受けたんだ。でも、なんで? 」
「いや、休み時間余裕顔だったから、私ビックリしちゃって……いま、真ん中の2組ってとこに居るんだけど、私より算数出来そうだね? 」
「え? いやいや、そんなことないよ。っていうかなんて言う名前? 」
「宇田川千春」
「宇田川さんか。僕も日能研はいるから、同じ組になったらよろしく! 」
「こちらこそよろしく! 名前は?? 」
「堀内孝弘だよ。」
「一緒に受験頑張ろうね! 」
そう言って、彼女は手を振り、人の波に消えていった。
帰宅し、自分が何処のクラスか真剣に考えた。
やったことはもう変えられないから今更仕方がないが、確実に言えることは、宇田川さんは2組。そして、自分の算数のテストの計算処理の速さなどに驚いたと言うこと。つまり、他の3科目がよほど酷くない限り、推測として、1組は有り得ないわけで、2組か栄冠組に絞られる。
どっちだ……?
気になる……
そんな想いを抱きつつ、次の朝を迎えた。