表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/88

私と師匠

ヒナの異世界での暮らしが始まりました。ヒナの暮らしぶりがわかってきます。どうぞお楽しみください。


12/13会話のシーンを一部変更しました。

 ヤッホ〜!


 私『ヒナ』だよ!『暁 緋那』からただの『ヒナ』になりました〜!


 どうやら異世界転生っていうのをしたみたいで、なんとこちらの世界の住人として産まれました。コレって小説や漫画で読んだやつだよね?


 今は5歳だよ〜。


 私にもチート能力とかあるのかな?楽しみ〜!


 今は沼地の老魔女エレオノーラの元で魔法の勉強中です。と言っても今はただ師匠の付き人ってだけで何も教えて貰えてないけど。


 まぁ……まだ5歳だしね。焦らずのんびりいきましょ。


 そういえば、物心ついた時に見たのが師匠の顔のドアップだったから、驚きすぎて心臓止まるかと思ったよね〜。


 産まれて直ぐに師匠の顔見てビックリして死ぬとか………………。


 …………………………ぶっw。


 ちょっと笑うよね。


 え?あのナイスバディ金髪美女と美男はどうしたって?


 ………さあ?私まだ5歳児だから難しいことわからな〜い。


 まぁ、そのうち会えるんじゃないかな?


 だって多分あの人達が私の両親だと思うから。(え?あの流れだとそう思うよね?)一時的に預けられてるとかじゃないかな?師匠は何も言わないけど……。


 今、師匠は街へ買い出しに出かけてる。残念ながら私はお留守番。外には怖い魔物が沢山いるから幼い私にはまだ危ないんだって〜。


 ……って師匠も老魔女って言うくらいだからかなり高齢なんだけど、一人で大丈夫なんかな?見た目的には90歳くらい。ちょっと心配になってきた。


 荷物はどんなに重くても特殊な鞄があるから大丈夫だって言ってた。どんなのかな?今度じっくり見てみたいな。


 この家には強力な結界が張ってあるから魔物や悪意を持つ者にはそもそも存在すら感じられないらしい。それでも師匠の魔力を超える大物が来た時にはヤバいみたいだけど、この辺りは大丈夫なんだって。


 家は大きな大木をくり抜いたような作りで、玄関から入って直ぐに広めのリビング、その奥に真っ直ぐ廊下が伸びていて、突き当りに螺旋階段がある。


 一階は廊下の左右に部屋があって、リビングの他にキッチン、トイレ、お風呂の水回り類、二階には師匠や私の寝室、書斎、空き部屋兼倉庫、そしてもう一つトイレがあり、三階は師匠の研究室になっている。


 この家は師匠の膨大な魔力から作られていて、家の間取りも思うように作り直せるらしい。やっぱり魔法って憧れるなぁ。


部屋の小物類も凝ってて、私は以前見た北欧雑貨の雑誌を思い出した。アレ、可愛いんだけどやっぱり揃えるには結構お金もかかるから、安月給な私は諦めてた。


 家の立っているこの『沼地』と呼ばれる場所は、あちこちに深い沼があって、そこら中に生えてる木も葉がない幹のみで、夜中に外を見るとそれがお化けに見えて、ちょっと不気味なんだよね。


 結界が張ってあるから大丈夫とわかっていても夜中にトイレに行くのが怖かったりする。(ほ…ほら、私まだ5歳だから……)


 この辺りに生息する魔物は主にリザードマン、リッチ、ネクロマンサーとかの、ちょっとトリッキーな攻撃を仕掛けてくる奴らばっかりらしい。


 まぁ師匠は敵に気付かれない様に魔法で姿や気配を消しているらしいんだけど、それも敵が強いからとかじゃなくて戦うのが面倒臭いって理由なのが何とも師匠らしい。


 そして今私は師匠の書斎から本を借りて、魔法のお勉強中。まだ小さいから実践はさせてもらえないけど、今のうちに知識を得ておいて損はないからね。私も小説や漫画みたいに魔法を思うように使ってみたい。


 前の生で、私がまだ小さかった頃テレビでやってた魔法少女のアニメに憧れて、お年玉を貯めて買った玩具のステッキを振って、よく魔法少女ごっこをやったっけ。弟は戦隊ヒーローの真似してよく喧嘩してたなぁ……。


 今ではもう違う世界のことなんだなぁ、と思うと少し寂しくもある。けど、私はもうこの世界で生きていくしかないんだ。頑張らなくっちゃ。


 そして魔法少女に………………ぷっ。我ながら似合わない。


『カランコロン……』


あ、師匠が帰ってきたみたい。私は慌てて師匠をお出迎えしに行く。


「師匠、お帰りなさい。」


「おや、ヒナただいま。変わったことは無かったかえ?」


「はい。何もありませんでした。師匠がご無事で良かったです。」


「カッカッカ。ワシがそう簡単にやられるわけがなかろうて。ワシを殺せるのはドラゴン種くらいじゃろうなぁ。」


 『ドラゴン』と聞いて私は目を輝かせる。本当に小説や漫画みたいだ。


「何じゃヒナ、お前ドラゴンに興味があるのかえ?」


 私はコクコクと思い切り首を縦に振る。そんな私を見て、師匠は得意気に話して聞かせた。


「あ奴らはな、頭が良く、また狡猾じゃ。力も魔力も桁外れじゃから、できる限り奴らには近付かんほうが良いじゃろ。そんなに数も多くはないし、住む場所も限られとる。人里にも滅多に来んじゃろうから、こちらから行かん限りは出会う事もない。」


「師匠は戦ったことがあるのですか?」


「むか〜し、ワシがまだ若かった時に組んでいたパーティメンバーと一緒にな。しかし撃退することはできたが終に倒すことまではできなんだ。」


「凄い……。やっぱり師匠は強いんですね。」


「ワシだけの力じゃない。あのパーティだったからだ。何せ先代勇者のパーティだったからな。」


 ……へ?今、なんつった?勇者って言った?


「勇者……いるのですか?ホントに?」


「今はもうワシ以外の仲間は皆死んでしまったがな。」


 師匠は少し寂しそうに笑って答えた。




 


 


 


 

まだまだヒナを取り巻く環境は謎だらけです。けれどヒナがイキイキと生きられるような世界にしていきたいと思っています。これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ